猿の生肝(さるのいきぎも)は、世界に広く分布した寓話性童話の一つ[1]。日本では、動物形態の説明伝説としての意味を付加している。海月(くらげ)の出る説話は「くらげ骨なし」ともいう[2]

概要 編集

治病の妙薬として、猿の生肝を取りに竜王から遣わされた海月が、猿を騙して帰る途中、その目的を洩らしたため、猿に生肝を樹上に置き忘れたと騙されて逃げられた。その罪を竜王に責められ、打たれて骨なしになった[1]

海月がとなっている話もある。この場合は打たれて骨なしになる代わり、猿に石を投げつけられて甲羅にひび割れができる[1]

古代インドの説話集パンチャタントラ[3]や、日本の説話集の注好選[4]今昔物語集(巻第五・天竺部)などに類話が見える[5]

  • の肝や頭部は薬の原料として扱われる。猿の頭部は黒焼きになり、猿頭霜(えんとうそう)と呼ばれる[6]

関連項目 編集

脚注 編集

参考文献 編集

  • 廣瀬鎮 (1979). . 法政大学出版局. p. 86. ISBN 9784588203411. https://books.google.co.jp/books?id=iKNQEAAAQBAJ&pg=PA86#v=onepage&q&f=false 
  • パットオン・ピパタナクル「日本と東南アジアの神話の絵本に見る「わにだまし」の物語」『日本研究論集』第12号、チュラーロンコーン大学、2015年、61-79頁、ISSN 19068891 
  • ツェデウ ヒシゲジャルガル「日本とモンゴルに伝承された説話の比較対照研究 : 動物説話・仏教説話・継母説話を中心に」、千葉大学、2018年、doi:10.20776/105823NAID 500001322858