Das U-Bootは、多種のプラットフォームに対応したブートローダである。対応プロセッサアーキテクチャは、ARMAVR32英語版Blackfinx8668kMicroBlazeMIPSAltera NIOSNIOS2PowerPCSuperHなどで、主としてワンボードマイコンなどといった組込み開発用の環境で使われている[1]が、シングルボードコンピュータや、近年の電子ガジェット類など製品で使われていることもある。

Das U-Boot
開発元 DENX Software Engineering
初版 1999年10月22日 (1999-10-22)
最新版
v2020.10 / 2020年10月5日 (3年前) (2020-10-05)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C
対応言語 英語
サポート状況 継続
ライセンス GNU General Public License
公式サイト www.denx.de/wiki/U-Boot/
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概要 編集

 
U-Boot on the Openmoko Freerunner
 
U-Boot on the XPedite5501

ライセンスはGPLである。ビルドに使用するツールはGNUツールチェーンクロスコンパイラ(例えばcrosstool、the Embedded Linux Development Kit (ELDK)、OSELAS.Toolchain)などで、クロスビルドによってビルドできる。

対応ファイルシステム 編集

歴史 編集

このプロジェクトの源流は、Magnus Damm によって書かれた 8xxROM と呼ばれる 8xx Power PC のブートローダである[2]。1999年10月、Wolfgang Denk はこのプロジェクトをSourceForge.netに移管し、SF.net におけるプロジェクト名の制約(数字で始まる名前が利用できないこと)から、名前を PPCBoot に改名した[2]。PPCBoot Ver 0.4.1 は、2000年7月19日に公開された。

2002年、古いバージョンのソースコードが ARMBoot の名称でフォークされたが、その後は短期間で PPCBoot プロジェクトにマージされた。2002年11月には PPCBoot-2.0.0 がリリースされたが、これ以降は PPC ISA に加えて ARM アーキテクチャをサポートすることを反映する為に名称を変更したため、これは PPCBoot の名前の下での最後のリリースとなった。

2002年11月の U-Boot-0.1.0 (PPCBoot-2.0.0) には、サポート対象にx86プロセッサ・アーキテクチャが追加された。その後に、サポートアーキテクチャは、MIPS32(2003年3月)、MIPS64(同年4月)、Altera NIOS-32(同年10月)、Coldfire(同年12月)、MicroBlaze(2004年4月)が追加された。2004年5月にリリースされた U-Boot-1.1.2 は様々なアーキテクチャを横断し、216種類の異なる基板製品をサポートした[3]

余談 編集

「Das U-boot」という名称は、ドイツ語潜水艦を指し、特に英語圏で原語のまま用いる場合は「ドイツ製潜水艦」を意味する「Uボート」との言葉遊びを成立させる為に、ドイツ語の中性名詞に付与される定冠詞「Das」を付与して命名されている。

脚注 編集

  1. ^ Yaghmour 2009.
  2. ^ a b PPCBoot Homepage: Authors
  3. ^ U-Bootdoc History”. Sept 4, 2011閲覧。

参考文献 編集

  • 川本泰久「第8章 ブート・ローダ Das U-Bootの実装(Blackfin編)」『Interface増刊 起動プログラム ブート・ローダ入門』CQ出版、2009年。ISBN 9784789849913 
  • Yaghmour, Karim 水原文訳 (2009). “第9章 ブートローダのセットアップ”. 組み込みLinuxシステム構築 第2版. オライリー・ジャパン. ISBN 9784873114224 

外部リンク 編集