4-ヘプタノール(4-heptanol)とは、ヘプタノール構造異性体の1つであり、ヘプタン-4-オール(heptan-4-ol)とも呼ばれる、アルコールの1種である。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

4-ヘプタノール
特性
化学式 C7H16O
モル質量 116.201 g/mol
融点

-41.5 °C

沸点

156 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

概要

編集

4-ヘプタノールは、ヘプタンのちょうど中央に位置する端から4番目の炭素に結合している水素1つが、ヒドロキシル基に置換した有機化合物の1種である。ヒドロキシル基の位置の関係で、この化合物は第二級アルコールに分類される。分子式は、C7H16Oなので、分子量は、約116.2である。常温常圧においては液体として存在する。ちなみに、4-ヘプタノールと同じヘプタノールの構造異性体の1つである1-ヘプタノールは、融点が-36℃、沸点が176℃である[2](異なる測定値もあり[注釈 1])。これに対して、この4-ヘプタノールは1-ヘプタノールと分子量が同じであるにもかかわらず若干融点や沸点が低く、融点-41.5℃、沸点156℃である(異なる測定値もあり[注釈 2])。この他、4-ヘプタノールと同じヘプタノールの構造異性体の1つである2-ヘプタノール3-ヘプタノールは、ヒドロキシル基が結合している炭素がそれぞれキラル中心となるために鏡像異性体を持つのに対して、この4-ヘプタノールはキラル中心を持たないために鏡像異性体は存在しない[注釈 3]

注釈

編集
  1. ^ 1-ヘプタノールの融点や沸点には異なる測定値を提示する文献も存在する。いずれも常圧においてだが、まず化学大辞典編集委員会 編集 『化学大辞典 (縮刷版8)』 p.366 (右下) 共立出版 1964年2月15日発行 ISBN 4-320-04022-8 では、融点-34.6℃、沸点175.8℃とある。また、大木 道則、大沢 利昭、田中 元治、千原 秀昭 編集 『化学辞典』 p.1310 (右中央部) 東京化学同人 1994年10月1日発行 ISBN 4-8079-0411-6 においては、融点-34.03℃、沸点176.81℃とある。など
  2. ^ 4-ヘプタノールの融点や沸点には異なる測定値を提示する文献も存在する。これも常圧においてだが、『化学大辞典 (縮刷版8)』 p.361 (左中央) 共立出版 1964年2月15日発行 ISBN 4-320-04022-8 では、融点-41.5℃、沸点154度とある。など
  3. ^ 1-ヘプタノールにもキラル中心は存在しないため、4-ヘプタノールと同様に鏡像異性体を持たない。

出典

編集
  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ Chemical Book 『1-ヘプタノール』

参考文献

編集

関連項目

編集