普通律
(賛美歌調から転送)
普通律(Common metre, 省略形:C. M.)は、弱強格調の韻律で、音節の長さが「8, 6, 8, 6」の(厳密にいうと、弱強四歩格と弱強三歩格が交互に繰り返される)四行詩を構成する。『アメイジング・グレイス』のような賛美歌や、クリスマス・キャロル『While Shepherds Watched their Flocks By Night』で使われることが多く、賛美歌調(hymn metres)ともいう。押韻構成は「ABAB」である。
- A-maz-ing Grace, how sweet the sound, - (A)
- That saved a wretch like me! - (B)
- I once was lost, but now am found, - (A)
- Was blind, but now I see. - (B)
- — ジョン・ニュートン(en:John Newton)『アメイジング・グレイス』
バラッド律
編集『タム・リン』(en:Tam Lin)などのバラッドに使われるバラッド律(バラッド格調、ballad metre)は普通律の変化形である。普通律同様、弱強格の四行連で、第1行・第3行に4つの強勢(強いアクセント)を、第2行・第4行に3つの強勢を持ち、普通、押韻されている[1]。バラッド律が普通律と異なるのは、普通律の押韻構成が「ABAB」なのに対し、バラッド律は「XAXA」である(「X」は押韻されていないことを示す)[2]。
エミリー・ディキンソンの多くの詩がバラッド律で書かれている。
- Because I could not stop for Death,
- He kindly stopped for me; - (A)
- The Carriage held but just Ourselves
- And Immortality. - (A)
- — エミリー・ディキンソンの詩712番
他にも、ウィリアム・ワーズワースの『Lucy Poems』の中の全詩がバラッド律で書かれている。
脚注
編集- ^ Horton, Ronald A. (1995). British Literature for Christian Schools. Bob Jones U, 100–1, 718.
- ^ Common Questions on Emily Dickinson