アイドルマリー(欧字名:Idol Marie1986年3月27日 - 不明)は、日本競走馬繁殖牝馬[1]

アイドルマリー
欧字表記 Idol Marie[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1][2]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1986年3月27日[1]
ニチドウアラシ[1]
ダイナマリー[1]
母の父 エルセンタウロ[1]
生国 日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 浜田光正[1]栗東
調教助手 小林常浩[3]
厩務員 上籠三男[4]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牝馬(1988年)[1]
生涯成績 13戦4勝[1]
獲得賞金 1億1726万1000円[1]
勝ち鞍
GII デイリー杯3歳ステークス 1988年
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1988年のJRA賞最優秀3歳牝馬である。主な勝ち鞍は、1988年デイリー杯3歳ステークスGII)。

経歴 編集

ダイナマリーは、エルセンタウロ産駒の牝馬である[5]栗東トレーニングセンター安藤正敏厩舎に所属して競走馬としてデビューし、41戦6勝[6]。引退後は繁殖牝馬となり、1985年に初仔である牝馬(父:アスワン、後のチェリーオブナイル)を生産。2年目は、ニチドウアラシと交配[7]。1986年3月27日、北海道早来町社台ファームにて、2番仔となる鹿毛の牝馬を生産した[1]。仔は、牧場系列のクラブ法人である社台レースホースが所有し、「アイドルマリー」という競走馬名が与えられて、栗東トレーニングセンターの浜田光正厩舎に入厩した[1]

浜田はアイドルマリーは出遅れ癖があったため、芝1600メートルでのデビューを希望し、新馬戦の出馬登録を行ったが除外となった[8]。結局1988年9月11日、阪神競馬場芝1200メートルの新馬戦でデビューし、2着オサイチジョージに5馬身差をつけて初勝利[9]。続く野路菊ステークス(OP、芝1600メートル)は、2着に4馬身差をつけて2連勝とした[10]

11月12日、デイリー杯3歳ステークスGII)に1番人気の支持で重賞初出走。発馬機内で立ち上がりで遅れて後方を追走、最終コーナーでは大外から追い上げた[11]。直線では、メイショウコブラを下して抜け出し、1馬身4分の1差をつけて先頭で入線、重賞初勝利とした[8]。それから、12月18日の阪神3歳ステークスGI)に単勝オッズ1.5倍の1番人気で出走。7頭立て2、3番手につけ、直線で追い上げた[12]。しかし、逃げるラッキーゲランを捉えられず、2着に敗退した[12]。年末のJRA賞表彰では、172票中130票を集めて、JRA賞最優秀3歳牝馬に選出された[4]

4歳となった1989年、始動戦のペガサスステークスGIII)、桜花賞GI)は、共にシャダイカグラに敗れ、それぞれ3着、6着。距離を延長してサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別GII)に出走し、ファンドリポポに次ぐ2着。さらに距離を延長した優駿牝馬(オークス)(GI)では14着に敗れた。秋はサファイヤステークスGIII)で復帰し3着。それから、スワンステークスGII)と阪神牝馬特別GIII)は共に二桁着順、愛知杯GIII)では疝痛のため、レース当日に出走を取り消した[13]。5歳となった1990年は、7月の小倉日経賞(OP)で復帰し、4勝目。続く北九州記念GIII)では1番人気に推されたものの、直線伸びず4着に敗れた[14]

以後、出走することなく引退。繁殖牝馬として、13頭の競走馬を生産した[15]。うち、10番仔のアマゾンリリー、13番仔のアイドルコアが繁殖牝馬となった[16][17]。5頭の孫を儲けたが、いずれも繁殖牝馬となっておらず、牝系は断絶している[7][18][19][20][21]

競走成績 編集

以下の内容は、netkeiba.com[22]およびJBISサーチ[23]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)

オッズ
(人気)
着順 タイム 着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬
(2着馬)
馬体重
[kg]
1988.09.11 阪神 3歳新馬 芝1200m(良) 14 5 8 01.5(1人) 01着 01:10.8 -0.8 0田原成貴 53 オサイチジョージ 426
0000.10.01 阪神 野路菊S OP 芝1600m(良) 12 8 11 01.6(1人) 01着 01:36.7 -0.7 0田原成貴 53 (マヤノピューマ) 420
0000.11.12 京都 デイリー杯3歳S GII 芝1400m(良) 13 8 13 02.0(1人) 01着 01:24.1 -0.2 0田原成貴 53 (メイショウコブラ) 414
0000.12.18 阪神 阪神3歳S GI 芝1600m(良) 7 6 6 01.5(1人) 02着 01:35.7 -0.1 0田原成貴 53 ラッキーゲラン 410
1989.03.05 阪神 ペガサスS GIII 芝1600m(重) 14 6 10 03.8(2人) 03着 01:38.5 -1.0 0田原成貴 54 シャダイカグラ 416
0000.04.09 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(稍) 18 3 5 07.9(2人) 06着 01:38.7 -1.2 0田原成貴 55 シャダイカグラ 406
0000.04.30 東京 サンスポ賞4歳牝馬特別 GII 芝2000m(良) 16 7 13 09.2(4人) 02着 02:02.6 -0.1 0田原成貴 54 ファンドリポポ 420
0000.05.21 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(稍) 24 7 18 16.1(6人) 14着 02:30.8 -1.8 0田原成貴 55 ライトカラー 416
0000.10.01 阪神 サファイヤS GIII 芝1600m(良) 8 8 8 02.8(2人) 03着 01:34.8 -0.3 0田原成貴 53 リリーズブーケ 414
0000.10.29 京都 スワンS GII 芝1400m(良) 16 7 13 17.8(8人) 10着 01:22.7 -1.0 0熊沢重文 53 バンブーメモリー 416
0000.12.10 中京 愛知杯 GIII 芝2000m(良) 11 6 8 出走取消 0田原成貴 51 グレートモンテ 計不
0000.12.24 阪神 阪神牝馬特別 GIII 芝2000m(稍) 16 7 14 11.7(6人) 14着 02:03.9 -2.2 0田原成貴 52 ルイジアナピット 414
1990.07.15 小倉 小倉日経賞 OP 芝1700m(良) 10 1 1 05.3(2人) 01着 01:41.5 -0.1 0熊沢重文 55 (ニシヤマショウ) 422
0000.08.05 小倉 北九州記念 GIII 芝1800m(良) 10 7 8 03.2(1人) 04着 01:48.8 -0.4 0熊沢重文 56 ニシヤマショウ 418

繁殖成績 編集

生年 馬名 毛色 戦績 主な成績 供用 出典
初仔 1992年 アーキテクト 鹿毛 アンバーシャダイ 4戦0勝 抹消 [24]
2番仔 1993年 アーバンヒーロー 鹿毛 33戦4勝 抹消 [25]
3番仔 1994年 スターマイサドル 黒鹿毛 サンデーサイレンス 53戦3勝 抹消 [26]
4番仔 1995年 チューシテマリー 栗毛 アンバーシャダイ 10戦1勝 抹消 [27]
1996年 不受胎 ノーザンテースト [15]
5番仔 1997年 ティラニーオブラヴ 青鹿毛 フジキセキ 4戦0勝 抹消 [28]
6番仔 1998年 アイドルソング 鹿毛 メジロライアン 59戦3勝 抹消 [29]
7番仔 1999年 ニューエイジ 鹿毛 ジェイドロバリー 6戦0勝 抹消 [30]
8番仔 2000年 シュアイナフ 青鹿毛 24戦1勝 抹消 [31]
9番仔 2001年 ソングフォーユウ 黒鹿毛 エリシオ 88戦13勝 抹消 [32]
10番仔 2002年 アマゾンリリー 黒鹿毛 ホワイトマズル 27戦1勝 繁殖牝馬 [16]
11番仔 2003年 オシャレホース 栗毛 フサイチソニック 14戦1勝 抹消 [33]
12番仔 2004年 ヒシヴェンチャー 黒鹿毛 スペシャルウィーク 23戦1勝 抹消 [34]
2005年 不受胎 ファルブラヴ [15]
13番仔 2006年 アイドルコア 鹿毛 タニノギムレット 22戦0勝 繁殖牝馬 [17]
2007年 死産 ファルブラヴ [15]

血統表 編集

アイドルマリー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ボールドルーラー系
[§ 2]

ニチドウアラシ
1976 栗毛
父の父
*ボールドアンドエイブル
1968 栗毛
アメリカ
*ボールドラッド Bold Ruler
Misty Morn
Real Delight Bull Lea
Blue Delight
父の母
*シャトーローズ
1968 芦毛
アメリカ
*シャトーゲイ Swaps
Banquet Bell
Bowl of Roses Alibhai
Boudoir

ダイナマリー
1978 鹿毛
*エルセンタウロ
1959 黒鹿毛
アルゼンチン
Sideral Seductor
Starling
Planetaria Penny Post
Crescent
母の母
エープリルマリー
1966 黒鹿毛
アメリカ
New Policy Khaled
Feu Follet
Stylish Maid Stymie
Maid of Israel
母系(F-No.) (FN:4-r) [§ 3]
5代内の近親交配 Khaled 5×4、Hyperion 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [35][36]
  2. ^ [35]
  3. ^ [35]
  4. ^ [35]


脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r アイドルマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  2. ^ アイドルマリー”. netkeiba.com. 2021年10月1日閲覧。
  3. ^ 『優駿』2010年1月号 139頁
  4. ^ a b 『優駿』1988年2月号 34頁
  5. ^ ダイナマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  6. ^ 競走成績:年度別累計成績/主な成績|ダイナマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  7. ^ a b マザーウィット”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  8. ^ a b 『優駿』1989年1月号 144-145頁
  9. ^ 5R サラ系3才 新馬|1988年9月11日(日)4回阪神2日”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  10. ^ 9R 野路菊S オープン|1988年10月1日(土)4回阪神7日”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  11. ^ 『優駿』1989年1月号 87頁
  12. ^ a b 『優駿』1989年2月号 83頁
  13. ^ 『優駿』1990年2月号 160-161頁
  14. ^ 『優駿』1990年10月号 142-143頁
  15. ^ a b c d 繁殖牝馬情報:牝系情報|アイドルマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  16. ^ a b アマゾンリリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  17. ^ a b アイドルコア”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  18. ^ カミーリア”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  19. ^ ベラドンナリリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  20. ^ モアザンワーズ”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  21. ^ _________”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  22. ^ アイドルマリーの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2021年10月1日閲覧。
  23. ^ 競走成績:全競走成績|アイドルマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  24. ^ アーキテクト”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  25. ^ アーバンヒーロー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  26. ^ スターマイサドル”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  27. ^ チューシテマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  28. ^ ティラニーオブラヴ”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  29. ^ アイドルソング”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  30. ^ ニューエイジ”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  31. ^ シュアイナフ”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  32. ^ ソングフォーユウ”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  33. ^ オシャレホース”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  34. ^ ヒシヴェンチャー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。
  35. ^ a b c d アイドルマリーの血統表”. netkeiba.com. 2023年1月21日閲覧。
  36. ^ 血統情報:5代血統表|アイドルマリー”. JBISサーチ. 2021年10月1日閲覧。

参考文献 編集

  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 1989年1月号
      • 小阪一成(デイリースポーツ)「【今月の記録室】第23回デイリー杯3歳ステークス(GII)」
    • 1989年2月号
      • 「会心の逃げで、ラッキーゲラン」
      • 「1988年度JRA賞決定 年度代表馬にタマモクロス
    • 1990年2月号
      • 杉山真登(中日スポーツ)「【今月の記録室】第27回農林水産省賞典 愛知杯(GIII)」
    • 1990年10月号
    • 2010年1月号
      • 永井晴二(共同通信)「【ベテラン記者の"特注"取材ノート 第23回】旧友の元調教助手、小林常浩は元気です。」

外部リンク 編集