辻神(つじがみ)は、(道が交差した場所)にいるとされる魔物、妖怪の総称。鹿児島県屋久島兵庫県淡路島に伝わる。淡路では辻の神(つじのかみ)と呼んでいる。

辻神を防ぐ魔除け、石敢當

概説 編集

古より辻は現世と来世との境界となっているという説があり、そのような場所に棲みつきやすいといわれる魔物が辻神である[1]。名称は「神」だが、いわゆる信仰対象のではなく、災いをもたらす悪神というべき存在である[1][2]

南九州から南島にかけての地域では、異界より現れるとされる辻神を防ぐため、辻、特に丁字路に石敢當(石勘当とも[2])と呼ばれる魔除けの石を路傍に供える風習がある[3]鹿児島県屋久島宮ノ浦では、丁字路において1本の道が他の道に交わる突き当りの正面に家を建てると、辻神がその家の中に入り込み、そうした家で病人が絶えず不幸が続くため、突き当たりの正面に石敢當として長方形の石を配置したという[2]

脚注 編集

  1. ^ a b 水木しげる図説 日本妖怪大全講談社講談社+α文庫〉、1994年、293頁。ISBN 978-4-06-256049-8 
  2. ^ a b c 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、222頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  3. ^ 萩原秀三郎 『目でみる民俗神 第3巻 境と辻の神』 東京美術、1988年、40頁。ISBN 978-4-8087-0398-1

関連項目 編集

外部リンク 編集