超低速ミュオン顕微鏡(ちょうていそくミュオンけんびきょう)とはミュオンを用いて観察する顕微鏡

概要 編集

ミュオンを用いて試料を拡大して細部の構造を可視化する[1]。極小エネルギー分散の超低速ミュオンを再加速したミュオンマイクロビームは波として振る舞う[2]。それを観察に利用する[1]

特徴 編集

  • 従来の電子顕微鏡では観察が困難な生きた細胞や電池等、水分を含む試料を観察可能[1]
  • 従来の電子顕微鏡では観察が困難な1μm厚を超える切片試料の観察が可能で14μm厚まで可能[1]
  • 分解能は20nm[1]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 高輝度ミュオンマイクロビームによる透過型ミュオン顕微鏡イメージング”. 高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所ミュオン科学研究系. 2019年1月2日閲覧。
  2. ^ 再加速したミュオンが波であることの実証実験として、単結晶金薄膜試料を用いてミュオン回折像を取得することで量子可干渉性を直接証明する。

参考文献 編集

  • 三宅康博, et al. "透過型ミュオン顕微鏡." 日本物理学会講演概要集 72.2. 一般社団法人 日本物理学会, 2017.
  • 幸田章宏. "電子・水素・イオンの動的複合相関を解き明かすミュオンビーム." 日本物理学会講演概要集 72.1. 一般社団法人 日本物理学会, 2017.
  • 杉山純. "25pEJ-5 超低速ミュオン顕微鏡の産業応用: 電池材料等 (25pEJ 領域 8, 領域 10 合同シンポジウム: 超低速ミュオン顕微鏡が拓くサイエンス, 領域 10 (誘電体, 格子欠陥, X 線・粒子線, フォノン))." 日本物理学会講演概要集 66.1. 4. 一般社団法人 日本物理学会, 2011.

関連項目 編集

外部リンク 編集