数学、特に集合論において、累積的階層(るいせきてきかいそう、Cumulative hierarchy)とは順序数 で添え字づけられた集合 の族で、以下を満たすものを指す。

  • 極限順序数のとき、

場合によって、 であることや、 であることを条件に入れることもある。[要出典]

累積的階層をなしている の和はしばしば集合論のモデルになる。[要出典]

単純に"累積的階層"と言った場合、フォン・ノイマン宇宙の累積的階層 を指すことが多い。これは で定めるものであり Zermelo (1930) で導入された。

反映原理 編集

累積的階層は反映原理の一形態を次のような形で満たす: 集合論のいかなる論理式も、それが累積的階層の総和   で成立するのならば、あるステージ   でも成立している。

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  • フォンノイマン宇宙は累積的階層   によって構成される。
  • 構成可能宇宙  も累積的階層をなしている。
  • 強制法によって構成されるブール値モデルも累積的階層を用いて構成される。
  • 何かしらの集合論のモデル (正則性公理は満たしていないかもしれない) の整礎的集合全体は累積的階層をなし、その中では正則性公理が成立する。

参考文献 編集

  • Jech, Thomas (2003). Set Theory. Springer Monographs in Mathematics (Third Millennium ed.). Berlin, New York: Springer-Verlag. ISBN 978-3-540-44085-7. Zbl 1007.03002 
  • Zermelo, Ernst (1930). “Über Grenzzahlen und Mengenbereiche: Neue Untersuchungen über die Grundlagen der Mengenlehre”. Fundamenta Mathematicae 16: 29–47. doi:10.4064/fm-16-1-29-47. https://www.impan.pl/en/publishing-house/journals-and-series/fundamenta-mathematicae/all/16/0/92877/uber-grenzzahlen-und-mengenbereiche.