喜多川秀麿
江戸時代の浮世絵師
来歴
編集喜多川歌麿の門人。俗称春治、松好斎と号す。下谷柳稲荷社前に住む。享和から文化のころにかけて版本の挿絵、錦絵、肉筆美人画を描く。肉筆画については作例は少ない。
作品
編集- 『花洛之水/浪速風炉 臍沸西遊記』 黄表紙 ※曲亭馬琴作、享和3年(1803年)刊行
- 『落噺百夫婦』 噺本 ※並木丹作の作、文化元年(1804年)刊行
- 『役者用文章』 滑稽本 ※曲亭馬琴作、文化10年刊行
- 「風俗四季遊 夏」 大判錦絵
- 「赤蔦屋内浮嶋」 錦絵
- 「玉屋内袖浦」 大判錦絵 ボストン美術館所蔵
- 「高名金花池」 大判錦絵 ボストン美術館所蔵
- 「三味線持つ美人図」 絹本着色 東京国立博物館所蔵 ※「應需 秀麿筆」の落款、「龍」の白文方印あり。人物の風俗などから寛政後期の作とされる。
- 「花魁図」 紙本着色 大英博物館所蔵 ※「秀麿画」の落款あり
- 「絃妓図」 紙本着色 奈良県立美術館所蔵 ※「秀麿画」の落款、「三味線の はちのあたりし 猫の妻 かわひやそれも 色に引れて 何耕書」の画賛あり
参考文献
編集- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 『東京国立博物館所蔵 肉筆浮世絵』 東京国立博物館、1993年 ※114 - 115頁
- 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(2) 東京国立博物館Ⅱ』 講談社、1995年 ※196頁
- 『奈良県立美術館所蔵吉川観方コレクション 肉筆浮世絵名品展』 浮世絵太田記念美術館、1996年