マーチ・731 (March 731) は、マーチ・エンジニアリングが開発したフォーミュラ1カー1973年から1974年F1世界選手権に投入された。

マーチ・731
カテゴリー F1
コンストラクター マーチ
デザイナー ロビン・ハード
先代 マーチ・721
後継 マーチ・741
主要諸元
シャシー アルミニウムモノコック
エンジン フォード-コスワース DFV 3.0 V8 NA
トランスミッション ヒューランド FG400, 5速 + 反転1速 MT,
燃料 STP
ダッカムス
タイヤ グッドイヤー
主要成績
ドライバー ジェームズ・ハント
マイク・ビュートラー
ジャン=ピエール・ジャリエ
出走時期 1973年-1974年
初戦 1973年スペイングランプリ
出走優勝ポールFラップ
15002
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概要 編集

731はマーチ・721Gを改修した物である。主な改修点はノーズをスポーツカーノーズに改め、その中にラジエターを移設、モノコックの側面に構造物が取り付けられたことである。

 
燃え尽きたウィリアムソンの731の残骸、デビッド・パーレイが横で立ち尽くし、ニキ・ラウダBRMが通過する

マーチは1973年、体制を縮小しジャン=ピエール・ジャリエの1台体制でシーズンに望んだ。ジャリエは序盤3戦をマーチ・721Gで戦う。731は第4戦のスペイングランプリから投入されたが、このときはジャリエに代わってアンリ・ペスカロロがドライブ、8位で完走した。次戦ベルギーからジャリエは731で連続4戦リタイアとなる。第9戦イギリスからロジャー・ウィリアムソンが起用されたが、ウィリアムソンは第10戦オランダで事故死する。その後ジャリエがオーストリアから復帰、最終戦まで走ったが、ワークスチームでは結局ペスカロロの8位が最高位となった。

731はクラーク・モーダウント・ガスリー・デュルラッシャー・レーシング、チーム・ピエール・ロベール、レック・リフリジレーション・レーシングヘスケス・レーシングでも使用された。ヘスケス以外の3チームはポイントを獲得することができなかった。ヘスケスは731の開発に関わったハーベイ・ポスルスウェイトをマーチから引き抜き、自チームの731の改良に当たらせた。ジェームズ・ハントのドライビングにより、ワークスチームよりも好成績を挙げオランダでは3位、最終戦アメリカでも2位と2度の表彰台を獲得した。

1974年、ヘスケスは序盤2戦で731を使用した。ヘスケスの731はデンプスター・インターナショナルに売却され、第10戦イギリスマイク・ワイルズが使用したが、予選落ちとなった。

F1における全成績 編集

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位
1973年 STP マーチ・レーシングチーム フォード ARG
 
BRA
 
RSA
 
ESP
 
BEL
 
MON
 
SWE
 
FRA
 
GBR
 
NED
 
GER
 
AUT
 
ITA
 
CAN
 
USA
 
14 5
  アンリ・ペスカロロ 8
  ジャン=ピエール・ジャリエ Ret Ret Ret Ret Ret NS 11
  ロジャー・ウィリアムソン Ret Ret
クラーク・モーダウント・ガスリー・デュルラッシャー・レーシング   マイク・ビュートラー 7 11 Ret 8 11 Ret 16 Ret Ret Ret 10
  レイネ・ウィセル Ret
チーム・ピエール・ロベール
レック・リフリジレーション・レーシング   デビッド・パーレイ Ret Ret 15 9
ヘスケス・レーシング   ジェームズ・ハント 9 6 4 3 Ret 7 2
ARG
 
BRA
 
RSA
 
ESP
 
BEL
 
MON
 
SWE
 
NED
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
AUT
 
ITA
 
CAN
 
USA
 
0 (6) 9
1974年 ヘスケス・レーシング フォード   ジェームズ・ハント Ret 9
デンプスター・インターナショナル・レーシングチーム   マイク・ワイルズ DNQ

参照 編集

外部リンク 編集