このページはWikipedia:井戸端での過去の議論などを保存したものです。

他の過去ログはWikipedia:井戸端/過去ログに保存しています。

ここでの議論を継続するときにはWikipedia:井戸端にてお願いします。


固有名詞の表記における漢字の選択

編集

Wikipedia:井戸端会議ログ3に保存されています常用漢字での議論を参考に、先ほど、 Wikipedia:日本語環境の内容を変更してみました。

変更点は、こちらでご覧になれます。[1]

僕の変更点やまとめ方について、もっとよいやり方があるとか、あるいは議論をもっとよく反映したやり方があるということもあるかも知れないので、よろしかったら指摘をお願いします。

この議論でも「常用漢字と旧字体とどちらを優先するべきか」については、まだ意見がまとまらないままのように思えたので、一応その点については未解決と扱いました。

特に固有名詞の表記に際して常用漢字と旧字体についての議論をもう少しまとめられたらと思います。これについては、「できるだけ正確に」「新聞などメディアを参考にして判断」「常用漢字に限定」という比較的わかりやすいオプションの内、3つ目は不適当、という点までは合意がとれているようです。

もうひとつは、「できるだけ正確に」という意見を持つ人の中でも、「機種依存文字は使用不可」という点では合意があるわけですが、それを「Unicodeで扱える字全て」とするべきなのか、「JIS第2水準まで」とするべきなのか、などの詰めが問題になると思います。これはブラウザーにおける処理がうまくできず文字化けしてしまう場合の問題とも絡んでいます。

少し抽象的な話になってしまいますが、日本語における漢字使用は現に多様であり、歴史的な出来事を扱う専門書や論文であれば旧字体を用いるものもあるでしょうし、一般向けに書かれた政府文書であれば政府の定めた常用漢字表や関連の漢字表内の漢字のみに限定することもあるでしょう。出版社やワープロソフトの作成者、あるいはホームページを作成する個人などそれぞれが少しづつ異なる選択をしているというのが現状だと思います。ウィキペディアは集団でやるプロジェクトで、入門的なものから専門的なものまで多様な話題を扱う百科事典ですので、ある程度はそういう多様性を反映してしまわざるを得ない宿命にあるような気がします。
あるいは、その多様性を何かの形で制限することができて、統一性の高い表記方法を採用できたとしたら、今度は「この漢字が使えないのは困る」「どうしてこんなわかりにくい表記法が義務付けられているのか」などとその公式表記法に不満を感じる様々な立場の人が出てくることにもなってしまうと思います。
そういうわけで、放置しておいてもいつまでも議論ができそうな話題なので、ある程度よさそうな案が出てきたらそこで妥協する、というのがせいぜいわれわれにできることなのではないか、というようなことを考えました。

もう少し具体的な点について。僕は、基本的には、新聞などのメディアを基準することにはためらいがあります。次のような疑問があるからです。

  • 新聞の表記自体が必ずしも安定していないのではないか(懇談会などを通じて新しく追加する動きがある、など)。新聞以外のメディア(雑誌など)も含めるとすると更にこの問題が大きくなるように思います。
  • 政府の発表する漢字表などと比べて、参照や確認作業が困難なのではないか
  • 新聞で扱われない話題についての記事も多数存在することになるので、解決できないケースが多いのではないか

逆に言えば、こうした点について何とか解決策が出せれば、新聞なりメディアなりを利用してもいいわけですが。

メディアを参照することの利点は、この案が提案された時に指摘されていた通り、多くの人にとってわかりやすい表記になるという点だと思います。
そこで、同じ問題を、漢字の選択ではなくふりがなやルビで解決する、ということではどうでしょうか? 例えば次のような形のルールです。

  • 読み方を知らないが表記を知っている人や表記を知らないが読み方だけ知っている人の検索の便宜を図るために、記事の冒頭によみがなを明記する。特に、記事名が旧字体や常用漢字表にない文字である場合にはよみがなを付す。
  • 外国語を記事名にそのまま用いている場合も同様にする。
  • 本文中では、新聞などのメディアで用いられることのない(または少ない)漢字を使用した固有名詞については、記事内での初出時に()内によみがなを記すか、ルビをふる。

ご意見、ご批判など、よろしくお願いします。 Tomos 22:14 2003年3月7日 (UTC)

少し話がずれますが、固有名詞・引用以外についてです。
旧字を使わないという点では一致していると思いますが、
旧字以外については議論が進んでいません。
現状では、常用漢字以外もかなり使われており、
のように、記事名で使われている例もあります
旧字以外をどの程度制限すべきか、皆さんのご意見をお願いします。
Hachi 16:04 2003年3月8日 (UTC)
「できるだけ正確に」という案を提案されていますが、私は以前にも述べましたが、誰の判断による、いつの時点におけるという点が不明確である以上、正確にはなりません。
また、これは「文字コードの問題=記事名に直結する問題」であり、ルビやよみがなでは解決できません。
つまり、東京帝國大學東京帝国大学という記事がある場合には、お互いが正確であると主張しあった場合、同じ内容の記事が二つできあうという残念な結果をもたらしてしまいます。
したがって、今現在のメディアを参考にするという案を提案したわけです。これならば、時間における問題は回避されます。もちろん、Tomosさんの仰られた問題点も存在しますが…G 16:39 2003年3月8日 (UTC)

この件について、もう少し考えてみました。

Gさんの投稿を頼りに考えたのですが、「記事名」と「文中の表記」は分けた方がいいと思いました。

「文中の表記」については、「新聞にある漢字以外は読めない人もいることを考慮すべき」という意見がかつて出されたことがありました。ウィキペディアは専門家にもそうでない人にも利用してもらえるような百科事典を作成するプロジェクトだと思うので、これは重要な意見かと思いました。ルビの使用などをはじめとする、前回の僕の提案内容は、主にこの点を考えて、文中の表記について解決策を考えたものです。

ルビなどの使用がよいと思った理由には「正確な表記を知り、それに慣れることも、物事を学ぶ上では重要なのではないか」ということを考えたからです。旧字体だけなら単にあきらめてしまう読者がおり、常用漢字だけであれば正確な表記を習えないのに比べ、ルビなどを使うことで、多少、学ぶ上での助けになるのではないか、と思いました。

もし、何かちょうどいい記事があったらそれを「旧字体などをそのまま使う」「ルビなどを使う」「常用漢字などに限る」という3通りに編集してみて、履歴から辿ってその3つを比べる、ということをやってみたい気がします。(「旧字体」が基本的に固有名詞に限られている分にはどうということはないだろうというのが僕の予想なのですが。)

「記事名」については、「同じ物事を扱う記事が2つできてしまう」「記事名をめぐる議論や編集合戦になる」という類の事態を避けたいという点では異論はないと思います。Gさんは、現在のメディアを参考にするとそういう衝突が減るのではないか、僕の場合には「正式、正確」という基準でやったらそういう衝突が減るのではないかと思ったわけですが、目指しているゴールにそれほど差はないように思います。

記事名は、検索の問題としては、検索されそうな記事名からリダイレクトを作成する、記事中の冒頭でよく知られた通称などを挙げる、などの形で対処したらいいのではないか、と思います。

文字コード上の問題についてもGさんは指摘していらっしゃいますが、これは僕にはよくわかりませんでした。人によって扱える文字の種類が違っている(機種依存文字、ユニコード内だがS-JIS外など)ために文字化けが起こる、という程度の覚束ない理解しかないので、どなたかご存知の方がいればもう少し詳しく説明して頂けると助かります。

正式名称を誰がいつの時点で判断するのか、という問題については、まだ材料となるよい例が不足しているので引き続き考えてみます。 Tomos 07:50 2003年3月17日 (UTC)

ルビづけの点ですが、記事名にならない範囲で賛成です。記事名になる場合には反対です。それは旧字体の記事名ができてしまうからです。
記事名の決定については、一長一短があるので、他の方からの提案なども聞いてみたいものです。
それと、文字コードといった件ですが、これは新字体と旧字体でコードが異なる為(例えば「国」と「國」ではコードが異なる)、この二つは絶対に同じ『記事名』にはならないということが言いたかったのです。
リダイレクトで解決すればという意見が飛んできそうですが、リダイレクトは切られてしまえばおしまいなので、その点からもリダイレクトでは、未来永劫『同じ記事名』であり続ける事はできません。
(だから、リダイレクトが望ましい方法とは思っておりません。私はリダイレクトに頼った記事作りを嫌います。リダイレクト論については改めて議論の題材となるでしょう。)G 09:24 2003年3月17日 (UTC)

Gさんどうも書き込みありがとうございます。簡単にお返事を書きます。
ルビは記事名には適用しない、というのは同意見です。ただ、交ぜ書きの件のように()でくくって読み仮名を付記するものが記事名として登場する可能性はあると思います。Hachiさんの指摘された柿をそのように処理するという方法も考えられますし。。(その件については迷っています)
リダイレクト問題については、とりあえず別議題としてどこかに書き込んで下さるのを待ってみます。この場でさっと片付けられる問題かどうか見極めがつかないので。
ただ、メディア準拠案では、メディアにおける表記が統一されていない場合や、時と共に変遷する場合(漢字使用をめぐる変更であれ、そのほかのものであれ)にはウィキペディアでもリダイレクトを作成したり記事名を変更したりする必要があるので、リダイレクトをめぐるGさんの懸念している問題はいずれの場合にも発生せざるを得ないのではないか、というようなことも考えました。
メディア準拠案を定式化するとしたら「ここ5年間の有力全国紙3紙(朝日、毎日、読売)の記事本文と見出しを参照し、そこで用いられている表記を採用する。表記が統一されていないものについては、使用頻度の高いと思われるものを採用し、表記例が存在しないものについては、類似の固有名詞の表記例や、同一の漢字を含む固有名詞の表記例を採用する」という類のものになると思います。
ただ、これだと、「たまたま特定の記者による記事が多いためにその記者の採用している表記法がウィキペディアでも優先されることになる」という妙と言えば妙な事態もありえるわけですが。

試しに検索をやってみたのですが、朝日新聞で「タン・チアシュワン」で検索してみたところ表記が統一されていないことや、「東京大学 総長」で検索すると「蓮見」(実の異体字が正式)と誤記している記事があること(同一の記者による連載記事)などから、メディアに準拠する方法のあやうさを感じました。もちろんこうしたケースが例外であるも十分ありますが。
Tomos 00:46 2003年3月19日 (UTC)

常用漢字外の漢字を次の三つに分けた場合(1と2は重なる部分があります)、
 1.旧字
 2.JIS第1・第2水準外の漢字
 3.その他
使わないほうがよい理由として、
1は、新字が現在の正式の文字だから
2は、文字化けの問題があるから
というものがありますが、
3については、今のところ理由が示されていないようです。
3の漢字を制限すべきと考えている方はいらっしゃるのでしょうか?
もしいらっしゃらなければ、「原則として常用漢字のみを使用」という枠ははずすべきだと思いますが、いかがでしょうか?
常用漢字以外の漢字にすべて読みがなをつけることにすると、
「藤」や「岡」などのごく普通の漢字を含む人名に読みがなをつけなければならないことになります。
それよりはむしろ、「璽」や「嚇」などの難しい常用漢字の方が読みがなが必要ではないでしょうか。
ちなみに、このページをチェックしたところ、常用漢字外の漢字として「誰」「辿」「劫」が使われていました。
Hachi 14:09 2003年4月1日 (UTC)

鋭い指摘をありがとうございます。
どういうときにルビをふるべきか、固有名詞以外の部分については常用漢字しか使ってはいけないのか、についてはまだあまり議論されていない状態ですが、考えてみました。

まず固有名詞でない、記事本文について考えてみると、「誰か」「辿る」「億劫」「永劫」などが使えないとすると、本文中の記述を常用漢字のみに制限するのは確かにいいアイディアとはいえないかも知れないですね。ですが、「第2水準JIS内であればどのような漢字を使ってもよい」とするのも問題を感じます。

そこで、本文中の非固有名詞部分については、

  • 常用漢字以外の文字を含む語には(記事内の初出時に)ルビ(か括弧でくくった読み仮名-以下同様)をふることを推奨する。また、既にルビが振ってある場合には原則としてそれを消してはいけない。
  • 常用漢字であっても読み方が難しいものや、頻繁に使われないものについてはルビを振ることを推奨する
  • ルビをつけるべきかをめぐって論争が起きる場合にはネット上で閲覧できる最近の新聞などの活字マスメディアを参考にする

という形にするのがよいでしょうか。

そうではなく、漢字の使用・不使用自体をマスメディアに準拠して決める、という考え方もありそうです。

固有名詞について改めて考えてみると藤、岡、などについては

  • 常用漢字外の漢字には原則としてふりがなをふることが推奨される。ただし固有名詞の表記の際には「人名漢字表」に指定されている漢字にはルビなどをわざわざふらなくてもよい場合も多い。
  • 常用漢字や人名漢字からなる固有名詞でも読み方がやさしくないものなどについてはルビなどを振ることが推奨される。
  • ルビをつけるべきかをめぐって論争が起きる場合にはネット上で閲覧できる最近の新聞などの活字マスメディアを参考にする

というような形である程度は解決できそうです。

  1. 記事名に使ってよい漢字
  2. 本文中でルビやふりがな(括弧でくくってひらがなで読み方を書くような)なしに使ってよい漢字
  3. 本文中でルビやふりがななどと一緒に使ってよい漢字
  4. 本文中でも記事中でも使わないべき漢字

という4種類にわけて考えるといいような気もします。

何だかまだ詰めが甘い気がしますが、批判、反論などお願いします。 Tomos 00:41 2003年4月2日 (UTC)

上で分類した3を、さらに次の二つに分けて考えてみました。
 3-a 常用漢字の異体字にあたるもの
 3-b その他
固有名詞に関しては、
3-aは、常用漢字に書き換えるべきという意見があるでしょうが、
3-bは、原則として、制限する必要はないと思います。
記事本文に関しては、
3-bの場合も、「企劃」は「企画」とするなど、
制限する必要があるようです。
検討すべき点が多いので、ぼちぼちと考えていきたいと思います。
Hachi 12:26 2003年4月3日 (UTC)
個人的な意見として、
常用漢字によることはこういう事典作りに於いてかえって事態に混乱をきたさないかと考えます。
国語の教科書ですら固有名詞の場合古い表記です。
又読めない人が多い漢字があるのはHachiさんの指摘通り常用内に於いても同じ事です。
やはり漢字使用について独自の基準を作ることしか道は無いのではと思いますが如何。
何を参考とするかは基準作りで考えるべきかと思います。
古い議論を掘り起こす格好になりそうですが…。kzhr 17:01 2003年11月23日 (UTC)