PlaceEngine
PlaceEngine(プレイスエンジン)は、Wi-Fi機器を用いて現在位置を測定する技術のことである。短時間かつリアルタイムにできることが特徴とされる。
開発元 | ソニーコンピュータサイエンス研究所 |
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最新版 |
110513
/ 2010年5月18日 |
対応OS | Microsoft Windows XP / Vista / 7 / Windows Mobile / Mac OS X |
プラットフォーム | PSP/go, Android, iPhone |
種別 | 地図アプリ |
ライセンス | クウジット |
公式サイト | [1] |
概要
編集GPSは、カーナビや航空機・船舶において既に普及していた。しかし都心のビルの谷間や地下ではGPSの電波を受け取ることが出来ない上、現在地取得に時間がかかるなどのデメリットがあった。 そこで、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所インタラクションラボラトリー室長の暦本純一が、実世界指向インターフェイス研究の一環においてPlaceEngineを発案し,当時ソニーCSL研究員であった末吉隆彦 、塩野崎敦らと共に開発した。
PlaceEngineは、ユーザーによる位置検索や位置登録によりデータベースが更新され、それによって対応地域の拡大や推定精度の向上する仕組み。屋内や地下街のようなGPSが機能しない場所でも位置測定できることが特徴。地図ナビゲーションだけではなく、様々な方法にこの技術が活用されている。
近年では、GPSとPlaceEngineを組み合わせたハイブリッド測位が開発されている。片方が測位不可能でも、もう片方で予測して現在地を出すもの。GPSで取得したデータをPlaceEngineサーバーに送信して、精度向上とエリア拡大を図る機能もある。
自分の知っている土地は、位置登録をして他ユーザーが利用できるようにし、逆に自分の知らない土地では、他ユーザーが登録してくれた位置情報で現在地を割り出す。このように、両者互いに補いあうのが本来の姿である。しかし、利用可能エリアはまだ少なく、ユーザーによる位置登録の協力が求められる。
現在地測位
編集位置を取得する
編集位置の測定には、周囲にある無線LANアクセスポイント (AP) からの電測情報(各アクセスポイントに固有のMACアドレスおよび電波強度の情報)を得て、各アクセスポイントからの電波強度のバランスをもとに現在地を算出する。
取得の際にはPlaceEngineサーバーというAPの位置情報を蓄えたシステムと通信するため、インターネットに接続できる環境を整えておく必要がある。 PSPのソフトでは、APデータをメモリースティックに保存するためは、測定のみインターネット環境は不要である。ただし放っておくとメモリースティック内の情報が古くなってしまうため、毎週月曜日午前6時に更新される最新データを取得してメモリースティック内のAP情報を更新する必要がある。(みんなの地図シリーズはインターネット接続されたパソコンを用いる必要があるが、X-rader potableはPSPから直接取り込みが可能)
位置を教える
編集PlaceEngineサーバーに現在地周辺のAP情報が登録されておらず位置が取得できない場合や、APの所有者が転居したなどの理由で測定位置が大幅にずれている場合には、位置情報を登録する必要がある。略して位置登録という。
位置登録は位置取得時と同様に電測を行い、その後地図上から自分の現在位置を示唆するか、GPSから取得した現在位置を送信することによって行う。AP情報未登録により位置測定ができなかった場合は、測定できなかった地点だけでなくその周囲数ヶ所の情報を登録することで、新規に発見したAPの位置測定制度が向上する。 現在位置の付随情報として、住所の他に、建物の名前や階数の入力ができる。登録の際もインターネットに接続できる環境を整えておく必要がある。
歴史
編集利用形態
編集PlaceEngineは現在、クウジット株式会社がライセンスを行っており、公式サイトよりダウンロードして使えるようになる。 その他、そのクライアントは多くのwebサイトやソフトに活用されている。
- PCソフトウェア
- PlayStation Portable用PlaceEngine対応ソフト
動作環境
編集- パソコン
- ゲーム機
- PSP/PSP go
- スマートフォン
- Android
- iPhone
- Windows Mobile
- Mylo
- デジタルカメラ
- ソニー・サイバーショット DSC-G1(期間限定ファームウェアアップグレード後)