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申請代理(しんせいだいり)とは、官公署等の手続きを代理権限で行うこと。代理申請ともいう。

民法上の代理人との違い編集

本人に法律効果を生じる類似の制度として民法上の代理がある、民法上の代理は、本人に代わって別の人間が民事上の意思表示を行うことにより法律行為(契約等)を行い、その効果が本人に帰属する制度をいう。民法上の代理は私的自治の拡張や補充と説明され、「意思能力」「行為能力」があれば代理人に就任することは可能であり、行政法規等による罰則規定の伴う就任規制は存在しない。(但し、双方代理の禁止原則や、会社法の会社役員の欠格事由の様な定めは存在する)。

一方、申請代理とは、官公署等に対して申請行為を行う際の代理を指す。本人の行う申請行為は、官公署に対して一定内容の処分等を要求する公法上の(意思表示含む)行為であって、一定の方式を践むことを要する要式行為であると説明されることから、その公法上の要式性をもった意思表示を代理すると説明される。[1] 各種行政法、行政手続法等の行政法規、行政書士法、司法書士法、税理士法等の各種士業法等、民法以外の主に行政法規に規定のある代理を指し、民法上の代理と比較してその性質につき差異が存在する。私的自治の拡張の性質では同じであるが、一定の方式を践むことを要する要式行為である事から申請代理人には専門性が要求される場合があり、各種士業法等により申請代理人に就任し申請行為を行う際には資格登録が必要である等の規制が存在する場合がある。

弁護士の訴訟代理・申請代理編集

弁護士の訴訟代理については訴訟代理人を参照、その他弁護士には裁判所等司法関係機関に提出する各種申請の代理権限があるとされる。

司法書士の申請代理編集

司法書士(司法書士法)は昭和53年の司法書士法改正により、それ以前の「登記手続を代わってすること」という規定の文言から「登 記手続を代理すること」とその表現が改められている。この趣旨を「複雑な登記手続きを本人に代わって思考する業務の委任を受けている」と司法書士業界は解釈している。[2]

行政書士の申請代理編集

行政書士(行政書士法)は「行政書士法の一部を改正する法律」(平成13年6月・法律第77号・平成14年7月1日施行)により、従来の業務の行政書士法1条の2の文言を変更せず、官公署提出書類又は国民の利便の為の民事商事の法律行為書証等を報酬を得て作成する代書権限をそのまま残し、別の条文行政書士法第1条の3二 に「行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。」の権限が加えられている。[3]「書類を作成すること」としたのは行政の文書主義の表れとも言われ、基本的に口頭の行政機関への申請行為は受付されないからである。行政書士法第1条の3二の代理権の追加により、書類訂正の際に委任状の授権範囲内で訂正が可能となった。また司法書士同様「複雑な行政手続等を本人に代わって考える」権限とも説明されるが、例えば、落語の演目『代書』では朝鮮人が渡航証明申請書代書依頼に来た際に親族の死亡届出生届懈怠 (法学)(火葬許可も無かったが虎が死体を食べた為火葬は不要だった)していた事を代書人が会話の中で発見し、35年前の死亡届、死亡届失期理由書(失期届)、18年前の出生届、出生届失期理由書(失期届)等の戸籍整理の一連の必要な手続を代書人が考えるシーンが登場する(しかし、結局、この朝鮮人は罰金を恐れて手続きを依頼しなかった)。このように、一連の行政手続きを行う「判断」を代理(または本人にアドバイス)すると説明できる。一連の手続きを行う判断は代理でも、個別の書面作成は前述の通り従来の代書の方法が適切であれば代書の方法となる。併せて、「国民の利便の為の業務」と説明される契約書、通知書等(民事の法律行為)の作成業務についても代理で作成できるとされているが、やはり「契約その他に関する書類」を「作成」とする条文である為、書面による代理行為のみ行政書士法に明記された(口頭の代理行為は条文化していない)事になる。個別の書類については従来通り代書 の方法が適切であれば代書の方法による。更に、聴聞又は弁明の機会の付与等に係わる行為の代理権(平成20年1月30日(公布)平成20年7月1日(施行))、行政不服申立て手続代理権(平成26年6月27日(公布)平成26年12月27日(施行))が加わっている。

社労士の申請代理・税務調査代理編集

社会保険労務士社会保険労務士法2条一の三に「労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張若しくは陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、「代理」すること」の文言があるが、第二十五条の二第一項において「事務代理」と読み替えている。

税理士の申請代理・税務調査代理編集

税理士には税務代理と呼ばれる代理権が存在する。[4] 税務代理とは、税理士の立場で、委嘱者のために事務を処理する業務委嘱契約に基づいて行動することであり、その行為は民法の委任の規定に従う。とされている。[5]

パスポートの申請代理編集

外務省管轄のパスポート(旅券)の申請代理は、特殊であり、最初の申請行為は代理で可能とされているが、パスポート交付を受ける際には申請者本人自身が出頭しなればならない為、パスポート申請代理人の権限には相手方の官公署である外務省の対応によって限界が自動的に存在する。[6]

関連項目編集

脚注編集