草の花』は、福永武彦長編小説1954年昭和29年)、書き下ろし作品として新潮社より刊行された。術中死した汐見茂思が遺した2冊のノートに記された二度の愛の挫折を通じ、青春の愛と孤独を描く。福永の文壇出世作であると共に、唯一の私小説的な作品であり……