オニフスベ(鬼燻、鬼瘤、学名Calvatia nipponica)はハラタケ科キノコ。「フスベ(贅)」とはこぶ・いぼを意味する。別名:薮玉(ヤブダマ)、他にヤブタマゴ、キツネノヘダマ、テングノヘダマ、ホコリダケなど。江戸時代は、他のホコリタケ類とあわせ馬勃(バボツ)とも呼ばれた。

オニフスベ
オニフスベ Calvatia nipponica
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ハラタケ科 Agaricaceae
: ノウタケ属 Calvatia
: オニフスベ C. nipponica
学名
Calvatia nipponica
Kawam. ex Kasuya & Katum.

なお、従来はホコリタケ科オニフスベ属(Lanopila、後にLangermannia)とされていたが、分子系統学に基づく分析の結果、オニフスベ属は廃名とされてノウタケ属に組み込まれ[1]、現在の分類に変更された。

特徴

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日本特産でから、庭先や雑木林林などの地上に大型の子実体を生じる。一夜にして発生するので驚かれるが珍しいものではない。

子実体は白色の球状で、直径は20-50cmにも達し、あたかもバレーボールが転がっているように見える。幼菌の内部は白色で弾力があるが、次第に褐色の液を出して紫褐色の古綿状になる。これはグレバと呼ばれる乾燥した菌糸組織(弾糸)と担子胞子から成る胞子塊である。成熟すると外皮がはがれて中の胞子塊があらわれ異様なにおいを発生する。胞子塊が風に吹かれると次第に弾糸がほぐれて胞子を飛ばし、跡形もなく消滅する。胞子は球状で突起がある。 子実体は腐らずに残る事も多く、その場合、長期間に渡り胞子を放出し続ける。

今まで長らく、一夜にして急に発生する特徴からオニフスベの成長をとらえた映像が存在しなかったが、日本テレビの番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画「DASH村」において、シイタケ栽培記録用に24時間体制で回していた観察カメラが脇にたまたま生えたオニフスベをとらえ、偶然にもその成長の様子を記録することとなった[2]

食用可能

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和漢三才図会』には「煮て食べると味は淡く甘い」とあり、昔から食べる人はいたようである[3]。 肉が白い幼菌は皮をむいて調理すれば食用になる。柔らかいはんぺんのような食感とわずかな風味を持ち、美味ではないが不味でもない。成熟していると内部は黄褐色や紫褐色に変色しアンモニア臭がきつく、食用にはできない。また、馬勃の名前で漢方薬としても利用されている。

近縁種

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北アメリカの近縁種 Calvatia gigantea

近縁種は地球上に広く分布するが、地域によって別のに分かれる。

オセアニアヨーロッパ北米中国に広く分布する種 Calvatia giganteaセイヨウオニフスベ)は、ジャイアント・パフボール("Giant puffball"、「巨大なほこり玉」)と呼ばれる。実際、日本のCalvatia nipponicaは同種と当初は混同されていた。

Calvatia nipponicaアフリカインドに分布するLanopila wahlbergii Fr.に近縁との説もあったが[4]Lanopilaがノウタケ属に編入された現在では、同属になると思われる。

参考文献

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脚注

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  1. ^ Coetzee, Johan C and van Wyk, Abraham E (2007). “(1770) Proposal to conserve Calvatia nom. cons.(Basidiomycota, Lycoperdaceae) against an additional name, Lanopila”. Taxon 56 (2): 598-599. http://www.ingentaconnect.com/content/iapt/tax/2007/00000056/00000002/art00035. 
  2. ^ おにふすべ 日本テレビ
  3. ^ 根田仁 『きのこミュージアム』 八坂書房、2014年、pp37-40
  4. ^ オニフスベ・ホコリタケの話 独立行政法人 森林総合研究所九州支所 特用林産研究室

関連項目

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外部リンク

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