陝西幇
陝西幇(せんせいばん、簡体字:陕西帮)は、中国共産党内の非公式派閥の一つ。陝西閥とも呼ばれる。 習近平氏の党総書記就任の後[1]、江沢民氏の上海幇(上海閥)、胡錦濤氏の団派(中国共産主義青年団、略して共青団)と伍する有力な政治基盤かと注目される最高指導者層の一群である。
陝西幇の起源
編集習氏の籍貫(本籍)の地、知識青年としての下放の地、父習仲勲氏のゆかりの地である陝西省に本籍・出生・成長・立身・出世などの関係を有する人々である。それがいつしか上海幇・北京幇・山東幇・福建幇などと同様に陝西幇と呼称されるようになっていた。
Cheng Li(李成)氏による分析では、中国の指導層に属するとされているのは、習近平、兪正声、王岐山、栗戦書(陝軍の一人)、趙楽際(陝軍の一人)、李建国、馬凱、常万全、房峰輝、張又侠、劉暁江、王晨、何毅亭、張寶文、韓啓徳氏らである[2][3]。 続く分析で習氏の出生地や勤務地の縁故者の積極的な人事異動に触れ、例示として遼寧省省長になった李希氏を取り上げ陝西幇と認めている[4]。
陝西幇の一覧表
編集氏名 (簡体字) |
生年月 | 役職 2014年3月時点 |
第18期の職位 | 陝西省との関係 | 陝西省での官歴 | 特記 |
習近平 习近平 |
1953年6月 | 総書記 国家主席 中央軍事委主席 |
政治局常務委員 | 富平籍、 延川(延安地区)下放1969‐1975 |
紅二代 | |
兪正声 俞正声 |
1945年4月 | 全国政協委主席 | 政治局常務委員 | 延安生 | 紅二代 | |
王岐山 王岐山 |
1948年7月 | 中央紀検委書記 | 政治局常務委員 | 延安(延安地区)下放1969‐1975、西北大学[5]1973‐1976 | 陝西省博物館[6]勤務1971‐1973、1976‐1979 | 岳父姚依林の紅二代 |
栗戦書 栗战书 |
1950年8月 | 中央弁公庁主任 | 政治局委員 | 西安市常務委員、組織部部長、書記、省常務委員、副書記1998‐2003 | 紅三代 | |
趙楽際 赵乐际 |
1957年3月 | 中央組織部部長 | 政治局委員 | 西安籍 | 省委書記、省人大常委会主任 2007‐2012 | 紅三代? |
李建国 李建国 |
1946年4月 | 全人大常務委副委員長 | 政治局委員 | 省委書記、省人大常委会主任 1997‐2007 | ||
馬凱 马凯 |
1946年6月 | 国務院副総理 | 政治局委員 | 西安市小学 1953‐1955 | 紅二代 | |
常万全 常万全 |
1949年1月 | 国務委員、国防部部長、大将 | 中央軍事委委員 | 渭南師範専科学校[7]1985‐1987 | 陸軍第47集団軍軍参謀長・軍司令官1974-2002 | |
房峰輝 房峰辉 |
1951年4月 | 人民解放軍総参謀長 大将 |
中央軍事委委員 | 彬籍生 | 陸軍第21集団副軍司令官・軍司令官1968‐2003 | |
張又侠 张又侠 |
1950年7月 | 人民解放軍総装備部部長、大将 | 中央軍事委委員 | 渭南籍 | 紅二代 | |
劉暁江 刘晓江 |
1949年12月 | 海軍政治委員、大将 | 中央委員会委員 | 西安生、 西郷下放1968‐1970 |
紅二代かつ岳父胡耀邦 2014年退役 | |
王晨 王晨 |
1950年12月 | 全人大常務委副委員長・秘書長 | 中央委員会委員 | 宜君(延安地区)下放1969‐1970 |
宜君県委宣伝部、延安地区委弁公室1970‐1974 | |
何毅亭 | 1952年 | 中央政策研究室副主任[8]中央党校常務副校長[9] | 中央委員会委員 | 漢中生 | ||
張寶文 | 1946年11月 | 全人大常務委副委員長 | 民盟主席(民主党派) | 興平籍生、西安外語学院[10]英語系卒、農業など従事 | 西北農業大学校長弁公室副主任、校長助手、副校長、校長1974-1996 |
|
韓啓徳 | 1945年7月 | 全国政協委副主席 | 九三学社主席 (民主党派) |
西安医学院[11]病理生理学修士研究生 1979-1982 | 臨潼県内各地医院臨床医師1968‐1979 |
Xi Jinping's Inner Circle(Part 1:The Shaanxi Gang) 2014-3-14 , Cheng Li(李成),China Leadership Monitor,No.43,Hoover Institution(2016年7月10日閲覧)のp8 Table 1 を基に2016年7月19日作成。一部、統合・追加・修正・具体化を図った。
参考文献
編集- 中国共产党第十八届中央委员会委员名单--新华网--2012年11月14日付配信記事(2016年7月3日閲覧)
- 中国共产党第十八届中央委员会候补委员名单--新华网--2012年11月14日付配信記事(2016年7月3日閲覧)
- 中国共产党第十八届中央纪律检查委员会委员名单--新华网--2012年11月14日付配信記事(2016年7月3日閲覧)
- 中国共产党第十八届中央委员会第一次全体会议公报--新华网--2012年11月15日付配信記事(2016年7月3日閲覧)
- 新一届领导人13人有"陕西履历"与陕5高校有过交集(转载) 2013年3月17日 天涯社区 原文出所不明 (2016年7月15日閲覧)
- 上海帮石油帮 又来了一个陕西帮 2013年9月5日 新唐人電視台 (2016年7月12日閲覧)
- 习近平人马单薄 急不可待打造“新军” 外来客 2015年7月26日 来源:法广网 (2016年8月12日閲覧)
- 中国“陕西帮”在政治局组建强大人脉 2015年8月5日 泡网俱乐部所 来源:联合早报 (2016年7月12日閲覧)
- 网传习近平换届新班子30人名单 2015年8月22日 万维读者网 原文 大纪元(本社:ニューヨーク)(2016年7月19日閲覧)
- 旧识同乡同学 揭秘习近平的执政班底 多维新闻 2015年10月2日(2016年8月12日再閲覧)
- 習班子成形 重用自己人 舊部舊識佔多數 章立凡:易偏聽偏信 明報新聞網 2015年10月3日 (2016年7月30日閲覧)
- 高深莫测 习近平班底成形 军委副主席现黑马 组图 2015年10月4日 阿波罗新闻网 阿波罗网责任编辑:王笃若 来源:阿波罗网王笃若综合报道 转载请注明作者、出处並保持完整。(2016年7月20日閲覧)
- 核心的內環 沒有上達權力尖端的派系,並不意味著他是一位弱勢領袖。 2016年3月3日 南華早報中文網 Cary Huang, Jun Mai, 黃忠清 (2016年7月閲覧)
- 揭秘习近平“核心团队” 昔日同窗部下居多 大紀元 2016年3月4日(2016年8月13日閲覧)
- Xi Jinping's Inner Circle(Part 1:The Shaanxi Gang) 2014-3-14 , Cheng Li(李成),China Leadership Monitor,No.43,Hoover Institution(2016年7月10日閲覧)
- Xi Jinping's Inner Circle(Part 2:Friends from Xi's Fomative Years) 2014-7-28,Cheng Li(李成),China Leadership Monitor,No.44,Hoover Institution(2016年7月16日閲覧)
- 中国政治 習近平主席ら陝西省出身の「陝西閥」が急速に台頭 NEWSポストセブン(2013年9月14日)(2016年8月15日閲覧)
- 「232」 翻訳 習近平の人脈についての論文をご紹介します(1) 副島隆彦(そえじまたかひこ)の論文教室 筆者:古村治彦 2014年4月18日(2016年8月26日再閲覧) ほか同一筆者による(2)2014年5月2日(2016年8月26日再閲覧)、(3)2014年5月16日(2016年8月26日再閲覧)、(4)2014年6月13日(2016年8月26日再閲覧)、の4回シリーズ。
脚注
編集- ^ 新一届领导人13人有"陕西履历"与陕5高校有过交集(转载) 2013年3月17日 天涯社区 原文出所不明 (2016年7月15日閲覧)
- ^ “Cheng Li(李成)氏”. The Brookings Institution. 2016年7月15日閲覧。
- ^ Xi Jinping's Inner Circle(Part 1:The Shaanxi Gang) p8 Table 1 2014-3-14 , Cheng Li(李成),China Leadership Monitor,No.43,Hoover Institution(2016年7月10日閲覧)
- ^ Xi Jinping's Inner Circle(Part 2:Friends from Xi's Fomative Years) p.4 2014-7-28,Cheng Li(李成),China Leadership Monitor,No.44,Hoover Institution(2016年7月16日閲覧)
- ^ “西北大学”. 2016年7月17日閲覧。
- ^ “現・西安碑林博物館”. 2016年7月17日閲覧。
- ^ “現・渭南師範学院”. 2016年7月17日閲覧。
- ^ “中央政策研究室”. 政坛网. 2016年7月20日閲覧。
- ^ “中央党校”. 政坛网. 2016年7月20日閲覧。
- ^ “現・西安外国語大学”. 2016年7月17日閲覧。
- ^ “現・西安交通大学医学部”. 2016年7月17日閲覧。