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吉野川第十堰(よしのがわだいじゅうぜき)は、徳島県板野郡上板町第十新田(北岸側)および名西郡石井町藍畑第十(南岸側)にある吉野川を分流するために設けられている。「第十堰」というが第十は地名であって吉野川にある十番目の堰というわけではない。また「河口堰」と表現されることもあるが、河口からは約14キロメートル離れている。

1672年寛文12年)、蜂須賀綱通により徳島城の防御を固めるため、吉野川と別宮川を接続する水道を開削する工事が行われた。その後の洪水でこの水道が拡大し、別宮川が吉野川本川となった。その結果、旧吉野川に流れる水量が減少し、水稲栽培に影響が出るようになったため、1752年宝暦2年)に水位をかさ上げし、旧吉野川への流量を確保する堰が第十につくられた。その後何度かの改修が行われ、現在の形に至る。現在も当時の姿の青石組みが残され、堰としても有効に機能しているといわれている。

第十堰には、約1キロメートル下流の徳島市に新たな可動堰を建設する計画があり、その是非をめぐってさまざまな運動が行われてきた。なかでも2000年に行われた住民投票は広く注目を集めた。……