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零距離射撃または0距離射撃(ぜろきょりしゃげき、れいきょりしゃげき)とは、近距離に迫った敵に対して、砲弾が発射されるとすぐ炸裂するようにして行なう射撃[1]零分角射撃とも表記される。

概要編集

榴散弾を使用し、砲弾が砲口を出た直後に爆発させるとキャニスター弾と同じ効果を得られるため、砲兵部隊が非常時に行う自衛手段として用いられた。榴散弾があまり使用されなくなった第二次大戦期においても自衛用の弾として榴散弾が携行されることがあり、日中戦争などで零距離射撃が行われた[2]。砲弾は砲口前から15メートル付近で破裂、その効力が及ぶ縦方面の距離は軽量な火砲で砲口前から約300から400メートル、十五糎榴弾砲や十糎及び十五糎加農砲であれば最大700メートルになる[3]

これは弾子が前方のみに飛ぶ榴散弾だからこそ可能な射撃であり、榴弾では全周にわたって破片が飛散して危険なため行われない。加えて現在では榴散弾自体が使われなくなったため、零距離射撃も行われなくなった。

名称の由来は方向角、高低角、仰俯角、射距離、そして榴散弾の曳火信管の信管距離に至るまでの全てを零にすることから[4]

なお仰角が0度、つまり砲身が水平な状態の射撃を指して零距離射撃と呼ばれる場合があるが、通常それは水平射撃と呼ぶ。

フィクション内での用法編集

銃口と目標との距離が0の状態での射撃は現実的に発生しないため、軍事用語としてはそのような射撃を指す言葉は存在しない。 しかしフィクション作品内では頻繁に発生し得る状況であり、また上記の榴散弾による射法がほぼ死語となっている事も相まって、現代ではこれを指して零距離射撃と呼ぶ事も多い。 近い用語として、特に人体に銃口が密着した状態での銃創を指す「接射創」という言葉がある。

脚注編集

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  1. ^ 日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典』第二版、小学館
  2. ^ 片岡幸雄、「支那事変 野戦重砲兵の初陣」 (PDF) 『労苦体験手記 軍人軍属短期在職者が語り継ぐ労苦(兵士編)』 平和祈念展示資料館https://www.heiwakinen.go.jp/shiryokan/heiwa/08onketsu/O_08_434_1.pdf2009年9月20日閲覧 
  3. ^ 『大百科事典. 第11巻』 平凡社 1932年
  4. ^ 『私の中の日本軍, 第1巻』山本七平 文藝春秋, 1983

関連項目編集