皮蛋(ピータン)は、アヒルを強いアルカリ性の条件で熟成させて製造する中国の食品。鶏卵ウズラの卵などでつくられる場合もある。高級品には白身の表面にアミノ酸結晶による松の枝のような紋様がつくことから、松花蛋と呼ぶ(「花」は“紋様”を意味し、全体として「松の紋様の卵」の意)。英語ではcentury egg(100年たった卵)という。

皮蛋
Century egg sliced open.jpeg
 
中国語 皮蛋
別名
中国語 松花蛋

食べ方編集

皮蛋は、アンモニア硫化水素を含む独特の匂いと刺激的なを持つ。なお、食べるときは殻についた粘土や籾殻などを洗い落としてから殻を剥いて食べる。できればスライスしてしばらく空気にさらし、匂いが減ったころに食べるとよい。

黄身が半熟状で匂いの弱い溏心皮蛋と黄身が硬く保存性の高い硬心皮蛋の2種類に大別される。一般的には匂いが弱く、味も良い溏心皮蛋の方が好まれる傾向にある。

前菜として、そのまま食べるだけではなく、食材として、皮蛋豆腐や皮蛋粥といった中華料理に使われることも多い。また、さくさくしたパイ生地でと皮蛋を包んだ皮蛋酥など、菓子の具としても使われることがある。

製造法編集

記録によると、代初期にアヒルの卵を灰の中に埋めて忘れてしまい、2ヵ月後に発見された卵が熟成していたことから偶然に製法が発見されたとある。

石灰木炭を混ぜた粘土を卵殻に塗りつけ、さらに籾殻をまぶして土や甕の中のような冷暗所に2-3ヶ月程貯蔵する、とされているが、消石灰、炭酸ナトリウム、塩、黄丹粉(一酸化鉛)で作ることもできる。

石灰によって徐々に殻の内部がアルカリ性となり、タンパク質変性して固化してゆく。白身部分は黒色のゼリー状、黄身部分は翡翠色になる。

鉛の含有編集

ピータンは製造過程で蛋白の凝固を促進するため「黄丹粉」と呼ばれる一酸化鉛の化合物を使用する。1971年に台湾大学の劉伯文教授がピータンには人体に有害な鉛成分が含まれるとの研究結果を発表し、中国政府は1988年よりピータンの鉛含有量に基準値を設定し、1000グラム当たり3ミリグラム未満とした。さらに2015年12月1日より、1000グラム当たり0.5ミリグラム未満に厳格化されている[1]

以後、黄丹粉を使用しない「無鉛ピータン」と銘打った製品が流通するようになった。だが別種の鉛化合物が使用されるなど鉛中毒のリスクは解消されていない[2]。2015年2月「微量の鉛が入っているのに『無鉛ピータン』の名前で売るのは詐欺行為だ」として損害賠償を求める訴訟が起こされ、北京の裁判所は消費者側の訴えを認める判決を下した[3]

脚注編集

  1. ^ ピータンの鉛含有量基準、27年ぶり改定”. 亜州IR株式会社 (2016年1月5日). 2020年6月23日閲覧。
  2. ^ ピータンの食べ過ぎで鉛中毒に=「無鉛」ピータンも危険?!―中国”. レコードチャイナ (2009年7月26日). 2013年6月9日閲覧。
  3. ^ 『無鉛ピータン』は誤認招く表示、販売元に罰金命令”. 亜州IR株式会社 (2015年2月25日). 2020年6月23日閲覧。

関連項目編集