銅酸化物超伝導体
概要 編集
他の超伝導物質の転移温度はいずれも液体窒素の沸点(−195.8 °C, 77 K)よりも低い温度で超伝導状態になるため冷媒として液体ヘリウムの使用が必要だった。1986年4月にジョージ・ベドノルツとアレックス・ミューラーにより銅酸化物超伝導体が発表された事により、研究が進展した[1]。その後、20年以上にわたり、研究が進められたが、線材化が困難なため、バルク状高温超電導体として使用され、実用化には時間がかかった。2000年以降にようやくREBCO線材が実用化され、普及し始めた[2]。
構造 編集
詳細は「ペロブスカイト構造」を参照
結晶構造としてペロブスカイト構造を基礎とした結晶構造のYBa2Cu3O7-δ や Bi2Sr2Ca2Cu3O10でCuO2 八面体のような銅酸化物が2次元のシート状に広がっていて、シートの上下にはランタノイド等による伝導をブロックする層があり、銅酸化物層とブロック層が交互に積層する構造を有するという特徴がある。
高温超伝導においてシート状に並んだ MO2 八面体層と金属Rの層が交互に配置しているペロブスカイト構造による2次元的な電気伝導が、重要な役割を果すとされる。
応用 編集
脚注 編集
- ^ J. G. Bednorz and K. A. Müller (1986). “Possible highTc superconductivity in the Ba−La−Cu−O system”. Z. Physik, B 64 (1): 189–193. Bibcode: 1986ZPhyB..64..189B. doi:10.1007/BF01303701.
- ^ ナノ組織制御による人工欠陥導入次世代超電導線材の開発