地獄篇の冒頭。気が付くと深い森の中におり、恐怖にかられるダンテ。 G.Doré による挿絵
地獄篇の冒頭。気が付くと深い森の中におり、恐怖にかられるダンテ。 G.Doré による挿絵

神曲La Divina Commedia は、13-14世紀イタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリの代表作である。地獄篇・煉獄篇・天国篇の三部から成る、全14233行の韻文による長編叙事詩であり、聖なる数「3」を基調とした極めて均整のとれた構成から、しばしばゴシック様式の大聖堂にたとえられる。イタリア文学最大の古典とされ、世界文学史にも重きをなしている。西暦1300年の春のある日、森の中に迷い込んだダンテは、そこで出会った古代ローマの詩人ウェルギリウスに導かれ、地獄・煉獄・天国と彼岸の国を遍歴して回る……