羽衣の滝
羽衣の滝(はごろものたき)は、北海道上川郡東川町にある忠別川の支流アイシポップ沢と双見沢にかかる滝で、7段の滝の途中で2つの沢が合流している。1951年(昭和26年)2月6日北海道指定名勝として文化財に指定[1]。1991年(平成3年)「日本の滝百選」に選定された[2][3]。落差270メートル、標高1000メートル、段瀑[4]。
羽衣の滝 | |
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羽衣の滝(2011年8月) | |
所在地 | 北海道東川町 |
位置 | 北緯43度37分34.81秒 東経142度47分12.52秒 / 北緯43.6263361度 東経142.7868111度 |
落差 | 270 m |
水系 | 石狩川水系忠別川 |
プロジェクト 地形 |
概要
編集大雪山系の東側、忠別川の侵食によってできた渓谷である天人峡の一角に位置する。落差は270メートルで、北海道内では最大[3][5]、全国でも立山の称名滝(350メートル)に次ぐ日本第二位の滝とされている(諸説あり)。
滝の地質は、上部は溶結凝灰岩、中部は軽石質凝灰岩、下部は第三紀火山岩となっており、地質の相異による浸蝕度の変化が、絶壁を7段に屈折しながら落下する複雑な水の流れとなり、それが独特な趣となっている[6]。
1900年ごろに発見され[7]、当初は「夫婦滝」と呼ばれていたが、1918年(大正7年)に大町桂月が「千丈の懸崖雲上に連なり、懸崖欠くる処飛泉を掛く、相看てただ誦す謫仙の句、疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるか」と激賞し、「羽衣の滝」と命名したといわれている[4]。
観光
編集大雪山への登山口のひとつでもある天人峡温泉に近く、温泉街からの滝への遊歩道が整備されている。
また、天人峡には忠別川上流に敷島の滝があり、落差は20mほどだが、本流に掛かる滝であるため水量が多く、「東洋のナイアガラ」「北海道のナイアガラ」とも呼ばれている[8]。
2013年(平成25年)5月、冬期の遊歩道閉鎖期間中に、高さ260m、幅80mの大規模な土砂崩れで観光場所の展望台や遊歩道が埋まっているのが見つかった[3][9]。以来、遊歩道は通行止めとなっており[10]、関係機関の所管が複雑なことや、9億円ともされる落石対策費用の問題もあって復旧作業は長期に及んでいたが[11]、2018年(平成30年)6月11日に約5年ぶりに開通した[12]。
天人峡温泉から高低差約230mの登山道を約1.5km(約1時間~1時間半)登った場所にある「滝見台」からは羽衣の滝の全景と敷島の滝を望むことができる[13][14][15][16]。
ギャラリー
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羽衣の滝(2005年7月)
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滝見台からの羽衣の滝(2015年7月)
脚注
編集- ^ 北海道指定の文化財一覧 北海道教育庁生涯学習推進局文化財・博物館課
- ^ 日本の滝百選
- ^ a b c “羽衣の滝観望 天人峡温泉から別ルートで エコツーリズム協が登山ツアー”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年10月5日). オリジナルの2014年10月6日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 北中 P24
- ^ “ようこそ東川 羽衣の滝”. 一般社団法人ひがしかわ観光協会. 2017年12月9日閲覧。
- ^ 文化遺産オンライン 羽衣の滝
- ^ 滝の発見には諸説あり、文化遺産オンライン 羽衣の滝 には「明治3年 (1870) 頃に発見」とある。
- ^ 北中 P25
- ^ 「羽衣の滝」周辺で土砂崩れ…展望台、遊歩道埋もれる読売新聞 2013年(平成25年)5月20日[リンク切れ]
- ^ “羽衣の滝への遊歩道通行止めのお知らせ”. 北海道上川総合振興局. 2015年5月25日閲覧。
- ^ “羽衣の滝 遊歩道 閉鎖長期化 観光に打撃”. 朝日新聞 (2014年3月3日). 2015年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月25日閲覧。
- ^ “羽衣の滝遊歩道 5年ぶりに開通 天人峡温泉:どうしん電子版(北海道新聞)” (日本語). どうしん電子版(北海道新聞) 2018年7月24日閲覧。
- ^ “ようこそ東川 滝見台”. 一般社団法人ひがしかわ観光協会. 2017年12月9日閲覧。
- ^ “旭岳・天人峡マップ”. 一般社団法人ひがしかわ観光協会. 2017年12月9日閲覧。
- ^ “ようこそ東川 滝見台”. 東川町観光協会・東川町商工会. 2015年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月25日閲覧。
- ^ “ようこそ東川 滝見台コース”. 東川町観光協会・東川町商工会. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月25日閲覧。
参考文献
編集- 北中康文『日本の滝1 東日本661滝』山と渓谷社、2004年。ISBN 4-635-06257-0。