顎下腺管(がっかせんかん)は顎下腺で作られた唾液口腔に排出する主導管。最初の報告者の名前からワルトン管・ワルトン氏管・Wharton管などと呼ばれることもある。およそ5cm程度の長さで[1]顎下腺にて作られた唾液を舌下小丘にある開口部にまで運ぶ。

顎下腺管
Dissection, showing 唾液腺 of right side. (Labeled as "submaxillary duct", but is identified as "submandibular duct" in newer sources.)
Mandibular division of trifacial nerve, seen from the middle line. The small figure is an enlarged view of the otic ganglion. ("Wharton's duct" labeled in lower left.)
ラテン語 Ductus submaxillaris
英語 Submandibular duct
グレイの解剖学 書籍中の説明(英語)
MeSH Wharton+Duct
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名祖

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イギリス解剖学者トーマス・ワルトン英語: Thomas Wharton (anatomist)により最初に報告され[2]、このため顎下腺管(Submandibular duct)をワルトン管[3]・ワルトン氏管[4]・Wharton管 [5]、Wharton's duct[6]等と彼の名前で呼ぶことがある。

解剖学

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顎下腺の小葉内を介在部、線状部が走行し、これが合流して小葉外を走行する排出管となり、さらにこれが合流して顎下腺深部の前端より顎下腺外にできる主導管が顎下腺管である[7]

顎舌骨筋の後縁を上方に向かい、顎舌骨筋舌骨舌筋オトガイ舌筋の間を通る[1]。その後、舌下腺の内側を前方へ向かい、大舌下腺管と共に舌小帯の側面にある小さな舌下小丘に小さく開口する[7]

脚注

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  1. ^ a b Rauber-Kopsch解剖学”. 2014年1月3日閲覧。
  2. ^ Wharton T (1656). Adenographia: sive glandularum totius corporis descriptio. London: Wharton. pp. pages 128–137 
  3. ^ 中島敏文濱田良樹近藤壽郎園山智生鈴木麻美渡邊英継瀬戸晥一「ワルトン管の自潰部より自然排出された唾石症の一例」『鶴見歯学』第33巻第2号、鶴見大学歯学会、2007年5月10日、101-105頁、ISSN 0385-020XNAID 10019574868 
  4. ^ 飯野光喜「ワルトン氏管狭窄症の1例」『みちのく歯学会雑誌』第14巻第1-2号、東北地区歯科医学会、1983年12月、129-131頁、ISSN 0385-0099、医学中央雑誌 1984179893。 
  5. ^ 牧本一男「口腔の小手術(3) Wharton管切開術」『JOHNS』第2巻第2号、東京医学社、1986年2月、241-218頁、ISSN 0910-6820、医学中央雑誌 1986195371。 
  6. ^ Iwai T, Matsui Y, Hirota M, Chikumaru H, Mitsudo K, Maegawa J, Tohnai I. (2009-07). “Simple technique to identify Wharton's duct during endoscopically-assisted submandibular sialoadenectomy.”. The British journal of oral & maxillofacial surgery (British Association of Oral & Maxillofacial Surgeons) 47 (5): 401-402. ISSN 0266-4356. PMID 18922607. 
  7. ^ a b 天野修「唾液腺 : 臨床と研究のための解剖学」『日本口腔外科学会雑誌』第57巻第7号、日本口腔外科学会、2011年7月20日、384-393頁、ISSN 0021-5163NAID 10030272420 

この記事にはパブリックドメインであるグレイ解剖学第20版(1918年)1135ページ本文が含まれています。

関連項目

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外部リンク

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