論理和の消去
論理和の消去(ろんりわのしょうきょ、英: Disjunction elimination)(論理積の除去、選言削除則、-除去則[1][2]は、命題論理における妥当性のある推論規則のひとつである。この規則を用いることによって、論理式の証明から論理和を削除することができる。もし命題「」から命題「」が導き出され、かつ命題「」からも命題「」が導き出されるとき、「もしくは」のいずれかが真である場合に、「」が真となるという推論規則である。PもしくはRのうち少なくとも一方が正しく、QであるためにはPとRのうちどちらかが正しければよいから、Qは正しい、ということである。例えば、下記の例が挙げられる。
- もし私が屋内にいれば、私は財布を持っている。
- もし私が屋外にいれば、私は財布を持っている。
- 私は屋内にいるか、屋外にいるかのどちらかである。
- したがって、私は財布を持っている。
この規則は、下記のように記述することができる。
ここで、命題「」、命題「」、命題「」が証明のなかのどの行に出てきても、その後の行において、 命題「」を示すことができるものとされている。
形式的な記法
編集論理和の削除の推論規則は、シークエントの記法では、
と表すことができる。ここで、「 」は、ある論理の形式体系において、命題「 」が、「 」・「 」・「 」の論理的帰結であることを表す、メタ言語の記号である。
この推論規則はまた、命題論理における真理関数のトートロジーもしくは定理として、
と表される。