国重 (浮世絵師)
来歴
編集師系・経歴不明。作画期は天保から安政の頃にかけてで、大坂で興行された芝居の役者絵を残す。作は殆どが「国重」とのみ落款する中判錦絵である。同じ大坂の絵師柳斎重春が前名に「国重」を名乗っているが、重春は文政9年(1826年)に国重から重春に改名しており、重春と関わりがある者だったのかどうかも明らかではない。
作品
編集- 「雷のおしよう・初代岩井紫若」 大判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※天保3年(1832年)2月、大坂角の芝居『潤色女雁金』より。丸丈斎国広の画だが、衣装に「国重」の落款あり
- 「小野道風・三代目嵐璃寛」(本朝高名伝) 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※嘉永元年(1848年)7月、大坂若太夫芝居『小野道風青柳硯』より
- 「久まつ・二代目嵐璃珏」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※嘉永2年4月、大坂竹田芝居『色読販』より
- 「藤屋伊左衛門・二代目嵐璃珏」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※嘉永2年、見立絵
- 「猪の早太・二代目嵐璃珏」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※嘉永4年10月、大坂筑後芝居『頼政鵺物語』より
- 「はん兵衛・実川延三郎 小いな・中山南枝」 中判錦絵2枚 池田文庫所蔵 ※嘉永2年(1849年)3月、中の芝居『桜舞台近江八景』より
- 「佐藤与茂七・実川延三郎」(当世商人姿) 大判錦絵 池田文庫所蔵 ※嘉永6年3月、中の芝居『仮名手本忠臣蔵』より
参考文献
編集- 『上方役者絵集成』(第3巻) 財団法人阪急学園池田文庫、2001年