保川春貞
1798-1849, 江戸時代後期の京都の浮世絵師。明治であれば2代目(1830-1887)
保川 春貞(やすかわ はるさだ、寛政10年〈1798年〉 - 嘉永2年1月13日〈1849年2月5日〉)は、江戸時代後期の京都の浮世絵師。
来歴
編集師系不詳。京都の人。生家は代々米穀商で東洞院二条上ル町に住んでいたが、後に四条河原町東入ル町に移り住んだ。文化末年から没年までが作画期であり、版画、肉筆浮世絵ともに美人画をよく描いており、当時の京都において随一の絵師であった。また合羽摺や挿絵も手掛けている。代表作として大錦「梅の由兵衛・中村歌右衛門」があげられる。この作品は文政11年(1828年)9月の中の芝居『隅田春妓女容性』に取材したものである。刊行年不明の咄本『画本一口噺』1冊、絵入根本『傾城花の曙』(近松行重作)5冊の挿絵を描いている。享年52。墓所は二条川端の善導寺。門人に二代目保川春貞がいる。
作品
編集- 「大坂中ノ芝居二の替り 犬飼現八・片岡市蔵 犬塚信乃・嵐璃寛」 細判 合羽摺2枚続 弘化4年正月『花魁莟八総』より
- 「洛東知恩院風景」 大判2枚 錦絵 嘉永初年
- 「菊慈童」 摺物 錦絵
- 「小笹原隼人・嵐吉三郎」
参考文献
編集- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年