若草の祈り』(わかくさのいのり、英:The Railway Children)は、イーディス・ネズビット1906年に発表した児童文学である。『鉄道きょうだい』や原題を直訳した『鉄道の子供たち』としても知られている。

若草の祈り
The Railway Children
初版
初版
著者 イーディス・ネズビット
イラスト CEブロック
発行日 1906
ジャンル 児童向け小説
イギリスの旗イギリス
言語 英語
形態 著作物
ページ数 279
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あらすじ編集

登場人物編集

家族編集

  • 父親:とても勤勉で知的な上級公務員である。家庭では献身的な夫/父親であるが、ある日スパイ疑惑をかけられてしまう。最終的には容疑が晴れる。
  • 母親:子供向けの詩や物語を作りに秀でている。彼女も献身的な妻であり母である。困っている人を見かけると助けずにはいられない。夫同様に心温かい人物として描かれる。
  • ロベルタ(ボビー):長女。兄弟の中で最も分別がある。性格は母親に似ている。
  • ピーター:長男。機転のきく利口な少年であるが、時に考えなしに行動してしまう。また兄弟を引っ張っていくのは自分であると思っており、危機的状況では彼がよくリーダーシップを発揮している。
  • フィリス:次女。兄弟の中では最も幼い。
  • ルース:家族の使用人。物語の序盤で子供たちを世話する様子が描かれる。すぐに解雇されるため、その後の物語には一切出てこない。
  • エマ叔母さん:母の妹で几帳面な人。

村人編集

  • ミス・ヴィニー:家政婦
  • ミス・ランサム:村の郵便局長
  • アルバート・パークス:駅で運搬人として働く。兄弟の友人。人付き合いを好むが、プライドのため彼らと仲が悪くなることもしばしばみられる。彼は妻と3人の子供と暮らしている。鉄道や周囲の地域について非常に詳しい。
  • パークス夫人:アルバート・パークスの妻
  • 駅長:パークスの上司。横柄な態度を見せるときもあるが、善い人である。
  • ビル(機関手):兄弟の友達。
  • ジム(消防士):兄弟の友達。ペーターの壊れたおもちゃの機関車を見て、修理できる人を呼び出した。
  • 信号手:鉄道の信号所に勤める。彼の幼い子供は病気にかかっている。
  • ビル(船長):兄弟には敵意を抱いている。彼らが火事のなか、彼の船と息子を救出したことで彼の態度は一変した。
  • ビルの妻:夫とは違い、兄弟に対して初めから好意的だった。夫が不在の間は、彼らに水路で魚釣りをするように勧めていた。

村の外の人編集

  • 老紳士:鉄道の管理者。兄弟の友人であり、彼らの母を病気から救った。また兄弟の父親を開放する手助けをした。ジム(男子生徒)の祖父である。
  • ジム(男子生徒):老紳士の孫。ペーパー・チェースで鉄道のトンネル内で遊んで足を折ってしまう。遊んでいる様子を遠くで見ていた兄弟によって、彼は運よく助け出される。
  • フォレスト医師:田舎の医師。彼の治療は十分でなく、兄弟の母親への治療は簡易的なものだった。
  • シュツェパンスキー:反体制派のロシアの知識人。シベリア監禁を恐れて、妻と子供とともにイングランドにやってきた。

映像化編集

1951年[1]、1957年[2]、1968年[3]、2000年[4]にイギリスでテレビドラマが制作された。

1970年にライオネル・ジェフリーズ監督・脚本で映画化、日本では『若草の祈り』のタイトルで1971年に公開された[5]

盗作の申し立て編集

2011年、エイダ・J・グレイブス著『The House by the Railway』のプロットに類似しているとしてネズビットは告訴された。デイリー・テレグラフは、グレイブスの作品が『若草の祈り』より9年前(1896年)に出版されていると報じた[6]。しかしながら、すべての情報源がこの指摘を裏付けるものではなかった。雑誌Tor.comは上記の報道は不正確であり、どちらも1906年に出版されていると報じた[7]

日本語訳編集

  • 『若草の祈り』E.ネズビット著、岡本浜江訳、角川文庫、1971年[8]
  • 『若草の祈り』E.ネスビット原著, 藤井基精注釈、泰文堂、 1971年12月[9]
  • 『若草のいのり』ネズビット原作、前田三恵子著、集英社〈マーガレット文庫〉、1974年[10] ※翻案
  • 『若草の祈り』E.ネズビット原作、長瀬みき画、若木書房〈ティーン・コミックス・デラックス〉、1981年5月[11] ※漫画
  • 『鉄道きょうだい』E.ネズビット著、中村妙子訳、教文館、2011年12月、ISBN 978-4764269460[12][13]

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ The Railway Children (TV Series 1951–) - IMDb. 2021年9月22日閲覧
  2. ^ The Railway Children (TV Series 1957) - IMDb. 2021年9月22日閲覧
  3. ^ The Railway Children (TV Mini Series 1968–) - IMDb
  4. ^ The Railway Children (TV Episode 2000) - IMDb. 2021年9月22日閲覧
  5. ^ 若草の祈り : 作品情報 - 映画.com. 2021年9月22日閲覧
  6. ^ The Railway Children 'plagiarised' from earlier story” (英語). www.telegraph.co.uk (2011年3月20日). 2022年2月3日閲覧。
  7. ^ Ness, Mari (2011年9月22日). “Adventures in Railroads: The Railway Children” (英語). Tor.com. 2022年2月3日閲覧。 “[...] although news reports initially said that that The House by the Railway was published in 1896 — ten years before The Railway Children — that turns out to be the publication start date of the series that the book appeared in, not the actual book. Both books were published in 1906, and then as now, books took some time to get from the typewriter into actual print.”
  8. ^ 若草の祈り(角川文庫)|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”. 国立国会図書館. 2022年2月4日閲覧。
  9. ^ 若草の祈り|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”. 国立国会図書館. 2022年2月4日閲覧。
  10. ^ 若草のいのり (マーガレット文庫. 世界の名作 ; 2)|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”. 国立国会図書館. 2022年2月4日閲覧。
  11. ^ 若草の祈り(ティーン・コミックス・デラックス)|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”. 国立国会図書館. 2022年2月4日閲覧。
  12. ^ 鉄道きょうだい | 教文館出版部. 2021年9月22日閲覧
  13. ^ 鉄道きょうだい|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”. 国立国会図書館. 2022年2月4日閲覧。

外部リンク編集

原文

データベース

その他