シー・ユー・レイター・アリゲーター
シー・ユー・レイター・アリゲーター(See You Later Alligator)は、ボビー・チャールズが作詞・作曲した楽曲。
「レイター・アリゲーター」 | ||||||||
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ボビー・チャールズ の シングル | ||||||||
B面 | On Bended Knee | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | シングル | |||||||
録音 | [1][2] | |||||||
ジャンル | リズム・アンド・ブルース | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | チェス・レコード 1609 | |||||||
作曲 | ロバート・ギドリー | |||||||
プロデュース | ポール・ゲイテン[3] | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
14位 (米国 R&B) (1955年) | ||||||||
ボビー・チャールズ シングル 年表 | ||||||||
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オリジナルのチャールズによるレコーディングはチェスより1955年11月にシングルとしてリリースになり、R&Bチャートの14位のヒットを記録した[4]。同年12月に ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツがこれをカバー。翌1956年にリリースされると、ビルボードのポップ・チャートの6位の大ヒットとなり、チャールズのオリジナルの存在感を薄める結果となった[1]。
ボビー・チャールズのバージョン
編集10代の頃のチャールズは、友人と別れる際「さようなら」という代わりに「See you later, alligator」(「またね」を意味するsee you laterに語呂合わせでalligatorを付けている)というのが口癖だったが、ある日、友人の一人がそれに対し「After a while, crocodile」(同様の語呂合わせ)と返したことがインスピレーションとなり、チャールズはこの楽曲を20分で書き上げた[2][5]。
チャールズは電話でのチェス・レコードのオーディションでこの曲を歌い、これを聴いた社主レナード・チェスは、チャールズとの契約締結を決断した[5]。チェスはニューオーリンズのコズィモ・マタッサのスタジオをレコーディング用に押さえたが、チャールズ本人の要望により、通常のスタジオ・ミュージシャンではなく、彼が当時一緒に活動していたザ・カーディナルズとレコーディングすることとなった[2]。
レコーディングは1955年10月に行なわれ、翌11月に「Later Alligator」の名でシングル・リリースされた。この曲は、当時17歳だったチャールズのレコード・デビュー曲となった。デビューにあたり、彼は本名ロバート・チャールズ・ギドリーから末尾のギドリー姓を落とし、ボビー・チャールズと名乗った。
曲は12小節のブルースを基調としており、チャールズのバージョンはサックスをフィーチャーし、チャールズのバージョンはリズムやサックスをフィーチャーすることにより、ニューオーリンズR&B色を前面に押し出している。前年1954年にレコーディングされたギター・スリムの「Later for You, Baby」がこの曲のインスピレーションになっているのではないかとする意見も存在する[6]。
参加ミュージシャン
編集- ボビー・チャールズ Bobby Charles - ヴォーカル
- ハリー・シモノウ Harry Simoneaux - サクソフォーン
- ラオウル・プラード Raoul Prado - サクソフォーン
- カルロ・マリーニ Carlo Marini - サクソフォーン
- ラリー・ギドリー Larry Guidry - ギター
- エド・ルブラン Ed Le Blanc - ピアノ
- ケネス・テリオ Kenneth Thierot - ドラムス [4]
チャールズ自身によるリメイク
編集チャールズは度々この曲のリメイクを行なっている。一つは1960年代のジュウェル/ポーラ時代(後にポニーキャニオン、英ウェストサイドのコンピレーションに収録された)[7]、1992年のニューオーリンズ・セッション(アルバム『Wish You Were Here Right Now』収録)、更には2001年のレコーディングがあり、これは2004年のアルバム『Last Train To Memphis』に収録された[8]。
ビル・ヘイリーのバージョン
編集「シー・ユー・レイター・アリゲーター」 | ||||||||
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ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ の シングル | ||||||||
B面 | The Paper Boy (On Main Street, U.S.A.) | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | シングル | |||||||
録音 | ||||||||
ジャンル | ロックンロール | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | デッカ・レコード 9-29791 | |||||||
作曲 | Robert Guidry | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
6位 (米国 Billboard Hot 100) (1956年) | ||||||||
ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ シングル 年表 | ||||||||
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チャールズのオリジナル盤リリースの翌月12月12日、ビル・ヘイリーはこの曲をレコーディングし[9]、1956年1月にシングル・リリースした[10]。彼らのバージョンは瞬く間にビルボード・チャートの6位を記録し、19週に渡ってチャートにとどまり続ける大ヒットとなった[11]。同年4月公開の映画『ロック・アンド・ロール/狂熱のジャズ』でもフィーチャーされた[11]。
ヘイリーのバージョンは、チャールズのものと比較して、よりロックンロール的な仕上がりとなっている。
参加ミュージシャン
編集- ビル・ヘイリー Bill Haley - ヴォーカル、リズムギター
- フラニー・ビーチャー Franny Beacher - リードギター
- ビリー・ウィリアムソン Billy Williamson - スティール・ギター
- ルディ・ポンピリ Rudy Pompilli - テナー・サックス
- ジョニー・グランデ Johnny Grade - ピアノ
- アル・レックス Al Rex - ダブル・ベース
- ラルフ・ジョーンズ Ralph Jones - ドラムス [9]
その他カバー・バージョン
編集年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
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1956年 | ローレンス・ウェルク | 『Lawrence Welk at Madison Square Garden』 |
1964年 | フレディ&ザ・ドリーマーズ | 『You Were Mad for Me』 |
1964年 | ウェイン・ギブソン・ウィズ・ザ・ダイナミック・サウンズ | ※シングル「Kelly」のB面 |
1986年 | ドクター・フィールグッド | ※シングル盤リリース |
1990年 | ザッカリー・リシャール | 『Zack's Bon Ton』 |
2008年 | リトル・フィート・ウィズ・ジム・メイヤー | 『Join the Band』 |
2009年 | ベス・マッキー | 『I’m That Way』 |
2017年 | ザ・ブルージェイズ | 『At Home with the Bluejays』 |
出典
編集- ^ a b Bobby Charles-Chess Masters (Be Bop Wino) 2024年7月18日閲覧
- ^ a b c Bobby Charles: Songwriter who composed 'See You Later, Alligator' (The Independent)
- ^ PAUL GAYTEN - TIMS (This Is My Story) 2024年8月21日閲覧
- ^ a b Later Alligator / On Bended Knee (RYM) 2024年7月18日閲覧
- ^ a b Bobby Charles – Louisiana Music Hall of Fame 2024年7月18日閲覧
- ^ Guitar Slim (TOPPERMOST) 2024年7月18日閲覧
- ^ Bobby Charles - Walking To New Orleans - The Jewel and Paula Recordings 1964-65 (Westside)ブックレット、著者:Paul Harris
- ^ Last Train To Memphis (PRPRCD016)ブックレット
- ^ a b c The Bill Haley Recordings File 2024年7月18日閲覧
- ^ a b Bill Haley – Discography (45cat) 2024年7月18日閲覧
- ^ a b ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ代表曲「Rock Around The Clock」に続くヒット曲「See You Later, Alligator」 2024年7月18日閲覧
- ^ Second Hand Songs: See You Later, Alligator 2024年7月23日閲覧