錦鳳堂永雄
錦鳳堂 永雄(きんぽうどう ながお、生没年不詳)とは、江戸時代の狂歌師、画家。画名を存斎光一(そんさいこういつ)と称す。
来歴
編集本姓は竹内、通称喜一郎。女流狂歌師の月花永女の夫。秋長堂社中の狂歌師として活躍するほか、書を能くした。また絵も描き、文政の頃に摺物や狂歌本の挿絵を手掛けている。『光悦正流 盆画独稽古初編』の跋文に、「もとより永雄ぬしは画をこのみ、かつしか為一先生(葛飾北斎)の門人存斎光一といへり」とあるが、飯島虚心著の『葛飾北斎伝』には門人として名が見えず、北斎の門人だったかどうかは定かではない。絵は北斎風とされる。追善狂歌本『あなうのはな』(天保5年〈1834年〉刊行)には「東都 法橋光一写」と署名のある挿絵があり、これが同一人で間違いなければ、このころまでに法橋に叙せられていたことになる。
作品
編集- 『光悦正流 盆画独稽古初編』 ※文政11年(1828年)刊行。月花永女著、存斎光一校
- 『巴流歌寿見』 絵入狂歌本 ※秋長堂物簗撰
- 「鼠と小槌」 色紙判摺物
- 「着衣始」 摺物 ※画中画に「存斎永雄筆」の落款あり[1]
脚注
編集- ^ 『THE PRIVATE WORLD OF SURIMONO 摺物の私的世界』(Sadako Ohki/Adam Haliburton 2020年)249頁。