ヘンリー・ミンツバーグ

ヘンリー・ミンツバーグ(Prof. Dr. Henry Mintzberg, 1939年9月2日 - )は、カナダのマギル大学デソーテル経営大学院のクレゴーン記念教授である。

Henry Mintzberg
ヘンリー・ミンツバーグ
生誕 (1939-09-02) 1939年9月2日(84歳)
モントリオール ケベック州 カナダ
国籍 カナダ
研究分野 経営学
研究機関 マギル大学 Desautels Faculty of Management
出身校 マギル大学 (機械工学 学士 1961年)
マサチューセッツ工科大学 (修士課程修了 1965年, 博士課程修了 1968年)
プロジェクト:人物伝
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経歴 編集

ミンツバーグはマギル大学の工学部機械工学科を卒業し、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院にて1965年に経営学修士及び1968年に博士を取得[1]

1994年に著した論文・書籍『The Rise and Fall of Strategic Planning』で現代経営学の戦略論を批判した。

思想 編集

ミンツバーグは純粋な理論家とは一線を画す異色の経営学者である。彼の名を一躍有名にした『マネジャーの仕事』は実際のマネージャーの活動に随行することで得られた資料を分析したもので、そこにはすでにミンツバーグの研究方法の独創性が示されている。彼は経営においても実践を重視し、芸術的要素・右脳的要素を重要視する。彼はマイケル・ポーターに代表される純理論的な経営理論を批判し、よきマネージャーは教室では育成されないと主張。独自のマネージャー育成の教育プログラム[2]を立ち上げると共に、経済以外の分野にたいしても積極的な言論活動を続けている。

マネジャーの役割 編集

5人の経営者の仕事の観察を基に、マネジャーの仕事を10の役割セットにまとめた。

  • 対人関係に関する役割
  1. 看板
  2. リーダー
  3. リエゾン
  • 情報伝達に関する役割
  1. 監視役
  2. 散布者
  3. スポークスマン
  • 意思決定に関する役割
  1. 企業家
  2. 妨害排除者
  3. 資源分配者
  4. 交渉者

古典学派に対する批判 編集

ミンツバーグは古典学派管理過程学派)の提唱した管理職能論(POSDCORBなど)は事実に反すると批判し、また自ら調査を行い持論を証明した。

古典学派管理過程学派)に対するミンツバーグによる四つの批判

  • 有能な経営管理者は遂行しなければならない決まった職責が存在する。
  • 経営管理者は秩序を立てて計画化するものではない。
  • トップの経営者は経営情報システム(MIS)に依存しているわけではない。
  • マネジメントは専門家の職業ではなく科学でもない。

リバランシング・ソサエティ 編集

政府セクター(public sector)、民間セクター(private sector)、多元セクター(plural sector)の3つのセクターが社会の中で適切なバランスを取ることが重要と主張する[3]

主な著書 編集

脚注 編集

  1. ^ Full CV[1]
  2. ^ CoachingOurselves
  3. ^ RebalancingSociety.org