Wikipedia:査読依頼/解離性同一性障害 20110510

解離性同一性障害 - ノート 編集

全面リライトを行いました。意図はノートに書いた3点ですが、中心は以下の通りです。 患者さんやその周囲の方は「もしや」と思い情報をインターネットで探しておられます。一番真剣に読んでおられるのもそうした方々でしょう。そうした方々に役に立ち、より詳しい情報への道しるべともなり、希望も感じられる情報を置いておきたいということです。 当初は「身近な人の理解を助ける書籍」にあげた最初の3冊を「周囲の方々にとって必要な情報」とみなして、その範囲の情報だけでまとめるつもりでした。しかし「ノート」に残されている議論や質問などを意識しながら、色々と説明を加えて補強しているうちに広がってしまいました。本文が長くなりすぎないよう、また話の軸が拡散しないよう、詳細な学説などは極力脚注に追い出しています。一般的な理解のためなら本文だけで十分と思います。検証の場合はそれら脚注とその先の出典をご参照ください。 内容については勿論のこと、ここの部分の話のつながりが悪いとかも含め、読みやすさの点でもアドバイスを頂ければと思います。よろしくお願いします。Ktmchi 2011年5月10日 (火) 04:54 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
  コメント問題点だと考えられる部分がいくつもありますので、主な点を以下に列記いたします。
  • 全面リライトの意図を説明されていますが、「全面」リライトの理由になっていません。Ktmchiさんの理由ならば「解離性同一性障害が登場する作品」を書き換えれば済むのではないでしょうか。2011年4月28日の版に戻すことを希望します。詳細に調べられているようですが、内容を読む限り根本的な理解や経験が足りないと感じます。全面リライトを行なうならば、十分な知識とともに経験に裏打ちされた文章が必要です。「解離」とは「防衛が破綻し」たのではなく、防衛機制を発揮した結果です。
  • 「DIDはPTSD(心的外傷後ストレス障害)や境界性パーソナリティ障害とともに外傷性精神障害と分類する意見もあり、」とありますが、現在は「C-PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)」として考えることが主流であり、DSM-Vでの採用が予想されています。また、多くのDID患者にはC-PTSDという診断が下されています。PTSDでは説明がつかないのですからC-PTSDを前提に記述すべきです。後半ではC-PTSDに触れていながら、ちぐはぐな解説で残念に思います。
  • 「用語」の項目はなぜ削除したのでしょうか。「主人格」と「基本人格」を明確に分けなければ適切な説明は行なえません。多くのDID症例では、基本人格は子供のまま守られて成長を止め、その後作られた主人格が人生を歩んでいますし、主人格が交代することも少なくありません。つまり、「基本人格」と「主人格」が別々に存在するのが一般的な症例で、多くの主人格は幼児期の記憶を持っていません。「host」と「original」を同じ意味として捉えるのは無理がありますよね。
  • 冒頭の説明文をはじめとして、全般的に解離性障害に対する記述や資料が多用されているのは意図的なことでしょうか。解離性障害については別途ベージが作成されているので、あくまでも解離性同一性障害に解説を絞るべきです。このままでは百科事典として参照した方が「解離性障害」と「解離性同一性障害」を混同してしまいます。
  • 柴山氏は「学校でのいじめ」がDIDの原因であるとはどこにも記述していませんし、「いじめ」がDIDの原因だと考えている専門家は世界にどれだけいるのでしょうか。生物的な素因も影響はしますが、幼児期から小児期の性的虐待が最も多い主因だと考えているのが世界の専門家です。催眠療法などの技量を持たない日本の精神科医が本当の原因に辿り着けなかったり、危険を避けて掘り起こそうとしないことでアメリカとの差異が生じています。「日本の場合は、(1)いじめ、〜(4)家族や周囲からの身体的虐待、性的虐待」「日本においては(1)(2)を要因とする症例も多い。」と記述されていますので、4月28日の版に戻さないならば、(1)の根拠を詳細に明示してください。Ktmchiさんも「日本の治療者と症例の傾向」で私の指摘と同様の解説を行っていますが、(1)の要因と矛盾していると思いませんか。このままでは「いじめ」が原因であるという、世界から笑われそうな記述が残ってしまいます。
  • そもそも「いじめ」の定義はどういった内容でしょうか。今回の全面リライトによって突然「いじめ」が5ヵ所に使用されていますが、ICDやDSMといった国際機関が定義している疾患に対して曖昧な「いじめ」という概念で説明を行うこと自体ウィキペディアには相応しくないと考えます。仮にDIDの原因として根拠が示せるならば、「意識がなくなるほどの暴力を幼児期に継続的に受ける」といった具体的な説明に書き換えてはいかがでしょうか。
  • 「交代人格」として9項目も記述しているならば、ISHやトレイスの解説も必要ではないでしょうか。DIDを理解する上で重要なのはこの2人格と守られた基本人格、殺意を抱えた怒りの人格、希死念虜に包まれた悲しみの人格です。その他にも猫などの動物もありますが。
  • これほどの膨大な量を記述していながら、なぜ「なりたがり」には触れないのでしょうか。北米と日本を分けていたり、「架空の病気か」という項目まで設けているならば、自称DIDと正しく診断できない精神科医について解説するべきです。Web上の情報を信用し過ぎてはいけない理由のひとつです。
以上です。--YamamotoU2 2011年7月8日 (金) 09:30 (UTC)[返信]
  コメント多数のご指摘を頂きましたので分割してお答え、または質問させて頂きます。
1点目「防衛機制」について
> 十分な知識とともに経験に裏打ちされた文章が必要です。
おっしゃる通りです。改善するためにしばらくおつき合いください。
> 「解離」とは「防衛が破綻し」たのではなく、防衛機制を発揮した結果です。
ここの云いまわしは確かに微妙です。「解離」は防衛機制です。障害ではありません。「別の形の苦痛を生じたり社会生活上の支障まできたす段階」が障害です。その段階では、精神分析の概念としては「防衛機制」ではあっても、本来の意味での「防衛」は破綻しているだろうと思いますが如何でしょうか。
「防衛機制の破綻と解離」の章では「反作用」とか「後遺症」などという言葉も使っています。もちろん医学用語としての「反作用」「後遺症」ではなく、一般用語として使っています。普通の人に判りやすい表現を用いているつもりですが、この点については如何でしょうか。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 05:29 (UTC)[返信]


  コメント  2点目「C-PTSDが主流、DSM-Vでの採用が予想」について
> 現在は「C-PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)」として考えることが主流であり、DSM-Vでの採用が予想されています。
DSM-IVのときもそのような噂がありましたが、リリースされたものは違っていました。DSM-Vが正式にリリースされ、それについての紹介と論評が国内で出回った段階ではこの項目もそれに合わせて更新されるべきだと思います。しかしまだその時期ではありません。
>多くのDID患者にはC-PTSDという診断が下されています
というのはどこの国においてでしょうか。
C-PTSDの側からDIDを理解するのは間違いであると私個人が思っている訳ではありませんし、C-PTSD概念を十分に消化できていないのは確かですが、しかし現段階では「C-PTSDを前提に記述すべき」だとは思いません。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 05:29 (UTC)[返信]


  コメント  3点目「主人格と基本人格」と7点目「ISHやトレイス」について
> 「主人格」と「基本人格」を明確に分けなければ適切な説明は行なえません。・・・「host」と「original」を同じ意味として捉えるのは無理がありますよね。
これについての私のスタンスは「交代人格」の末尾の一文「治療者はそれぞれの治療方針に基づいて様々な分類を行うことがあるが、一般化はできない。」です。その例として注記の17番に町沢静夫先生の呼び方とか、ロバート・オクスナムの本での呼び方をあげています。
> ISHやトレイスの解説も必要ではないでしょうか。DIDを理解する上で重要なのはこの2人格と守られた基本人格、殺意を抱えた怒りの人格、希死念虜に包まれた悲しみの人格です。その他にも猫などの動物もありますが。
猫の人格とか自転車の人格はどうしようかと思いましたが書くのは止めました。
「治療者はそれぞれの治療方針に基づいて様々な分類を行うこと」は当然あるだろうと思いますが、かといって予め席を用意しておいて「貴方はここ、貴方はこちらにお座り下さい」などという治療者が居るのでしょうか。専門家の方のご指摘なので、そういう人も居るのでしょうが。しかしここで「あれ? 椅子がひとつ空いていますね。座るはずの人が居るはずです。呼び出してみましょう」とやったら・・・、交代人格を増やしてしまいます。
逆にどんな交代人格が現れようと、区別をしない治療者も居ます。一番有名なのは『解離性障害の治療技法』の著者.細澤仁先生でしょうか。その細澤先生によると、飛谷渉先生も「精神分析研究」Vol.48 2004,でそのようなことをお書きになっているようです。海外ではあの有名な『イブの3つの顔』の本人、クリス・コナー・サイズモアが自伝を書く頃に頼ったチトス博士も、誰が現れようが「サイズモア夫人」としか呼びかけなかったと思います。こちらは『私はイブ』の何ページにあったのか忘れましたが。
次ぎに、治療者がWikipediaを見て参考にするなどということはありません。YamamotoU2さんのように「変なこと書いてないかな?」とチェックしてくれる方は希有な存在です(是非とも最後までおつき合いをお願いしたいと思います)。Wikipediaで知識を得るのは「普通の人」です。
その「普通の人」にとっては交代人格はこれこれの形が多いがその人の「主観的体験の一部、あるいは性格の一部であるので極めて多様だけど、どんな現れ方をしようがすべてその人なのだ」ということを知ってもらえればそれで十分かと思います。逆に、DIDの身近な人、例えば恋人などが交代人格の分類や、洗い出しなどに熱中することは通常良い結果は産まないと思いますが如何でしょうか。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 12:00 (UTC)[返信]
【追記】それにしても「現在はC-PTSDとして考えることが主流」とおっしゃる方が何故古典的な人格分類にこだわるのでしょうか。そこがとても不思議です。私が「もはやC-PTSDとして考えることが主流」と考えたならバン・デア・ハート(Van der Hart)らの構造的解離理論にのっとって、別人格とは云わずに「あたかも正常に見える人格部分 (apparently normal parts of personality.ANP)」と「情動的人格部分 (emotional parts of personality.EP)」に分けて、そこから説明を始めると思いますが(本文注記15を参照)。もっともその段階ではDSMからDIDという障害名は無くなっているかもしれませんが。---Ktmchi 2011年7月12日 (火) 14:40 (UTC)[返信]
  コメント  4点目「解離性障害に対する記述や資料が多用」について
> 冒頭の説明文をはじめとして、全般的に解離性障害に対する記述や資料が多用されているのは意図的なことでしょうか。・・・「解離性障害」と「解離性同一性障害」を混同してしまいます。
直近5年以内に国内で出版されたDIDについて記述のある専門書、及び専門誌の特集はすべて「解離性障害」、または「解離」をタイトルに持っています。念のため「解離性同一性障害」をタイトルに持っている本をamazonで探しましたが見つかりませんでした。ご存じであればお教えください。
多重人格まで拡げれば、岡野憲一郎先生の『解離性障害―多重人格の理解と治療』(2007年)と『多重人格者-あの人の二面性は病気か、ただの性格か』(2009年)が該当しますが、「出典」の記述では「岡野憲一郎 『解離性障害』 2007年」「岡野憲一郎監修 『多重人格者』イラスト版 2009年」と省略しています。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 12:00 (UTC)[返信]


  コメント  5点目の「いじめ」について
>柴山氏は「学校でのいじめ」がDIDの原因であるとはどこにも記述していませんし・・・
柴山先生の『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』pp.116-118をご覧ください。
>「日本の場合は、(1)いじめ、〜(4)家族や周囲からの身体的虐待、性的虐待」「日本においては(1)(2)を要因とする症例も多い。」と記述されていますので、4月28日の版に戻さないならば、(1)の根拠を詳細に明示してください。
ご指摘の部分は「注3」に書いた通り『こころのりんしょう a・la・carte(特集)解離性障害』Vol.28 No.2のQ&A集の「Q5:解離性障害は、どのような原因で起こると考えられていますか?」によっています。ただし、Q5では(3)と(4)を合わせて虐待とまとめ「家族や周囲からの虐待、性的身体的虐待に限らず、徹底した無視、育児放棄などの行為もトラウマ体験になります」と説明していますが、説明の都合上「虐待」と「ネグレクト」を分けました。これは「コリン・ロスの四つの経路」で「児童虐待経路」と「ネグレクト経路」を分けている、というかロスの段階で「ネグレクト経路」が入ってきたからです。「いじめ」については「学校や兄弟間のいじめなど」とカッコ書きがあります。『こころのりんしょう a・la・carte(特集)解離性障害』でご確認下さい。
>世界から笑われそうな記述が残ってしまいます。
この特集号の編集者は岡野憲一郎、柴山雅俊、奥田ちえのお三方で、特にQ&A集の部分はそのお三方できちんとレビューなさっているはずです。柴山先生のことはご存じのようなので省きますが、岡野先生は数年前までアメリカでDIDの治療に当たっていた方です。奥田先生は日本に戻ってからあまり日が経っていないので知名度はいまひとつですが、国際トラウマ解離研究学会(ISSTD)日本支部を立ち上げるために戻ってきたような人で、国際トラウマティック・ストレス学会(ISTSS :International Society for Traumatic Stress Studies)の元会長 Van der Hart とも親しい、というか彼らの構造的解離理論の本を翻訳中の方です。世界から笑われることはないと思います。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 12:29 (UTC)[返信]


  コメント  5点目の「日本の精神科医」と「催眠療法」について
>幼児期から小児期の性的虐待が最も多い主因だと考えているのが世界の専門家です。催眠療法などの技量を持たない日本の精神科医が本当の原因に辿り着けなかったり、危険を避けて掘り起こそうとしないことでアメリカとの差異が生じています。
日本の治療者はボロクソな云われようですね。アメリカで活動されている方でしょうか。しかしアメリカならなおさら「催眠療法」をいの一番に持ち出すことはおやめになった方が賢明かと思います。偽記憶症候群財団 (FMSF)が「性的虐待の記憶は催眠により引き起こされた医療事故」と息巻いて沢山の訴訟を起こしていますから。正確には親が起こした訴訟を支援しているのですが。FMSFはシュライバーが書いたウィルバー博士の患者の症例「シビル」まで攻撃しています。
「本当の原因に辿り着けなかったり」というような原因の決めつけを治療者がすると、解離傾向にある患者の場合は「本当の原因は幼児期の虐待なのではないか」という治療者の思い込みが、患者への暗示となって「過誤記憶」を生みだします。そして医原性DIDを産んだりします。
【追記】ここの部分はYamamotoU2さん以外には判りにくい事情がありますので補足します。本文中の「周りから見ての兆候」の中に「性格」としてこういうことを書きました。
「(1)幼い頃からおとなしく自己主張出来ない。(2)受け身で依存的である。(3)自分を抑えていて聞き分けがいいよい子であると親の目には映る」。
DIDの下地のある人はだいたい周りからこう見られているようです。自己主張せずに相手を良く見て、相手の動き、気持に合わせます。そういう面では非常に敏感です。主治医がちょっと目を逸らしたり、ため息をついただけで「見捨てられた」と感じるぐらい過敏です。そういう人は、「本当はこうなんじゃないか」とはっきり口にださずとも、言葉の端端からそれを感じ取り、無意識の内にそれに合わせる傾向があります。「読心術って、本当に有るんだ!」と思うぐらい(ただし、DIDの多くはこういう人でも、こういう人のすべてがDIDだと云う訳ではありません)。虚偽記憶とも過誤記憶とも訳されるFalse Memoryが人為的に植え付けられるというのはたいていはこういう場合です。偽記憶症候群については、ある臨床心理士さんがアメリカの留学時代(2000年4月)に書いた「偽記憶症候群をめぐる論争とセラピストの役割」が問題点をうまくまとめています。というより、アメリカでは10年も前から、臨床心理学の学生がそういうレポートを書けるぐらいに情報が出揃っていたということにこそ注目すべきかもしれません。現在の治療者はそういう点に非常に気をつけて接しているはずです。
「コメント 3点目と7点目について」の中で「あれ? 椅子がひとつ空いていますね。座るはずの人が居るはず・・・」と思うことが交代人格を増やしてしまうとか、「恋人などが交代人格の分類や、洗い出しなどに熱中することは通常良い結果は産まない」と書いたこともここに関係があります。
もちろん悪質な場合には「貴女は虐待を受けていたのではありませんか?」「みなさんの中に幼いころ近親者に性的に苦しめられた人がいる」とダイレクトに誘導する場合もあるでしょうがそれは希です。ちなみに後者は本文の中でも触れた1988年のポール・イングラム冤罪事件の発端の一言です。前者は本文の中にも書いた、広告に「近親姦と幼児虐待、それを思い出すことこそ癒しへの第一歩」と掲げたエセセラピストの回復記憶セラピー(RMT:Recovered Memory Therapy)の場合です(一時期のアメリカでは希ではなかったかもしれませんが)。
FMSFが結成されたことには十分に理由が有ります。「シビル」への誹謗中傷さえしなければ、もう少し分別があれば、私も応援していたかもしれません。
もうひとつ。そうした過誤記憶は「火のないところに煙はたたぬ」ではあるのです。ただしその程度は様々で、アメリカの場合にはごく普通に性的虐待を受けただけなのに(凄い言い方ですが)子供の記憶には悪魔的儀式虐待生存者のように記憶が蘇るというレベル(リチャード・ベア 『17人のわたし ある多重人格女性』2007年のケース)から、「パパは私達には厳しかったのに、年の離れた弟だけはあんなにかわいがって。パパはあたし達なんか愛してなかったんだわ!」が原因(おそらく)となって悪魔的儀式で性的虐待を受けたことを思い出す(ポール・イングラム冤罪事件)まで。
悪魔的儀式虐待に結びつくのはテレビとか一部のキリスト教団体とかが散々擦り込んでいるからです。そういうネタを日本にもってきても「アメリカにはオウムみたいな恐ろしいカルトが沢山あるらしい」で終わって、芯から震えあがるということはありませんが。
日本の場合の「火種」はもっと小さい蚊取線香ぐらいのものも多いようです。二人目の赤ちゃんが体が弱く、母親は一人目のお姉ちゃんが聞き分けの良いおとなしい子だったので、ついつい二人目の赤ちゃんに係りっきりになっていたら20年も経って・・・とか。
当初は統合失調症が疑われた初診時25歳の女性が、結婚してから別人格が現れ、一人は隣の家の女の子にいじめられていた10歳の子、もうひとりは職場で苦情電話に苦しめられていた20歳の女性。更に5歳の子供人格が現れ、電話で母親に「弟に愛情を取られる」と云うので、母親が「ママは貴女が一番好きよ」と云ったら涙を流し、夫と母親がその子供人格の「愛着欲求」を満たすべく接しているうちに「薄皮を剥がすように」直っていったとか。
後者は柴山先生の『解離性障害』の冒頭「症例エミ」です。だいぶネグって記憶だけで書いていたんですが、記憶って当てにならないですね。修正しました。「回復記憶」もこんなものです。そう言えばここにも「いじめ」が出てきます。このケースの柴山先生の診断名は「特定不能の解離性障害」ですが、他の先生ならDIDと診断すると思います。
他には親に虐待されていたと主治医に訴えていたDID患者が、直りかけたら「何であんなことを云ったのか自分でも判らない」と言い出したりとか。本文では一々書きませんでしたが、参考文献に目を通していただければそうした事例はいくらでも出てきます。


YamamotoU2さんのおっしゃることはまるでFMSFが攻撃しているRMT(回復記憶セラピー)のように聞こえます。wikipediaの別記事「虚偽記憶」によると、RMTは[[アメリカ心理学会[[ではほとんど支持を失ったそうです。アメリカの治療者はFMSFの攻撃に曝され続けてウンザリしているだけでなく、意図的であろうがなかろうが、過誤記憶は生まれることを知っています。例えば本文注記45と46をご覧ください。過誤記憶であった場合、それによって突然糾弾され家庭崩壊・一家離散となった親の苦痛はFMSFのいう通りなのですから、現在の治療者はそういう点に非常に気をつけて取り扱っているはずですが如何でしょうか。
パトナム が1998年には「催眠と解離との関係はほとんどない」と云うようになったのは、「外傷-自己催眠仮説」「解離連続体仮説」から離散的行動状態モデル (病的解離モデル)にシフトしたからというのもあるかもしれませんが、私は密かにFMSFの件を勘ぐっています。
日本で入手可能な、最近のアメリカの治療者の見解で私が注目しているのはロバート・オクスナム の治療者、ジェフリー・スミスの「DID(解離性同一性障害)治療の理解」です。最近と云ってももう6年前になりますが。彼も(FMSFを気にしてではなく)催眠には否定的です。その論文はロバート・オクスナム の『多重人格者の日記-克服の記録』 の最後にエピローグとして収録されています。p.315 をご覧ください。もっとも日本の精神科医が催眠を使わない訳でも、わたしが催眠を否定している訳でもありません。ただし「一歩間違えるとかなり危ない」とは思っています。
YamamotoU2さんは「除反応」と「催眠療法」をワンセットにされているように想像しますが、そうなのかどうかお答えください。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 18:54 (UTC)---(7月13日追記)[返信]


  コメント  6点目の「意識がなくなるほどの暴力」について
>仮にDIDの原因として根拠が示せるならば、「意識がなくなるほどの暴力を幼児期に継続的に受ける」といった具体的な説明に書き換えてはいかがでしょうか。
同意できかねます。それでは「関係性のストレス」の説明がつきません。それどころか、ロスの「ネグレクト経路」すら否定することになります。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 19:17 (UTC)[返信]


  コメント  8点目の「自称DIDと正しく診断できない精神科医」について
>これほどの膨大な量を記述していながら、なぜ「なりたがり」には触れないのでしょうか。北米と日本を分けていたり、「架空の病気か」という項目まで設けているならば、自称DIDと正しく診断できない精神科医について解説するべきです。Web上の情報を信用し過ぎてはいけない理由のひとつです。
「DIDと正しく診断できない精神科医」ならアメリカにも日本にも沢山居ると思いますが、日本では自称DIDの症例報告を見たことがありません。Web上の情報ではなくて印刷された専門書・専門誌の情報においてです。「ありゃごっこ遊びだよ」と陰口をたたく人が居るらしいことは聞いたことがあります。あとは司法精神医学系の方にはそういうことをおっしゃる先生がいらっしゃるかもしれません。例えば2005年に『司法精神医学と犯罪病理』をお書きになった中谷陽二先生ですが、私はその本を読んでいません。
「自称DIDと正しく診断できない精神科医について」御教示いただければ幸いです。ただし最近の事例でお願いします。「虚偽記憶」騒動の頃の話ではあまり参考にはなりませんので。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 19:17 (UTC)[返信]


  コメント この「査読依頼」の掲載期間は原則7月10日 (日) 04:34 (UTC)まででしたが、YamamotoU2さんから 7月8日 (金) 18:32にコメントが寄せられましたので、最低でも7月18日 (月) 18:32まで掲載期間が延長されました。最後のコメントが私の分まで含むのなら、最低7月20日 (水) 05:16までの延長です。あまり時間はありませんが、YamamotoU2さん始め、他の方のコメントも奮ってお願いします。---Ktmchi 2011年7月9日 (土) 20:16 (UTC)[返信]


  コメント長文なだけでなく、論点のすり替えばかりで閉口してしまいました。どれだけ資料から都合良く切り貼りしても、百科事典としての内容は形成されていません。百科事典ですから長文が良いわけでもなんでもありません。非常に良く勉強されているとは思いますし、適切な解説を含んでいるとも思います。しかし、ウィキペディアの役割と解離性同一性障害のページであることをお考えください。私が提示した疑問点にはほとんどお答えになっておりませんので、改めてご自身で2011年4月28日の版に戻すことを要請します。理由は下記の通りです。--YamamotoU2 2011年7月15日 (金) 09:17 (UTC)[返信]
  • 「全面」リライトの正当な理由が示されませんでした。ウィキペディアは集合知です。一個人の主観を社会にアピールしたいのであれば、自分で場をお作りください。また、講義を行う場でもありませんので私は付き合うつもりはありません。解離という防衛機制に対する理解も不十分です。「云いまわし」の問題でも何でもありません。解離とは防衛行動そのものであり、解離性同一性障害では命を守るために、発狂しないために意識を切り離しています。自分の存在を賭けたギリギリの状況で、本能的に選択せざるを得なかった解離に対して、「破綻」という考えを貫かれることに驚きました。DID当事者の恐怖、哀しみ、怒り、痛み、絶望、屈辱、喪失感に思いが至れば、「破綻」などという言葉は出てきません。
  • DSM-Vで採用されようがされまいが、C-PTSDという解釈によってDIDの様々な精神的及び肉体的な反応を解説できるのです。PTSDとC-PTSDの違いも十分に理解されていないようです。「どこの国においてでしょうか」という質問の答えは「日本です」。C-PTSDによって納得感が得られるという感覚は、書物を読んだだけでは分からないでしょう。
  • 用語の説明が必要だという私の主張に対して、一般化できないとか誰さんは同じ名前で呼んでいたとか、僅かな意見や診療方法で答えられていますが意図が分かりません。百科事典を利用する方にとって用語の説明がなければ基本的な仕組みや役割が理解できないと思います。Ktmchiさんのお答えは全面書き換えによって用語をなくした理由になっていません。
  • 解離性同一性障害のページですから、解離性同一性障害に対する解説が明確に行なわれなければ意味がないですよね。出版物の題名について論じる意味が理解できませんし、混同した解説になっても仕方がないという理由にはなりません。ピーマンの説明をするのに「野菜はこうだから」と主張されているようなものです。
  • 柴山氏の『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』pp.116-118では、解離性障害について確認された状況にいじめがあると書かれているのではありませんか。DIDはいじめが「原因」であるとは、どこにも記述がありません。性的、肉体的、情緒的な虐待が行なわれる機能不全家族に育ち、問題だらけの親のコミュニケーションをモデルとせざるを得なかった子供が、コミュニケーション能力に問題を抱えていじめの対象にされているだけです。先週、柴山氏は「DIDの主な原因は90%が性的虐待である」と発言されたそうです。「学校のいじめがDIDの原因であると柴山氏が記述している」とウィキペディアに書かれていることを知ったら、憤慨なさるでしょうね。Ktmchiさんは、いじめにおいても「解離性障害」を利用して「解離性同一性障害」の原因だと主張されています。
  • 「いじめ」の定義も示されておりません。「気を失うほどの暴力」というのはいじめを具体的に記述する例示をしたまでです。最初からネグレクトの話はしておりません。世界から笑われるのは、現在の記述がある日本のウィキペディアでありKtmchiさんです。Ktmchさんが受ける評価について私は気にしませんが、日本の集合知が笑われることは避けたいです。ちなみに世界の専門家に日本人が含まれないとは一言も書いておりませんが。
  • 日米の差異の説明に催眠療法を使用しただけで、特に是非を論じているつもりはありません。主人格の意識が弱くなったとき(入眠時やストレスが高じた時など)に出てきやすいと交代人格達は話しています。主人格の意識を弱めるために用いるのであり、誘導することが目的ではありませんので過誤記憶まで言及されては困ります。封印していた訴えを聞くための一つの手法としてアメリカでは使っているのではないでしょうか。DIDとなった原因に辿り着くためには、信頼関係の構築が欠かせません。DID当事者は生育歴によって人を信頼できないのですから、何年もかかることが普通です。信頼関係を構築できれば、各人格は自ずと主張します。Ktmchiさんの記述は、原因として十分な精査が行なわれていない日本の結果を拡大解釈している、と私には受け取れます。
  • 主に岡野氏が提唱されている関係性のストレスは、簡単に言えば母親の過干渉であり、それが日本の文化に根ざしているというものです。先日の文章では、私は一切触れておりませんが。
  • 「なりたがり」はWebを中心としていますが、紙の出版物しか情報として認めないのならば、なぜウィキペディアに記述されるのでしょう。ブログを書いている「なりたがり」と思われる方々は、アニメの主人公のような名前を各人格に付けて、DIDという診断を誇らしげにプロフィールに入れています。このような現象はDIDに対する誤解の元であり、Ktmchiさんが削除した様々な出版物と変わらないのではありませんか。「なりたがり」に触れるべきというのは、これほど文章を書くなら百科事典の利用者に注意を促す必要があると考えたまでです。
  • 「DIDの原因は学校のいじめ」にあるという主張は、ある係争中の裁判に大きく関連しています。ウィキペディアは何の証拠にもなりませんが、きちんと理解しようとしない多くのマスコミが参照した可能性は高いです。Ktmchiさんは判決が出る2週間前に、一方的な「全面」書き換えを行ないましたが、そのことで世論が操作された可能性もあります。また、今回のご回答を読む限り、DIDの原因は「いじめが一番多い」としたい理由があると受け取れます。--YamamotoU2 2011年7月15日 (金) 09:17 (UTC)[返信]
  コメントKtmchiさんがご自身で2011年4月28日の版に戻されないのであれば、私が戻します。ウィキペディアとして必要な手続きを踏み、理由を述べているつもりです。Ktmchiさんはブログで名前や顔写真を公開されていますので、あえて信用を傷付けたくないのですが、状況によってはやむを得ないと考えております。以上です。--YamamotoU2 2011年7月15日 (金) 09:17 (UTC)[返信]
  コメント 1点目
> 解離とは防衛行動そのものであり、解離性同一性障害では命を守るために、発狂しないために意識を切り離しています。自分の存在を賭けたギリギリの状況で、本能的に選択せざるを得なかった解離に対して、「破綻」という考えを貫かれることに驚きました。
DIDとの文脈において防衛の破綻と直接述べている文献がまだ見つかりませんので、その点は表現を変えても良いかと思います。
ただしその前に次ぎの点についてお答えください。「防衛機制の破綻」とか「防衛機制が破綻」「破綻した自己防衛機制」「防衛破綻」あるいは「防衛機制から病的な不適応症状が表面化」というような言い方は精神医学・臨床心理学の世界ではまったく使われないのでしょうか。


  コメント 2点目
> DSM-Vで採用されようがされまいが、C-PTSDという解釈によってDIDの様々な精神的及び肉体的な反応を解説できるのです。
ここはウイキペディアですのでそれではこまります。DSM-Vで採用云々はYamamotoU2さんが言い出されたことですし。
> 「どこの国においてでしょうか」という質問の答えは「日本です」。
症例報告では見たことがないように思います。統計にも。「多くのDID患者にはC-PTSDという診断が下されています」「C-PTSDを前提に記述すべきです」というの文脈の中ではもはやそれが多数派とおっしゃっているように聞こえますが。検証可能な出典を伴うお答えでお願いします。
> C-PTSDによって納得感が得られるという感覚は、書物を読んだだけでは分からないでしょう。
ここはウイキペディアですので個人的な「納得感」だけでは困ります。「一個人の主観を社会にアピールしたいのであれば、自分で場をお作りください」とおっしゃったYamamotoU2さんのお言葉とはおもえません。


  コメント 3点目
> 用語の説明が必要だという私の主張に対して、一般化できないとか誰さんは同じ名前で呼んでいたとか、僅かな意見や診療方法で答えられていますが意図が分かりません。百科事典を利用する方にとって用語の説明がなければ基本的な仕組みや役割が理解できないと思います。Ktmchiさんのお答えは全面書き換えによって用語をなくした理由になっていません。
内的自己救済者(ISH)にえらく執着されていますが、パトナムやアリソンがそれを云っていることは知っています。しかしここ5年の間の索引のある6冊の専門書(専門誌には索引はありません)で索引に出てきたのは1冊だけです。それもパトナムの、とかアリソンの、であって治療者が誰でも使う一般用語のあつかいではありません。更に「このような存在が出現することはそれほど多いとはいえないが」です。この記述は柴山先生の『解離の構造』 2010年 p.143です。以上、内的自己救済者(ISH)の説明をすることによってDIDの「基本的な仕組みや役割」を説明している本は一冊もありませんでした。


  コメント 4点目
> 解離性同一性障害のページですから、解離性同一性障害に対する解説が明確に行なわれなければ意味がないですよね。・・・混同した解説になっても仕方がないという理由にはなりません。
「解離性障害に対する記述や資料」とありましたので、資料=参考文献についてまず述べました。「直近5年以内に国内で出版されたDIDについて記述のある専門書、及び専門誌の特集」ですので西村良二編・樋口輝彦監修 『解離性障害』 (2006年)以降の一般書を除く8冊です。専門書ではないからと除外した4冊もかなり参考にしていますが。
解離性障害と解離性同一性障害は並列ではなく包含関係です。解離性障害と解離性同一性障害を切り離して論じる治療者を私は見たことがありません。それはその8冊をご覧になればお判りになると思います。
  コメント 5点目
> 柴山氏の『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』pp.116-118では、解離性障害について確認された状況にいじめがあると書かれているのではありませんか。DIDはいじめが「原因」であるとは、どこにも記述がありません。
岡野憲一郎 『解離性障害』 2007年 p.178 鼎談での柴山先生は「・・・だから直接的な外傷体験というよりも、家族の中での居場所が無いということが僕はかなり重要なものだと思います。もうひとつは学校でのいじめです。これはアメリカではどうかわかりませんけれども、それもまた居場所がないという意識と関連しています」とおっしゃっています。
更に付け加えるなら、町沢静夫先生の 2003年の報告にもいじめが出てきますが、それが載っていた 『告白 多重人格―わかって下さい』pp.24-30のタイトルは「いじめや虐待、父母の別離がトラウマになる--私が見た解離性同一性障害の外傷体験」です。こちらも出典をつけてありましたが、言及がないのは何故でしょう。
> 性的、肉体的、情緒的な虐待が行なわれる機能不全家族に育ち、問題だらけの親のコミュニケーションをモデルとせざるを得なかった子供が、コミュニケーション能力に問題を抱えていじめの対象にされているだけです。
こういう見解は始めて聞きました。出典を教えて下さい。
> 先週、柴山氏は「DIDの主な原因は90%が性的虐待である」と発言されたそうです。
それは興味深いですね。これも出典を教えて下さい。「DIDの主な原因は90%が性的虐待である」というのはアメリカでもロスの1990年の統計報告だけだと思います。
岡野憲一郎 『解離性障害』 2007年 p.178 鼎談で柴山雅俊先生は「基本的にはアメリカなどと比べると直接的な性的外傷体験は少ないと思うんです。軽いのはありますけどかなり酷いものは少ない・・・諸外国の報告ほど酷くはないです」とおっしゃっていましたが、見解を変えたのでしょうか。
> 「学校のいじめがDIDの原因であると柴山氏が記述している」とウィキペディアに書かれていることを知ったら、憤慨なさるでしょうね。Ktmchiさんは、いじめにおいても「解離性障害」を利用して「解離性同一性障害」の原因だと主張されています。
まずもって「学校のいじめがDIDの原因であると柴山氏が記述している」と私が何処に明記したのでしょうか。「日本での報告」の柴山先生の部分には「柴山雅俊 『解離性障害』 2007年 p.117、なお調査対象はDIDを含む解離性障害者であり」と注をつけています。
柴山先生はこのp.117でも「解離の中でも解離性同一性障害における性的外傷体験の割合が特別に高いわけではなく、日本では北米に比較して性的外傷体験は少ないことは確かだろう」とおっしゃっています。ここでは解離性障害全般ではなくはっきり解離性同一性障害とおっしゃっています。この部分、今回読まれたはずですよね。何で無視されるのでしょうか。


  コメント 6点目
> 「いじめ」の定義も示されておりません。「気を失うほどの暴力」というのはいじめを具体的に記述する例示をしたまでです。最初からネグレクトの話はしておりません。
「いじめ」の定義は柴山先生と町沢先生、そして『こころのりんしょう a・la・carte(特集)解離性障害』Vol.28 No.2のQ&A集の編者、執筆者にお聞きください。私が言い出したことではありませんので。それと、お書きになったのは「意識がなくなるほどの暴力を幼児期に継続的に受ける」ですね。それなら「虐待」ではありませんか? 「幼児」のいじめで「意識がなくなるほどの暴力」はあまり聞いたことがありません。中学生、高校生でもそこまでいくといじめの範囲を超えていませんか?


  コメント 7点目
> 日米の差異の説明に催眠療法を使用しただけで、特に是非を論じているつもりはありません。主人格の意識が弱くなったとき(入眠時やストレスが高じた時など)に出てきやすいと交代人格達は話しています。
貴方がおっしゃったのは
> 催眠療法などの技量を持たない日本の精神科医が本当の原因に辿り着けなかったり、危険を避けて掘り起こそうとしないことでアメリカとの差異が生じています。
です。従ってアメリカとの差異、特にアメリカの事情について述べました。「催眠療法などの技量を持たない日本の精神科医」との決めつけがどこから出てくるのか是非ともお聞かせください。


  コメント 8点目
> 主に岡野氏が提唱されている関係性のストレスは、簡単に言えば母親の過干渉であり、それが日本の文化に根ざしているというものです。先日の文章では、私は一切触れておりませんが。
何で触れなかったのでしょうか。以前のバージョンでも触れていません。関係性のストレスという概念は「解離を生むようなストレス」は何か、という問いかけから始まり、「投影や外在化の抑制」として、ファインケルホーの「性的虐待が外傷として働く4つのダイナミズム(力動)説」まで巻き込んで論じられているものです。「母親の過干渉」は確かに関係性のストレスですが、岡野先生はそれだけが関係性のストレスだと云っているのかどうかは私には判りません。むしろ柴山先生の「安心していられる場所の喪失」と同じことの裏表と考えればすっきりするのですが、いずれにせよ旧版ではそのどちらにも全く触れてはいませんでした。あったのは「虐待」「性的虐待」だけです。Siekさんの質問にも誰も答えてはいませんでした。


  コメント 9点目
> 「なりたがり」はWebを中心としていますが、紙の出版物しか情報として認めないのならば、なぜウィキペディアに記述されるのでしょう。ブログを書いている「なりたがり」と思われる方々は、アニメの主人公のような名前を各人格に付けて、DIDという診断を誇らしげにプロフィールに入れています。
DESの得点傾向でも持ち出すのかと思っていました。ウィキペディアではWeb上にしか現れない傾向に「紙の出版物」、あるいは身元の確かなサイト以外を根拠として論評することは「独自研究」になると思いますが如何でしょうか。DIDの治療に当たっている方が、自分の患者もブログを書いでいるとおっしゃっているのは知っています。「なりたがり」=「偽物・詐病」でなければ見分ける必要もないと思いますが、貴方はそのブログを書いている方々の診察をしたうえでそうおっしゃっているのでしょうか? そうでなければ「独自研究」以前に、それらの方にとても失礼な決めつけだと思いますが如何でしょうか。


  コメント 10点目
> 「DIDの原因は学校のいじめ」にあるという主張は、ある係争中の裁判に大きく関連しています。ウィキペディアは何の証拠にもなりませんが、きちんと理解しようとしない多くのマスコミが参照した可能性は高いです。Ktmchiさんは判決が出る2週間前に、一方的な「全面」書き換えを行ないましたが、そのことで世論が操作された可能性もあります。
その裁判のことは全く知りませんが、マスコミ云々とありますので、何処でどういう記事が出たのか検証可能なかたちで示してください。
> また、今回のご回答を読む限り、DIDの原因は「いじめが一番多い」としたい理由があると受け取れます。
「いじめが一番多い」というのは「解離を生むストレス要因」の(1)~(5)のことでしょうか? 何度も申し上げているようにそれは 『こころのりんしょう a・la・carte(特集)解離性障害』での順番です。既に申し上げたように「虐待」と「ネグレクト」を分けた以外は順番を変更していません。『こころのりんしょう』の該当部分では比率については触れていません。触れているのなら「日本での報告」に含めています。
もうひとつご指摘の柴山先生の部分では注記9でそれぞれの比率を引用し「統計学的に有意差が認められるのは「両親の不仲」だけであった」と書いています。「いじめが一番多い」とはここからは誰も思いません。
さらにもうひとつの「いじめ」は「日本での報告」にあげた町沢先生の2003年の報告ですが、1番目でなく3番目です。
私が何処で「DIDの原因はいじめが一番多い」と書いているのでしょうか。お答えください。


  コメント
> Ktmchiさんはブログで名前や顔写真を公開されていますので、あえて信用を傷付けたくないのですが、状況によってはやむを得ないと考えております。
ブログではなくてHP、正式にはWEBサイトです。それにしても色々お調べになったようでなんか怖いですね。HPには娘の写真までありますし。
しかしこちらはYamamotoU2 さんのことは全く判りません。2011年4月28日の版と何度もおっしゃっていますが、何でそんなに旧版にこだわり新版全否定をなさるんでしょうか。旧版の執筆者にYamamotoU2 さんのお名前は見えませんし、そもそもこのアカウントで投稿されているのは査読依頼のこのページだけです。
全面改定の理由は「ノート:解離性同一性障害」の「 2011年5月10日 (火) 12:57 Ktmchi (会話 | 投稿記録) (21,156バイト) (→全面リライトを行いました: 新しい節) 」をご覧ください。約1ヶ月後に短縮していますが。それにここ査読依頼でのアドバイスを受けて「治療機関」「身近な人の理解を助ける書籍」の章は消えましたが。
ポイントは今回の議論で大体出ています。
「北米での研究自体が、1990年代を境に変わってきています。それらを踏まえ、現在の日本の治療者の見方を中心にまとめなおしています。」です。基本「本人にとっての」「周りから見ての」DIDの兆候は書いても「医師にとっての兆候」など除外しています。医師やセラピストの卵だって、ちゃんと専門書で勉強すべきです。まあ最近の研究書一覧としては少しは参考になるかもしれませんが。
しかしこの査読依頼のページは長い議論を想定していないつくりなのでそろそろ読みずらくなっています。更新もしにくいし。期間が終わればほとんど誰も見ないだろうし。
というので、タイミングをみて「ノート:解離性同一性障害」の方へ移動しようと思うのですが如何でしょうか。
(以上コメント1~10+1は---2011年7月17日 (日) 02:28 Ktmchi の投稿です)


【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価頂いた結果。
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
【感想】 ──専門外の方による感想。
  コメント力作ですが、いくつか問題点が見受けられます。専門外ですが、気付いた点をコメントします。
  • 意図について。患者さんやその周囲の方々にとって有益な情報という意図は崇高なものだと思いますが、ウィキペディアはあくまでも百科事典であるという点に注意してください。
  • 出典について。すでに大量の出典が示されているのでこれ以上を要求するのも気が引けるのですが、まだ出典不足の部分があると思います。「軽度または一時的な解離」「本人にとっての兆候」「治療機関」など、一部の節にはまったく出典がありません。「宮﨑勤事件」でのマスコミの扱いなどは、出典を示すのが難しい内容だとは思いますが、ともすれば独自研究になりがちな内容でもあるので、何とか出典を示していただきたいと思います。「理解を助ける作品」でフィクションでの安易な取り上げ方を批判していますが、この部分も独自研究とみなされないためには出典が必要です。他にも、「~が重要である」「~が多い」「~しがちである」のような表現には、極力出典があるべきだと思います。
  • 冒頭について。冒頭がいきなりDSM体系の説明から始まりますが、これではすでに精神医学の知識のある読者にしか理解できません。導入部にはむしろ、この病気がどのような病気なのか、非専門家にもわかる簡潔な定義があるとよいと思います。WP:LSを参照してください。
  • 「身近な人の理解を助ける書籍」について。はじめに書いたようにウィキペディアはガイドブックではなくあくまでも百科事典であることから、この節の書き方はよくないと思います。また、書籍の選定が独自研究にあたってしまう可能性もあります。たとえば、参考文献節に組み込んだうえで、「誰々は以下の書籍を、患者の周囲の人が読むべき書籍として薦めている」といった書き方に(出典を伴って)することはできないでしょうか。
以上です。--Trca 2011年6月12日 (日) 08:18 (UTC)[返信]
ウィキペディアはあくまでも百科事典であるというアドバイス有難う御座います。
  • まず、「身近な人の理解を助ける書籍」の章は削除しました。ここの部分はおっしゃるとおりガイドブック的です。
  • 「治療機関」は出典をつけることは可能ですが(大学病院云々は確か岡野先生がその著書で云っていたと思います)でもガイドブック的かもしれません。
  • 「宮﨑勤事件」には出典をひとつ追加し、記述を単純化して最後の一文も削除しました。あの部分は個人的な憤懣と云われてもしかたありません。
  • 冒頭の件は実は困っていたんです。概要の前に何か一文を置かないと目次がえらい下になってしまうしと。WP:LSの「「概要」節を作る場合、「概要」節の内容は導入部における説明とある程度重なっても構いません」という部分には少なくとも今回は気がつきませんでした。それならばなんとか書きようがあります。御教示ありがとう御座います。ただ、ここの部分の修正はしばらく時間を下さい。
  • 「軽度または一時的な解離」「本人にとっての兆候」に出典を付けることは可能です。ただ、「本人にとっての兆候」で意図的に書かなかった部分もあります。「頭痛」です。それをどうするかも含めてしばらく時間を下さい。
  • その他、「宮﨑勤事件」もその一部ですが「その他の争点」て必要ですかね? 「北米特有の現象」「架空の病気」「宮﨑勤事件」はリライト以前の稿で触れていたので踏襲したのですが。何でこんなこと書かなきゃなんないんだろうという思いと、ちゃんと書いておかなければという思いで揺れ動いていました。
とりあえずお礼を兼ねて途中経過のご報告まで。他にも気になる点があればご指摘ください。--Ktmchi 2011年6月13日 (月) 16:43 (UTC)[返信]
導入部を差し替えました。他の点はお時間を下さい。---Ktmchi 2011年6月14日 (火) 15:40 (UTC)[返信]
以下の点について修正も行いました。
  • 「軽度または一時的な解離」「本人にとっての兆候」について脚注、及び注記を追加しました。「本人にとっての兆候」で「頭痛」を書かなかったという件は、その直前の「軽度または一時的な解離」の中で「DIDとみなされるのはうつ症状や頭痛、原因の解らない不安・・・」と書いていたのでこれでよしとします。
  • 「治療機関」は項目としては削除し、「本人にとっての兆候」の中にどの本にそれについてのページがあるというような形で触れました。大学病院云々はその本のそのページに書いてあるので、必要な人はそこで見つけることが出来ます。
  • 個人的見解と思われそうなところは、言い回しを変えるか、出典・注記を加えました。
他に気になる点(文章のつながりなども含めて)御座いましたらご指摘ください。---Ktmchi 2011年6月19日 (日) 17:27 (UTC)[返信]
【その他】 ──表記・文体など
  コメント 少しですがコメントさせていただきます。
  • 「尚本稿で何もことわらずにDSMと呼んだ場合はDSM-IV-TRを、DSM旧版と呼んだ場合はDSM-III-Rを指す。」としていますが、本文中でDSM-IVと表記している部分や、DSMをDSM全般として記載していると思われる箇所があり混乱を招く可能性もあります。DSM-V発表の予定もそう遠くないようですので、拡張性も考えると略さず表記したほうがいいのではと思いました。
  • 注釈と出典が混ざっていますので、<ref group="注"> を使って分けたほうが良いと思います。
  • 「なお」が「尚」となっている箇所が数箇所ありました。参考:Wikipedia:表記ガイド#仮名書き
以上です。--Nanamiblue 2011年5月12日 (木) 10:11 (UTC)[返信]
アドバイス有難う御座います。「DSM」と「尚」の件は修正しました。<ref group="注">というものは知りませんでした。見よう見まねでやってみましたが、「注記」の出典の脚注(?)化はうまくいかないのですね。その部分だけは「注記」に含めました。修正ミスもまだあるかもしれません。(--Ktmchi 2011年5月12日 (木) 15:25 (UTC)[返信]
専門家ではないのでこちらに書きます。私の知識では専門的な議論に加わることはできませんが、4月28日の版に戻すのは反対です。Ktmchiさんによる改訂以前の版では、出典がほとんど示されていないためです。出典があるから、いまYamamotoU2さんがなさってるように、出典に基づく記述として妥当かどうか議論できるのです。YamamotoU2さんには、Wikipedia:検証可能性Wikipedia:出典を明記するWikipedia:信頼できる情報源をお読みになることをお勧めします。それから、Ktmchiさんのおっしゃる通りすでに査読依頼で議論するには量が多すぎると思いますので、YamamotoU2さんが同意していただけるのであればノートに移るべきでしょう。専門的な議論を喚起できたというだけでも、この査読依頼は充分に役目を果たしたと思います。この議論が不毛な喧嘩に終わらず、複数の観点を取り込んだ中立的な記事の作成に貢献することになることを望みます。--Trca 2011年7月17日 (日) 00:21 (UTC)[返信]

元々の査読期間を過ぎ、かつ査読依頼ページが長くなりすぎましたので、こちらを閉じて、ノート:解離性同一性障害に議論の場を移動いたします。 更新しやすいように元のコメント単位に項目を分解しました。それぞれの項目にコメントを付けて頂いてかまいません。勿論全体についてでもよろしいですが。 人様の発言まで移すわけにはいきませんので、YamamotoU2さんの発言は項目だけ作ってここへのリンクを貼っておきました。YamamotoU2さんご自身が移動される場合はその場所にお願いします。Nanamiblueさん、Trcaさん、貴重なアドバイス有難う御座いました。---Ktmchi 2011年7月19日 (火) 09:53 (UTC)[返信]