高周波超高圧の電位負荷を利用した治療器

高周波超高圧の電位負荷を利用した治療器(こうしゅうはちょうこうあつのでんいふかをりようしたちりょうき)は、現在の電位治療器の原型となった治療器で、数十万〜100万ボルト以上の高周波の電位負荷を利用した治療器である。「100万ボルト超高圧治療器」と呼ばれている。

開発の歴史 編集

日本人の発明家原敏之(本名:原平助)がドイツの医学雑誌「生物の生命と電気」に掲載された、「高圧送電線の下に長く住んでいる人には結核患者はいない。また農作物の収穫量も多い」という記事をきっかけに、「電界が人間の体に良い影響を与えるのではないか」と考え、1928年に世界で初めて開発され、福岡総合病院で公開実験が行われている[1]

構造 編集

残存している写真などから推察すると、本体と巨大な絶縁体および通電板から構成されている。被験者は、階段を登って所定の治療位置に座る。

製造と販売 編集

戦後、電位治療器メーカーの株式会社白寿生科学研究所により数台が製造され、同社は東京と大阪に診療所を設置して、医師の管理下で患者に治療を行っていた。週刊誌や新聞に掲載されたほか、テレビのワイドショーなどでも「稲妻療法」としてしばしば放映されている。同社の古い会社案内や広報誌によると、100万ボルトヘルストロンとして日本国内数ヶ所の医院(尼崎市「第2共同外科」・八尾市「丸山診療所」など)やインド救ライセンター(現在のJMLMA)、マレーシアの華人系病院である同善病院(Tung Shin Hospital)へ設置されている。ただ、現在では国内にはこの治療器は1台も存在しない。復活を望んでいる愛好家もいる。なお、海外の機械の現存は定かでない。

日本船舶振興会との関係 編集

100万ボルトヘルストロンは、日本船舶振興会(現日本財団)ビルに白寿虎ノ門診療所として設置されていた。会長の笹川良一は、自ら愛好者・推奨者の一人であり、しばしば広告塔としてテレビや雑誌などに出ていた。

脚注 編集

  1. ^ (株)白寿生科学研究所広報誌ヘルシーメイツ6号:昭和61年8月15日 P14~P17)