.40S&W弾(10x22mm Smith & Wesson)は、スミス&ウェッソン社が開発した拳銃用の銃弾(実包)の一種。主に警察や民間で使用されている。

.40 S&W弾
.40S&W弾(右から3番目)
種類 拳銃用
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ
製造の歴史
設計者 スミス&ウェッソン
設計時期 1990年1月17日
生産期間 1990年-現在
特徴
元モデル 10 mm Auto
薬莢形状 リムレス, ストレート
弾丸 .400 in (10.2 mm)
首径 .423 in (10.7 mm)
肩径 .423 in (10.7 mm)
底面径 .424 in (10.8 mm)
リム径 .424 in (10.8 mm)
リム厚 .055 in (1.4 mm)
薬莢長 .850 in (21.6 mm)
全長 1.135 in (28.8 mm)
薬莢容量 19.3 gr H2O (1.25 cm3)
ライフリング 1 in 16 in (406 mm)
雷管のタイプ 小型拳銃
最大圧 32,633
弾丸性能
弾頭重量/種類 初速 エネルギー
135 gr (9 g) フェデラルプレミアム JHP 反動軽減 1,190 ft/s (360 m/s) 424 ft⋅lbf (575 J)
155 gr (10 g) ガーディアン ゴールド JHP 1,205 ft/s (367 m/s) 500 ft⋅lbf (680 J)
165 gr (11 g) Remington Golden Saber 1,150 ft/s (350 m/s) 485 ft⋅lbf (658 J)
180 gr (12 g) Magtech FMJ-FP 1,050 ft/s (320 m/s) 441 ft⋅lbf (598 J)
200 gr (13 g) Doubletap FMJ-FP 1,050 ft/s (320 m/s) 490 ft⋅lbf (660 J)
算出時の銃砲身の長さ: 4 in
出典: [1][2]

開発の経緯

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10mmオート弾をベースに、ケース長を短くしさらに威力を下げた物。当時10mmオート弾には9mmパラベラム弾.45ACP弾の中間を10mm径でカバーする事を求められていたが、この実包と共にデビューしたブレン・テンコルト・デルタエリートに問題があった事もあり、マイナーな実包であった。他にも全長が.45ACP同様の32mmであったことから、9mmパラベラム用のフレームでは発射の衝撃で傷んでしまい、より大柄な.45ACP用のフレームをベースにする必要があるなど「銃の大きさは変わらないのに威力は低い」といった印象を与えていた。

こうした10mmオートの失敗を元に、10mmオートの弾頭とブロック基部が使え、9mmパラベラムのフレームサイズで収まる実包として開発されたのが40S&W弾である。ケース長こそ22mmと大柄ではあるが、全長7mm余りの弾頭がケース内に深めに潜り込む構造のために、実包としての全長は9mmパラベラムより短いサイズとなった。

.40S&Wを開発したスミス&ウェッソン社は「9mmパラベラムより高威力で.45ACPより反動はマイルド」な実包(カートリッジ)と謳っている。運動エネルギーは.45ACPよりも.40S&Wのほうが大きい実包(カートリッジ)が多いが、.45ACPのほうが.40S&Wよりも重い弾頭を飛ばすことが出来る。[3]威力は運動エネルギーだけではなく、弾頭重量も影響するため(重いほうが威力が強くなる傾向がある)、.45ACPのほうが.40S&Wよりも威力は強いという説もある。

かつてはマイナーな実包であったが、一時期.45ACPより装弾数が多く9mmパラベラムより威力が強いことが評価され、アメリカでは.40S&Wを採用する警察が増えた。しかし2020年代以降、米国沿岸警備隊、連邦及び地方の法執行機関等で9mmパラベラム弾使用火器への置き換えが進行中である。

薬莢の材質とデザイン

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薬莢は通常の真鍮製、ストレートケースリムレスとオートマチック用実包としては通常の形状である。ケース底部形状と弾頭は10mmオートから引き継いでいる。直径10mm、全長22mm。

 

脚注

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  1. ^ http://www.midwayusa.com/browse/BrowseProducts.aspx?tabid=3&categoryid=7510&categorystring=653***691*** Midway USA page] C.I.P.
  2. ^ C.I.P. decisions, texts and tables - free current C.I.P. CD-ROM version download (ZIP and RAR format)”. 2009年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年10月17日閲覧。
  3. ^ Hodgdon Reloading Data Center

関連項目

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外部リンク

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