Wikipedia:特筆性/改善案「収録項目の基準」

この文書は、ある事物や人物、概念などが、単独の項目(単独記事)としてWikipediaに収録されるに値するかどうかの、ひとつの基準を示すものです。

ウィキペディアは百科事典であり、自己宣伝や広告活動の場ではなく、また用例集、あらゆる事象の名鑑・人名録、販売カタログ、あるいは情報を無差別に収集する場ではありません検証可能性を満たし、独自研究を避け、中立的な観点から書かれていることが求められます。これらの方針を満たした記事が書けないのならば、その主題は、単独の項目にすることはできません。

ある主題を単独の項目として百科事典に収録すべきかどうかという判断は、その主題が有名で、重要で、特筆すべきだといった主観によるものになりがちです。ウィキペディアでは、百科事典に収録すべきだという、あなた自身の考えやウィキペディアの参加者の主張で判断するのではなく、有名であったり重要であったりすることを示すだけの有意な言及がある外部の信頼できる情報源を提示することで、収録すべきかどうかの判断をします。

他の方針やガイドラインから大きく逸脱しないものであれば、この文書で示される#一般的なガイドライン、もしくは各分野でのガイドラインの基準のいずれかを満たすことで、その主題は単独の項目として、収録しうるものと考えられます。もし、この基準に合致する情報源が得られない場合は、より大きな範囲を主題とする項目の中で触れることを検討してみてください。

一般的なガイドライン 編集

もし、記事の主題が百科事典で取り上げるだけの価値があるものならば、その記事で書かれる対象から独立した信頼できる情報源で有意な言及があるはずです。そうした言及が得られる場合、その項目を単独記事としての収録基準を満たすと考えます。

  • 記事の主題」とは、項目名そのもの、つまり独立した項目で書かれる事物や概念のことです。
  • 対象から独立した」という条件は、例えば宣伝や広告、自叙伝、プレスリリース等、自主的に公表した情報源や、その主題と関わりのある立場から公表された情報源を除外するものです。
  • 信頼できる」とは、ある記述が事実かどうかという点よりも、編集上の完全性・自立性を保持していることが重視されます。
  • 情報源」は、二次資料でなければなりません。基準を満たすための客観的な証拠となるのは、ウィキペディアの執筆者の判断を必要とする一次資料ではなく、対象から独立していて信頼できる執筆者や編集者、査読者などの判断を経た二次資料だからです。必要とされる情報源の性質およびその数は、その情報源の言及の深さや質により変わります。一般的には、複数の情報源があったほうがよいでしょう。
  • 有意な言及」とは、記載しようとしている話題について、その情報源が直接的かつ詳細に述べていて、独自研究的な解釈に拠らなくても、その話題に関する内容が読み取れることを意味します。有意な言及とは「取るに足らない言及」以上ですが、もっぱらその主題を扱う記事である必要はありません。
  • 考えられる」とは、個々の編集者の収録の基準に合致しないとしても、ウィキペディアでは、百科事典に単独記事として収録するにふさわしい基準をクリアしていると考えられる、ということです。ただし、この基準を満たすことだけで収録が保証されるとは限りません。例えば、ここに述べられている基準に合致していたとしてもWikipedia:ウィキペディアは何ではないかに反し、単独記事とするにふさわしくないと執筆者間で合意されることもあるでしょう。

情報源についての補足 編集

中立的な記事を書くことができることを保証するために、中立的な情報源が存在していなければなりません。自己宣伝は明らかに中立的ではないですし、自主公表された情報源は、故意でなくとも、しばしば偏っています。

収録の可否を判断する上で考慮するポイントは、その主題そのもの、あるいはその生産者、作者、著者、発明者、販売者から独立した人々が、利益、宣伝、あるいはその他の話題に関する事柄に関連付けられる人々からの影響なしに、その話題に焦点を当てて、瑣末ではない仕事として取り上げ、公表するに十分値すると実際に考えたかどうか、にあります。

一つの情報源のみを利用する場合は、その情報源が検証可能で、中立的な観点に基づいていて、信頼でき、その記事に対して包括的かつ詳細な情報を提供している必要があります。複数の情報源がない場合、より広い事象を説明している項目のなかで触れる、あるいはその記事へ統合することを検討してください。

電話帳やカタログ、スケジュール表などは、信頼に値するものであっても、収録基準を満たすことを示すためには用いることはできません。

企業や有名人の所属事務所の公式ページや社史、パンフレットなどは、その内容について信頼できることもありますし、使用マニュアルなどのように宣伝的な意図を持たないものもありますが、収録基準を満たすことを示すためには用いることはできません。

複数の情報源であっても、単一の組織や著者によるものは、一つの情報源として扱われます。通信社からの記事を複数の新聞が掲載しているような場合や、プレスリリースや記者会見など同一の情報源に基づいた情報を単に伝達しているだけの小さな記事でを複数のメディアが報じている場合が、これにあてはまります。

単独の出来事や話題、とりわけ一つの事柄で知られる存命人物については、一時的に多くの報道がなされたという以上のものが必要です。日常的な報道やタブロイド紙の報道は、単独記事を構成する基礎とはなりません。

ガイドラインを満たしていない記事 編集

この基準を満たさない記事は、その記事に書かれていた記述内容が有用ならば、より広い事象を説明している項目のなかで触れたり、他の記事へ統合したりすることを検討してください。それが無理な場合、その記事はそのうち方針に基づくコミュニティの判断によって削除されます。

ただし、ガイドラインが示す基準を満たしているかどうかを判断する際には、今の記事が基準を満たしているかどうかだけではなく、基準を満たせるのかどうかを考えることも重要です。百科事典に当然あるべき項目で、本当は基準を満たす情報源が得られるのに、情報源が示されていないだけかもしれません。適切な二次資料が見つけられそうならば、誰かに探すことを要求するのではなく、まずは見つけられそうだと考えた利用者自身でそれを探すことを試みてください。それが無理なら、項目の執筆者や、関連記事やプロジェクトで詳しそうな人に声をかけてみたり、「ほげほげ(特筆性)」タグを記事に付与して他の執筆者や閲覧者に知らせることもできるでしょう。

しかし、利用者が、単にそのような証明を与えることのできる情報源が「ある」と主張するだけでは説得力はありません。また、将来、この基準を満たすかもしれないという推測に基づいて記事が作られるべきではありません。時間が経過した後にでも基準を満たすという証明が記事上に現れないような場合は、削除の依頼をしてください。方針に基づくコミュニティの判断と管理者の操作によって削除されます。

順序入れ替え版 編集

ガイドラインが示す基準を満たしているかどうかを判断する際には、今の記事が基準を満たしているかどうかだけではなく、基準を満たせるのかどうかを考えることも重要です。百科事典に当然あるべき項目で、本当は基準を満たす情報源が得られるのに、情報源が示されていないだけかもしれません。適切な二次資料が見つけられそうならば、誰かに探すことを要求するのではなく、まずは見つけられそうだと考えた利用者自身でそれを探すことを試みてください。それが無理なら、項目の執筆者や、関連記事やプロジェクトで詳しそうな人に声をかけてみたり、「ほげほげ(特筆性)」タグを記事に付与して他の執筆者や閲覧者に知らせることもできるでしょう。

しかし、利用者が、単にそのような証明を与えることのできる情報源が「ある」と主張するだけでは説得力はありません。また、将来、この基準を満たすかもしれないという推測に基づいて記事が作られるべきではありません。時間が経過した後にでも基準を満たすという証明が記事上に現れないような場合は、単独記事として収録することはできません。

その記事に書かれていた記述内容が有用ならば、より広い事象を説明している項目のなかで触れたり、他の記事へ統合したりすることを検討してください。それが無理な場合、その記事はそのうち方針に基づくコミュニティの判断によって削除されます。

この基準を満たさない記事は削除の依頼をしてください。方針に基づくコミュニティの判断と管理者の操作によって削除されます。



また、ある時点で基準を満たすとコミュニティによって推定された記事であっても、後になってから、その話題が些細な事柄であったことが外部の情報源によって判明することがあります。些細な事柄であったことを示す情報源があれば、方針に基づくコミュニティの判断と管理者の操作によって記事は削除されるでしょう。

記事の内容について 編集

このガイドラインはその話題がウィキペディアの独立した記事を持てるかどうかのみに適用され、記事中の内容について規制するものではありません。記事中の内容について、この文書で扱われているような論点に関しては「Wikipedia:中立的な観点」の方針にある記述の比重についての記述や、他の内容に関する方針が決定します。


個別の分野・テーマについてのガイドライン 編集

個別のガイドラインは、一般的なガイドラインを、個々の分野・テーマの事情に応じて適応させ、具体化させたものです。分野ごとに得られる先行研究や資料の質は異なります。また、それらの評価は、分野やテーマに通じていなければわかりにくいものもあるでしょう。そうした情報および目安を提供するのが分野ごとのガイドラインです。

Wikipedia:収録基準 (ほげほげ)という文書名で作成してください。議論は十分な告知をした上で、プロジェクトまたは文書のノートで行ない、ガイドライン化されたものは以下に掲載してください。

ガイドライン 編集

提案中のガイドライン 編集

日本語版に翻訳された英語版にある各分野の特筆性に関するガイドライン 編集

Wikipedia:特筆性 (ウェブ)Wikipedia:Notability (web) Wikipedia:特筆性 (音楽)Wikipedia:Notability (music) Wikipedia:特筆性 (人物)Wikipedia:Notability (people) Wikipedia:特筆性 (組織)Wikipedia:Notability (organizations and companies) Wikipedia:特筆性 (書籍)Wikipedia:Notability (books) Wikipedia:特筆性 (フィクション)

日本語版にはないが英語版にある各分野の特筆性に関するガイドライン 編集

Wikipedia:Notability (academics) Wikipedia:Notability (events) Wikipedia:Notability (films) Wikipedia:Notability (numbers) Wikipedia:Notability (sports)

日本語版にはなく、英語版でfailed proposalとなったもの 編集

- コンピューター・テレビゲーム - 宗教施設 - 科学 - ショッピングセンター

日本語版にはなく、英語版で「Notability essay」になっているもの 編集

- ソフトウェア

移行措置 編集

このガイドラインが定める収録基準を満たしていないことで、記事は削除されることがあります。しかし、これまでに作成された記事に対して情報源を探すことも、分野ごとのガイドラインを作ることも、すぐにできることではありません。調査や検証・検討をすることなしに、まとめて削除依頼を出すことは、他の執筆者の負担を増やし、コミュニティの混乱を招くこととして避けるべきです。

少なくとも、このガイドラインが正式化されてから1年のあいだは、まとまった削除依頼を出す場合には、対象となる記事のノートでの告知やプロジェクトでの合意を経ることが望まれます。

ただし、これまで「著名性」や「特筆性」を理由として削除がされてきたのと同様に、個々の記事について、このガイドラインを満たすことができないと考えられるならば、削除依頼を出すことは妨げません。