低周波発振器ていしゅうははっしんき: low frequency oscillator, LFO)はヒト可聴域より低い周波数の波を発振する機器である[1]

用途

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LFO 自体は単純な発振器であるため様々な用途がある。以下はその代表例である:

シンセサイザー

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シンセサイザーの各モジュールに対する変調用の信号源としてLFOはよく使われる。LFOはあくまでも超低域の周波数を発振するだけなので、これだけでは何の役にも立たない。LFOで発振された低周波信号は必ず他のモジュールに入力されて使われる。この場合の入力や出力、信号といった概念は論理的であるか物理的であるかを問わない。

発振される波形も正弦波三角波矩形波など数種類がある。

オシレーターの周波数変調

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LFOはオシレーター周波数変調に用いられる[2]。言い換えれば、音源へのビブラート付与に用いられる[2]

オシレーターの基本周波数を制御する入力へLFOを接続することで、オシレーター出力の音高を周期的に変化させられる(=ビブラート)[2]。すなわち、オシレーターの周波数変調におけるモジュレータとしてLFOは機能する[3]この場合、オシレーターはピッチを制御する入力を複数備えているものを使うか、あるいは同等の回路を用意しなければならない[要出典]

フィルター

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LFOを、フィルターのカットオフ周波数を制御する入力へ接続する。 フィルターの開閉具合がLFOから発振される低周波に従うので、連続的に開閉するフィルターを得ることができる。 フィルターのレゾナンスを高めに設定すればワウ効果になる。

アンプ

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LFOを、アンプの音量を制御する入力へ接続する。 音量の変化がLFOから発振される低周波に従うので、トレモロや音量が変化するビブラートの効果を得ることができる。

パン

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LFOを、パンを制御する入力へ接続する。 音声信号の定位が周期的に変化する効果を得ることができる。

遅延素子

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BBDデジタルディレイなどの遅延素子のクロックをLFOで変調することにより、コーラスフランジャーなどの効果を得ることが出来る。矩形波で変調した場合、ピッチチェンジャー的な効果も可能である。

脚注

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出典

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  1. ^ 周期的な変化を与えるものとして LFO(Low Frequency Oscillator)があります。... LFO のように変調をかけるものを「モジュレータ」と呼びます。(今泉 2019, p. 420)
  2. ^ a b c LFOでオシレータを変調することで音高の上下するビブラートが得られます。(今泉 2019, p. 420)
  3. ^ LFO のように変調をかけるものを「モジュレータ」と呼びます。(今泉 2019, p. 420)

参考文献

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  • 今泉, 泰樹 (2019). “楽器音の合成における応用技術 ——シンセサイザ音源の実例——”. 日本音響学会誌. 75 (7): 419–425.

関連項目

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