頚動脈解離(けいどうみゃくかいり、: Carotid artery dissection)は、首の前に位置する、に血液を供給する頚動脈の内層がふた状に裂けた状態のことである[1]。典型的な症状は、首、顔、頭の片側に痛みが生じる[1]。頸動脈解離は、脳卒中の症状である片目の失明、味覚異常、複視などを伴う場合がある[1][3]。その他の症状には、ホルネル症候群(縮瞳と眼瞼下垂)があげられる[3]。合併症には、脳卒中またはくも膜下出血があげられる[1]

頚動脈解離
別称 内頚動脈解離
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首の動脈
診療科 血管外科
症候学 首または頭の痛み, 脳卒中の症状[1]
通常の発症 20~ 40代[2]
原因 首の損傷, 自発的[1]
リスクファクター 家族歴[1]
診断法 医療画像処理[1]
鑑別 群発頭痛, 片頭痛, 首の損傷, TIA, 椎骨動脈解離, 網膜動脈閉塞[1]
治療 抗凝固薬, ステント[1][2]
予後 不定[1]
頻度 年間10万人あたり1.8人[3]

交通事故カイロプラクティック操作などによる首の怪我の後に発生する可能性があるが、自発的に発生することもある[1]。自発的解離のリスク要因には、家族歴およびエーラス・ダンロス症候群などの結合組織障害があげられる[1]。解離の後、血液は動脈壁に入り、血栓を形成し、動脈壁を厚くし、血流を妨ぐことが多い[1]。診断には医用画像が使用され、一般的にはCTスキャンが用いられる[1]

治療には、アスピリンヘパリンワルファリンが用いられる[1][2]。場合によっては、血管ステント留置が行われる場合がある[1]。治療の結果はさまざまである[1]。解離が頭蓋骨の内側に及んだ場合や両側で発生した場合、転帰は悪化する[4]

頚動脈解離はまれであり、年間10万人あたり約1.8人に影響を及ぼす[1][3]。20代から40代の人が最も一般的に発生する[2]。若者の脳卒中の約20%は頸動脈解離によるものである[1]。頸動脈解離は椎骨動脈解離(首の後ろの小さな動脈の解離)よりも一般的である[3]。頸動脈解離の状態は、1954年にジェンツァー(Jentzer)によって最初に説明された[4]

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Goodfriend, SD; Tadi, P; Koury, R (January 2020). Carotid Artery Dissection. PMID 28613585. 
  2. ^ a b c d Ferri, Fred F. (2020) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2020 E-Book: 5 Books in 1. Elsevier Health Sciences. p. PA315-IA7. ISBN 978-0-323-67977-0. https://books.google.ca/books?id=YxWbDwAAQBAJ&pg=PA315-IA7 
  3. ^ a b c d e “Cervical artery dissection: pathology, epidemiology and management”. Thromb. Res. 123 (6): 810–21. (April 2009). doi:10.1016/j.thromres.2009.01.013. PMID 19269682. 
  4. ^ a b Purdy, R. Allan; Rapoport, Alan M.; Sheftell, Fred D. (2005) (英語). Advanced Therapy of Headache. PMPH-USA. p. 226. ISBN 978-1-55009-252-3. https://books.google.ca/books?id=sIqrtf6GcDgC&pg=PA226 

外部リンク編集

分類
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