Bufferbloat (バッファブロート) とは、パケット交換ネットワークにおける、送信パケットの過剰なバッファリングにより生じる大きな遅延のことである。少なくとも2009年には海外で広く認知され始めており、数々の対策方法も考案され、実装されてきている。

概要 編集

通信経路上に膨大な送信バッファ(特に単純なキュー)が存在すると、輻輳が発生した場合、送信パケットが非常に長い時間に渡って送信バッファに置かれることになる。その結果として、大きな遅延の発生と同時にジッタも大きくなり、端末の輻輳制御までもがジッタによって撹乱され適切に動作しなくなるため、端末間のスループットが大きく低下する。高速化されたネットワークでは、ネットワークを構成する各通信機器において膨大な送信バッファを使用するように設定されていることが多い。このようなネットワークでは、実践的にもVoIP,オンラインゲーム,通常のWeb閲覧等の対話的な通信のレスポンスを悪化させる傾向にあることが知られている。従って、送信バッファとして、単純なキューではなく優先度の高い通信のみ特別に割り込み処理を行う、送信バッファサイズを小さくしてデメリットとなる遅延のみを小さくする、という対策が行われている。

参考文献 編集

関連項目 編集