白川の定理(しらかわのていり)とは幾何学三角形に関する定理である。 当時、高校1年生だった白川昌宏が発見し、盛岡第一高等学校少年少女数学愛好会により1990年9月8日に発行された「取れたての定理です」第1巻において発表された。

青と赤と橙と緑の三角形の面積は等しい。

定理 編集

△ABCに正方形ABB′A″, BCC′B″, CAA′C″が外接しているとき、

△ABC=△AA′A″=△BB′B″=△CC′C″

である。

当時の証明は元の三角形が直角三角形であることが条件だったが、後に宮本次郎により一般の三角形でも成り立つことが判明した。

証明 編集

△ABCに正方形ABB′A″, BCC′B″, CAA′C″が外接しているとき、

  • △ABCの内角で ∠BAC = α
  • △AA′A″の内角で ∠A′AA″ = α
  • △ABC = S, AC = AA′ = b, AB = AA″ = c

とする。

 

なので、

  (1)

と表せる。

仮定より、

∠A′AC + α + ∠A″AB + α′ = 360°

が成り立つ。正方形なので

90° + α + 90° + α′ = 360°,
α + α′ = 180°,
α′ = 180° − α,
sin α′ = sin(180° − α),
sin α′ = sin α.  (2)

(1), (2)より、△AA′A″の面積は、

 

同様に

△BB′B″=S,
△CC′C″=S.

依って、

△ABC=△AA′A″=△BB′B″=△CC′C″

は示された。

関連項目 編集

  • 高田の定理 - 白川の定理と同じ「取れたての定理です」第1巻に掲載された定理

出典 編集