TA27第二次世界大戦時のドイツの水雷艇ジェノバで建造中であったイタリアのアリエテ級水雷艇「アウリガ (Auriga)」をイタリアの降伏により1943年9月にドイツが捕獲したものである[1]

ジェノヴァアンサルド社で建造[1]。1942年7月15日起工[1]。1943年4月15日進水[1]。1943年12月28日[1]、または12月29日就役[2]。第10水雷群に編入された[1]

「TA27」は機雷敷設任務に12回、偵察任務に3回従事した[2]

1944年2月1日から26日の間に、第10水雷群は4度の機雷作戦に従事し、MTBとの交戦も発生した(「TA27」の参加状況は不明)[3]。2月18-19日には「TA24」、「TA27」、「TA28」でテヴェレ川河口の南への機雷敷設に向かい、途中イギリス駆逐艦と思われるものやMTBの攻撃を受けるも作戦は成功した[4]。また、同月にはコルシカ島のバスティア砲撃作戦も実施され、「TA27」は4度参加した[5][6]

4月2日から26日にかけて「TA23」、「TA26」、「TA27」、「TA28」、「TA29」のうちの2隻による機雷敷設作戦が合計10回行われた[7]

1944年6月9日、ポルト・フェライオにおいてアメリカ軍の空襲により爆弾3発が命中し、即応弾薬が誘爆[8]。浸水により夜遅くに転覆した[1]。乗員は「TA30」により救助された[8]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 『第二次大戦駆逐艦総覧』79ページ
  2. ^ a b German TA Torpedo Boats at War, p. 146
  3. ^ Chronology of the War at Sea 1939–1945, p.304 具体的な参加艦艇名は書かれていないため、「TA27」の参加状況は不明。また、記述されている4回の中に後述の2月18日から19日夜の作戦はないが、2月18-19日にMTBとの交戦があったとの記述はある。
  4. ^ German TA Torpedo Boat at War, pp.133, 135
  5. ^ Chronology of the War at Sea 1939–1945, pp.304-305
  6. ^ これはNussknacker作戦となっているが、German TA Torpedo Boats at War, p. 135では「TA24」と「TA28」による3月1-2日のバスティア砲撃がNuss-Knacker作戦となっており、またそのような陸上砲撃作戦で最初のものとされている。
  7. ^ Chronology of the War at Sea 1939–1945, p. 312
  8. ^ a b German TA Torpedo Boats at War, p. 137

参考文献 編集

  • M.J.ホイットレー、岩重多四郎(訳)『第二次大戦駆逐艦総覧』大日本絵画、2000年、ISBN 4-499-22710-0
  • Pierre Hervieux, German TA Torpedo Boats at War, Warship 1997-1998, Conway Maritime Press, 1997, ISBN 0-85177-722-8
  • Jurgen Rohwer, Chronology of the War at Sea 1939-1945, Naval Institute press, 2005, ISBN 1-59114-119-2