ネフェルヘテプ3世
ネフェルヘテプ3世(在位:紀元前1629年頃 - 紀元前1628年頃)は、古代エジプト第二中間期のファラオ。第16王朝に属すと考えられるが、古い研究では第13王朝のファラオとされる。
概要
編集即位名はセケムラー・スアンクタウイ。トリノ王名表の記述によれば1年間統治した。 テーベ出土の石碑から事績が知られる。その文中でテーベを繰り返し「我が都」と表現していることから、テーベを本拠としていたと思われる。 また、都市に食料を供給し、民衆を飢餓から救った自らの功績を讃えている。即位名のセケムラー・スアンクタウイは「強大なるラー、二つの地を富ませる者」という意味であり、この時代のエジプトが飢饉に見舞われたことを示唆している。 石碑では、異邦人との争いに沈んだ彼の町を復興したとも称えられており、ヒクソスとの争いがあった事を示唆している。
ネフェルヘテプ3世を含むテーベの王たちに関係する遺物は北の第7県フウから南のエドフまで、ナイル川流域の200㎞圏内に分布しており、彼らの領土がテーベ周辺の限られた地域だった事が覗える。
参考文献
編集- エイダン・ドドソン、ディアン・ヒルトン『全系図付エジプト歴代王朝史』池田裕訳、東洋書林、2012年5月。ISBN 978-4-88721-798-0。
- K.S.B. Ryholt, The Political Situation in Egypt during the Second Intermediate Period, c.1800-1550 BC (Carsten Niebuhr Institute Publications, vol. 20. Copenhagen: Museum Tusculanum Press, 1997).
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