RAY (BUMP OF CHICKENのアルバム)

RAY』(レイ)は、BUMP OF CHICKENのメジャー5作目(通算7作目)のオリジナルアルバム2014年3月12日トイズファクトリーから発売された。

RAY
BUMP OF CHICKENスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル トイズファクトリー
プロデュース BUMP OF CHICKEN & MOR
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン[1]
  • 2014年3月度月間3位(オリコン)
  • 2014年度年間12位(オリコン)
  • 2014年度年間6位(Billboard Japan Top Albums Sales Year End)
  • 登場回数57回(オリコン)
ゴールドディスク
  • プラチナ(日本レコード協会[2]
  • ゴールド(M3、ストリーミング、日本レコード協会)[3]
  • BUMP OF CHICKEN アルバム 年表
    BUMP OF CHICKEN I <1999-2004>
    BUMP OF CHICKEN II <2005-2010>
    2013年
    RAY
    (2014年)
    Butterflies
    2016年
    『RAY』収録のシングル
    1. 友達の唄
      リリース: 2011年2月23日
    2. Smile
      リリース: 2011年5月11日
    3. ゼロ
      リリース: 2011年10月19日
    4. グッドラック
      リリース: 2012年1月18日
    5. firefly
      リリース: 2012年9月12日
    6. 虹を待つ人
      リリース: 2013年8月21日
    ミュージックビデオ
    「虹を待つ人」 - YouTube
    「ray」 - YouTube
    「ゼロ」 - YouTube
    「Smile」 - YouTube
    「firefly」 - YouTube
    「友達の唄」 - YouTube
    「グッドラック」 - YouTube
    テンプレートを表示

    概要 編集

    前作『COSMONAUT』から約3年3ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム2013年10月29日に開催されたツアー「WILLPOLIS」の日本武道館公演のステージ上でリリースが発表された[4][注 1]。タイトルの『RAY』は英語で「光線」を指す。

    初回限定盤はミュージックビデオ2013年8月9日に行われたベストアルバム発売記念ライブの映像を収録したDVDが付属するほか、特典として初回限定盤および通常盤初回生産分に2014年3月31日に開催予定だった(同月20日に公式サイトにて藤原が肺気胸で入院していたことが判明し[5]、延期になることが発表された[5])スタジオコースト公演チケット購入応募券と、同年7月31日開催予定の東京ドーム公演最速先行予約受付応募券が封入され[6]、予約特典として外付けステッカーが付属する。

    一般的なアルバム全体のイメージとしては、「虹を待つ人」や「ray」といったシンセサイザーやEDMなどが組み込まれている楽曲があるため、エレクトロな要素が強いと思われがちであるが、4曲目の「サザンクロス」以降になると、「友達の唄」や「ゼロ」といった2011年から2012年にかけてリリースされたシングル曲や、バンドの象徴的なロックサウンドの楽曲がほとんどであるため、これまでとは目立った変化がない部分もあり、新しくも今まで通りのBUMP OF CHICKENのアルバムといえる。

    タワーレコードの年間チャート「2014ベストセラーズ」邦楽総合アルバム部門にて1位を獲得した。 2014年1月14日に全収録曲が公表された際には、公式サイトおよび一部の音楽サイトでは「ray」が12曲目となっていた[7][8]

    収録曲 編集

    CD
    全作詞・作曲: 藤原基央、全編曲: BUMP OF CHICKEN。
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.WILL藤原基央藤原基央
    2.虹を待つ人藤原基央藤原基央
    3.ray藤原基央藤原基央
    4.サザンクロス藤原基央藤原基央
    5.ラストワン藤原基央藤原基央
    6.morning glow藤原基央藤原基央
    7.ゼロ藤原基央藤原基央
    8.トーチ藤原基央藤原基央
    9.Smile藤原基央藤原基央
    10.firefly藤原基央藤原基央
    11.white note藤原基央藤原基央
    12.友達の唄藤原基央藤原基央
    13.(please) forgive藤原基央藤原基央
    14.グッドラック藤原基央藤原基央
    合計時間:
    初回限定盤DVD
    #タイトル作詞作曲・編曲
    1.虹を待つ人(Music Video)  
    2.ゼロ(Music Video)  
    3.Smile(Music Video)  
    4.firefly(Music Video)  
    5.友達の唄(Music Video)  
    6.グッドラック(Music Video)  
    7.Stage of the ground(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    8.firefly(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    9.虹を待つ人(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    10.プラネタリウム(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    11.花の名(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    12.ダイヤモンド(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    13.星の鳥〜メーデー(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    14.K(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  
    15.天体観測(2013.8.9 Live at QVC Marine Field)  

    楽曲解説 編集

    1. WILL
      インストゥルメンタル曲。2012年の『GOLD GLIDER TOUR』のオープニング曲として使用された「GOLD」が原型となっている。
    2. 虹を待つ人
      1st配信限定シングル
      特記はないがアルバムバージョンである。冒頭のシンセサイザーによる音が、シングルと比べてボリュームが大きくなっている。そのため「WILL」と音が繋がっているように聞こえる。
    3. ray
      BUMP OF CHICKENとしては初のアルバムタイトル曲。当初は「記憶の光芒」というタイトルだったが、堅さを取りたかったため「光芒」の意味を含む「ray」とした[9]。なお、アルバムタイトルはこの曲の完成後に考案されている[10]
      2013年のツアー「WILLPOLIS」の日本武道館公演にてサプライズとして初演奏された。また、リリースに先駆けて2014年2月18日に「SCHOOL OF LOCK!」にて放送された。
      ミュージックビデオが撮影され、2014年3月7日にバンドのYouTube公式チャンネルにて公開された。このミュージックビデオのディレクターは東市篤憲(A4A)が担当した。
      本作収録のオリジナルバージョンに加えて、初音ミクコラボレーションしたバージョンも制作されており、こちらは「BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU」名義で本作発売日に配信限定でリリースされた。BUMP OF CHICKENとしては初のフィーチャリング・アーティストとなる。なお、初音ミクのプログラミングについては、BUMP OF CHICKENと同レーベルのトイズファクトリーに所属するkz(livetune)が担当している[11]
      2014年7月、テレビ朝日『ミュージックステーション』3時間スペシャルで「虹を待つ人」と共に演奏された。地上波のテレビでの楽曲の披露はこれが初めてとなった。
      2015年にはこの曲で第66回NHK紅白歌合戦に初出場した。
      バンドとしてのテレビ出演は少ないが、本楽曲は3回テレビで披露されている(「ミュージックステーション」「SONGS」「NHK紅白歌合戦」)。
    4. サザンクロス
      「ray」と同じく、SCHOOL OF LOCK!にて2014年3月4日に放送された。
      本作の収録曲の中では「(please) forgive」に次いで古い曲で、2010年12月28日に録音された[12]
      曲のテンポの速さを示すテンポが216であり、BUMP OF CHICKENのすべての曲の中で2番目に高い数値となっている。
      2014年のツアー「WILLPOLIS 2014」で演奏された後ライブでは演奏されていなかったが、2021年のスタジオライブ「Silver Jubilee」、2023年に行われたアリーナツアー「be there」で演奏された。
    5. ラストワン
      イントロが2本のギターで形成されている[13]
      本作の中では唯一ライブ映像が公開されていない楽曲である。
    6. morning glow
      インディーズの頃の未発表曲と題名が同じだが、関連性があるのか、それとも偶然被ったのかは不明。ただし、この曲自体は前作「COSMONAUT」のレコーディング中に制作したと語っており[14]、少なくともインディーズ時代の未発表曲とは別の曲である。
      本作の発売直後に行われたツアー「WILLPOLIS 2014」では演奏されなかったが、翌2015年の夏に行われた「Special Live 2015」で初演奏された。
    7. ゼロ
      21stシングル。
    8. トーチ
      2014年3月の1ヶ月限定で復活した「SCHOOL OF LOCK!」のコーナー「BUMP LOCKS!」の1回目の放送(3月6日)で放送された。
    9. Smile
      20thシングルだが、本作には「ゼロ」のカップリングとなったバンドバージョンが収録されている。
    10. firefly
      23rdシングル。
    11. white note
      本作の中では最も短い曲である。
    12. 友達の唄
      19thシングル。
    13. (please) forgive
      本作の収録曲の中では最も古く、2009年に録音された[15]。前作『COSMONAUT』に収録される予定だったが、収録時間の関係で削られた[16]
    14. グッドラック
      22ndシングル。
    • 隠しトラック(15曲目)に「SHODO ~書道~」が収録されている。無音が3分12秒続いた後に始まる。隠しジャケットは1枚重なった黒いシートの中にあり、歌詞は無く白いシートに墨汁が1滴落ちている。また、この墨汁をスマートフォン専用ARアプリ「BOC-AR」で読み取ると、さらに新たな隠しトラックが再生される仕掛けとなっている。

    2013.8.9 Live at QVC Marine Field 編集

    2013年8月9日にQVCマリンフィールドにて開催された、同年7月3日のベストアルバム発売を記念したライブ映像が収録される。ただし、『プラネタリウム』の前に演奏された『オンリー ロンリー グローリー』、『K』の前に演奏された『カルマ』、そしてアンコールの『ガラスのブルース』は収録されていない。

    ブックレット 編集

    ブックレットのイラストに、スマートフォン専用アプリ「BOC-AR」をかざすと、AR(拡張現実)の空間でイラストが動き出すようになっている。同アプリはバンドとAR三兄弟が共同プロデュースしたもので、App Storeなどで公開されている(ただし2018年8月時点では一部バージョンの端末で使用できなくなっている)。

    イラストは、ツアー「WILLPOLIS 2014」などでオープニングアニメーションを制作した山崎貴によるもので、ARのストーリーはバンド側と山崎、そしてAR三兄弟が全員で会議して決めたという[17]

    なおブックレットのイラストはB.D.風(全て大文字のフランス語)となっており、これは「GOLD GLIDER TOUR」のオープニング映像のキャラクター原案を務めた故メビウス氏の作品を意識したものであると思われる。

    LIVE 編集

    アルバム発売後まもなくの2014年4月5日より、本作発売に伴うアリーナツアー『WILLPOLIS 2014』がスタートした。本来は3月31日に新木場スタジオコースト公演『BUMP OF CHICKEN Live at STUDIO COAST』が開催される予定であったが、藤原が肺気胸で入院したため、新木場公演のみツアーファイナル直前の7月15日まで延期された。

    『WILLPOLIS』というツアータイトルは、前年に発売した初のベストアルバムに伴うツアーのタイトルをそのまま継承しており、複数の音源発売を挟むものとしては初めて同じツアータイトルとなった。

    2014年7月31日に東京ドームで行われたツアーファイナルは、「ゼロ」ではタイアップとなっている『ファイナルファンタジー零式』の映像が投影され、「Smile」では本作のアーティスト写真を手がけた写真家の蜷川実花と、フラワーアーティスト東信による新作映像が用いられたほか、「ray」は初音ミクとのコラボバージョンがライブ初披露となるなど、集大成とも言える演出を多数盛り込んだものとなった[18]。ライブの最後には、ツアー終了翌日にリリースを控えていた新曲「You were here」を初披露、ライブは約3時間に渡るものとなった[19]

    なお、バンド初のドーム公演となったファイナルに向けて、7月24日には「BUMP OF CHICKEN TOUR "WILLPOLIS 2014" FINAL」の特設ウェブサイトが開設され、当日は公演に集まったファンの様子の写真がリアルタイムで更新された[20]

    今ツアーの模様は、ドキュメンタリー作品『BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014』として2015年2月4日にリリースされており、前述の東京ドーム公演を中心に収録されている。またこの作品のリリースに先駆けて、ドキュメンタリー映画『BUMP OF CHICKEN "WILLPOLIS 2014" 劇場版』が2014年12月5日から2週間限定で公開された。

    脚注 編集

    1. ^ RAY”. ORICON STYLE. 2015年3月25日閲覧。
    2. ^ ゴールド等認定作品一覧 2014年3月”. 日本レコード協会(RIAJ). 2014年4月10日閲覧。
    3. ^ ストリーミング認定 2023年7月”. 日本レコード協会(RIAJ). 2023年9月28日閲覧。
    4. ^ BUMP OF CHICKEN、2014年1月に7thアルバム「RAY」”. ナタリー (2013年10月29日). 2015年3月25日閲覧。
    5. ^ a b “藤原基央肺気胸によりBUMP新木場公演が延期”. ナタリー. (2014年3月20日). https://natalie.mu/music/news/112576 2014年3月20日閲覧。 
    6. ^ BUMP OF CHICKEN、新木場COAST&東京ドーム公演決定 - ナタリー
    7. ^ BUMP OF CHICKEN新アルバム『RAY』収録曲&ジャケ判明、全国12都市巡るツアーも”. CINRA.NET (2014年1月14日). 2018年8月10日閲覧。
    8. ^ BUMP OF CHICKEN、アルバム「RAY」詳細&ツアー全日程発表”. Musicman-net (2014年1月14日). 2018年8月10日閲覧。
    9. ^ 『ロッキング・オン・ジャパン』2014年4月号、新作アルバム『RAY』そのすべて、p66-67
    10. ^ BUMP OF CHICKEN | WHAT's IN? WEB
    11. ^ BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKUによる“ray”のミュージック・ビデオが公開”. RO69. ロッキング・オン (2014年3月13日). 2013年3月15日閲覧。
    12. ^ 2014年3月4日放送の「SCHOOL OF LOCK!」より。
    13. ^ WHAT's IN?」2014年3月号、20頁
    14. ^ WHAT's IN?」2014年3月号、17頁
    15. ^ 2014年3月6日放送の「BUMP LOCKS!」(「SCHOOL OF LOCK!」のコーナー)より。
    16. ^ 『ロッキング・オン・ジャパン』2014年4月号、新作アルバム『RAY』そのすべて、p59
    17. ^ BUMP OF CHICKEN 「RAY」特集”. ナタリー (2014年). 2018年8月10日閲覧。
    18. ^ 【ライブレポート】BUMP OF CHICKEN、感謝の初東京ドームライブ 「誇りに思います。どうもありがとう」”. BARKS (2014年8月24日). 2015年3月25日閲覧。
    19. ^ BUMP OF CHICKEN、東京ドームで初音ミクと共演&新曲「You were here」初披露 - WHAT's IN? WEB
    20. ^ BUMP東京ドーム公演に向け特設ページ公開 - ナタリー
    1. ^ ただし、この時は2014年1月下旬発売と発表され、2013年12月20日に発売日が2014年3月12日に決定した。当初は全13曲の予定だった。

    外部リンク 編集