2004年カナダ総選挙は、カナダにおける立法府であるカナダ議会下院である庶民院を構成する議員を全面改選するために行われた議会選挙(総選挙)で、2004年6月28日に投票が行われた。

2004年カナダ総選挙
カナダ
2000 ←
2004年6月28日 (2004-06-28)
→ 2006

投票率 64.7% (増加3.8%)
  第1党 第2党
 
党首 ポール・マーティン スティーヴン・ハーパー
政党 自由党 保守党
党首就任 2003年11月14日 2004年3月20日
前回選挙 172席,40.85% 78席,37.68%
選挙前議席 168 72
獲得議席 135 99
議席増減 減少33 増加27
得票数 4,982,220 4,019,498
得票率 36.73% 29.63%
得票率増減 減少4.12% 増加8.05%

  第3党 第4党
 
党首 ジル・ジュセップ ジャック・レイトン
政党 ブロック・ケベコワ 新民主党
党首就任 1997年3月15日 2003年1月24日
前回選挙 38席,10.72% 13席,8.51%
選挙前議席 33 14
獲得議席 54 19
議席増減 増加21 増加5
得票数 1,680,109 2,127,403
得票率 12.39% 15.68%
得票率増減 増加1.67% 増加7.17%

州別選挙結果

選挙前首相

ポール・マーティン
自由党

選出首相

ポール・マーティン
自由党

概要

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当時のカナダ首相であるポール・マーティンが庶民院を解散したことに伴って実施された。ジャン・クレティエン政権時代における政治スキャンダル(スポンサーシップ・スキャンダル[1])が原因で与党自由党の支持率が低下し、2003年末にカナダ同盟カナダ改革党を前身とし西部諸州を基盤とする新興保守政党)と進歩保守党(19世紀以来の伝統を誇り1980年代の政権政党である中道右派政党)が合同して結成されたカナダ保守党(以下、保守党)への政権交代の可能性も取りざたされたが、過半数に満たないながらも自由党が第1党を確保することに成功した。

基礎データ

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  • 選挙事由:議会解散
  • 選挙形態:議会議員選挙
  • 定数:308議席
  • 選挙制度:完全小選挙区制
  • 選挙権:18歳以上のカナダ国民
  • 登録有権者数:22,466,621名(前回21,243,473名)

選挙結果

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与党である自由党は、前回選挙の172議席から135議席に減らして過半数を割り込んだが、第1党の座を確保することに成功した。選挙戦終盤の争点が政府の不正疑惑への対応是非に偏り政策論争が薄れたこともあり、投票率は同時点で過去最低の60.5%に留まった。

  • 投票者数:13,683,570名(21,243,473名)
  • 投票率:60.9%(61.2%)
党派別当選者と得票
党派 当選者 % 得票 %
自由党 Liberal Party of Canada 135 43.8 4,982,220 36.7
カナダ保守党 Conservative Party of Canada 99 32.1 4,019,498 29.6
ブロック・ケベコワ Bloc Québécois 54 17.5 1,680,109 12.4
新民主党 New Democratic Party 19 6.2 2,127,403 15.7
所属なし No Affiliation 1 0.3 17 796 0.1
そのほかの政党 0 0.0 737,676 5.5
合計 308 100.0 13,564,702 100.0
出典:38th General Election, June 28, 2004”. Elections Canada Online (2004年6月). 2013年12月14日閲覧。

保守勢力が大同団結して発足した保守党は国政における急激な右旋回を警戒する有権者心理も影響し、選挙前の78議席から99議席と小幅な伸びに留まり、当初目標としていた政権奪回を果たすことは出来なかった。社会民主主義政党である新民主党も伸び悩み19議席と5議席増に留まった。一方、ケベック州の分離独立を主張するブロック・ケベコワは漁夫の利を得る形で議席を34から54議席と大幅増を勝ち取ることに成功した。

脚注

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  1. ^ ポール・マーティンを首相とする新政権が発足した直後の2004年2月、会計監査院の調査によって発覚した政府の補助金不正使用疑惑である。これは1997年から4年間、当時のクレティエン政権がケベック州における分離・独立運動を沈静化させるため、同地域における文化・スポーツ事業への助成金(スポンサーシップ)として支払われていた2億5000万カナダドル(以下、ドル)のうち、自由党系の広告会社に支払われた手数料約1億ドルが架空請求書や偽装伝票で処理され、この金が自由党への裏金として還流されたとするものである。この疑惑に対し、ケベック州のみならず、全国の有権者から強い批判の声があがり、ケベック州選出でクレティエン政権において財務大臣を勤めていたマーティン首相に対しても、不正を黙認したのではないか、とする非難の声が集中した。

参考文献

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  • Elections Canada Online
  • ブリタニカジャパン編『ブリタニカ世界年鑑 2005年版』(ブリタニカジャパン)