愛知県立瑞陵高等学校

愛知県名古屋市にある高等学校

愛知県立瑞陵高等学校(あいちけんりつ ずいりょうこうとうがっこう、: Aichi Prefectural Zuiryo High School)は、愛知県名古屋市瑞穂区北原町にある県立高等学校

愛知県立瑞陵高等学校

瑞陵高等学校
地図北緯35度7分57.1秒 東経136度55分49.4秒 / 北緯35.132528度 東経136.930389度 / 35.132528; 136.930389座標: 北緯35度7分57.1秒 東経136度55分49.4秒 / 北緯35.132528度 東経136.930389度 / 35.132528; 136.930389
国公私立の別 公立学校
設置者 愛知県の旗愛知県
併合学校 愛知県立第五中学校
愛知県立熱田高等学校
愛知県立貿易商業高等学校
愛知県立名南高等学校
校訓 自由・自主・自律
設立年月日 1907年明治40年)
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科:尾張2群Bグループ
食物科:専門学科Bグループ
理数科:専門学科Bグループ
学科内専門コース 普通科
普通コース
コスモサイエンスコース
学期 3学期制
学校コード D123210000072 ウィキデータを編集
高校コード 23104F
所在地 467-0811
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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概要 編集

普通科(普通コースとコスモサイエンスコース)、理数科及び食物科からなる。

食物科は県内の公立高校では唯一の学科である(私立高校では修文学院高等学校には食物調理科(男女共学)が、藤ノ花女子高等学校には食物科(女子のみ)が設置されている)。文理選択は2年生からである。

沿革 編集

旧・愛知県立第五中学校~愛知県立熱田高等学校 編集

  • 1907年(明治40年)
    • 1月22日 - 文部省から愛知県立第五中学校の設置が認可。
    • 4月15日 - 「愛知県立第五中学校」として開校。
  • 1922年(大正11年)5月1日 - 「愛知県熱田中学校」に改称。学生紛争(9月)[1]
  • 1925年、5年生を中心とした学生紛争(7月)。
  • 1940年(昭和15年)2月 - 夜間中学校(熱田第二中学校)を併設。
  • 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革により、新制高等学校愛知県立熱田高等学校」(男子校)が発足。

※ 現在の愛知県立熱田高等学校と関係はない。

旧・愛知県立名南高等学校 編集

  • 1940年(昭和15年)4月1日 - 「愛知県実務女学校」が開校。
  • 1945年(昭和20年)4月 - 「愛知県女子商工学校」に改称。
  • 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革により、新制高等学校「愛知県立名南高等学校」が発足。

旧・愛知県立貿易商業高等学校 編集

  • 1941年(昭和16年)6月 - 「愛知県貿易商業学校」が開校。
  • 1944年(昭和19年)1月 - 貿易商業学校の募集を停止。
  • 1946年(昭和21年)2月 - 貿易商業学校の募集を再開。
  • 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革により、新制高等学校「愛知県立貿易商業高等学校」が発足。

統合後 編集

  • 1948年(昭和23年) 10月1日 - 上記3校と愛知県立愛知商業高等学校の計4校が統合され、総合制高等学校「愛知県立瑞陵高等学校」(現校名)[注 1]となる。
    • 普通科、家庭科、商業科を設置。
  • 1951年(昭和26年)- 愛知県立愛知商業高等学校が分離・独立 [注 2]
  • 1960年(昭和35年)4月1日 - 商業科の募集を停止。
  • 1963年(昭和38年)4月1日 - 家庭科を食物科に転科。
  • 1973年(昭和48年)4月1日 - 学校群制度による1期生入学。熱田高校と名古屋10群、市立桜台高校と名古屋11群を組む。
  • 1989年(平成元年)4月1日 - 複合選抜入試制度による1期生入学。尾張2群Bグループに属する。
  • 2007年(平成19年)4月1日 - 普通科に「コスモサイエンス・コース」を設置。
  • 2008年(平成20年)4月 - 愛知スーパーハイスクール研究指定推進事業における研究校の指定を受ける(2010年までの3年間)。
  • 2012年(平成24年)10月26日 - 日本・イスラエル国交60周年記念植樹式。
  • 2016年(平成28年)11月4日 - 名古屋市により「杉原千畝 人道の道」が設定され、正門横に銘板が設置される。銘板設置記念式典が行われる。
  • 2017年(平成29年)3月 - 旧正門が登録有形文化財に登録される[3]
  • 2017年(平成29年)5月 - あいちSTEM教育推進事業研究指定校に指定される。
  • 2018年(平成30年)10月12日 - 杉原千畝広場(センポ・スギハラ・メモリアル)完成記念式典を開催。
  • 2019年(令和元年)11月6日 - 県教委が定時制の次年度からの新入生募集停止を発表[4]
  • 2022年(令和4年)3月 - 定時制課程を廃止。
  • 2022年(令和4年)4月 - 理数科設置[5]
  • 2022年(令和4年)6月29日 - 感喜堂が登録有形文化財に登録される。

教育目標 編集

  • 知・徳・体の調和がとれた、心身ともに健康な人間を育成する。
  • 幅広い知識と教養をもち、伝統・文化を尊重するとともに国際社会に貢献できる人間を育成する。
  • 自由とともに規律と義務を尊び、自主・自律の精神とともに共生と公共の精神を 身に付けた人間を育成する。
  • 礼節を重んじ自他を敬愛するとともに、自然と環境を大切にする人間を育成する。

学科 編集

全日制 編集

普通科 編集

普通コース 編集

各学年7クラス(280人)第二学年から文系と理系に分かれる。STEM教育推進事業研究指定校指定に伴い、課題解決型の授業が2年生のカリキュラムに組み込まれるようになった。

コスモサイエンスコース 編集

各学年1クラス(40人)「コスモサイエンス」は「コスモポリタン(国際人)」と「サイエンス」を合わせた複合語である。科学技術を通して世界に貢献できる、自然科学に関する知識、態度、幅広い視野、 そして国際的視野を兼ね備えた人材の育成を目的として設置され、理数系の授業に特に重点を置いている。2022年に普通科から独立して理数科となる。独立大学や研究機関と連携した自然科学に関する特別講座(校外・校内実習、特別講義等)を3年間で約30テーマ行う。理数科への改変のため新入学生の募集は2021年度一杯となる[6]

主な連携先

食物科 編集

各学年1クラス(40人)栄養理論と高度な調理技術を取得できるようカリキュラムが組まれている。3年間にわたって中国料理西洋料理日本料理を講師を招いて学び、3年生では課題研究発表会なども行う。在学中に全国高等学校家庭科食物調理技術検定4級から1級と全商協会ビジネス文書実務検定3級から1級を受検する。普通科とは別棟の食物科棟があり、通常の教室の他、調理室や被服室、コンピュータ室などを備えている。

理数科 編集

各学年1クラス(40人)。2022年(令和4年)度に新設[6]。普通科のコスモサイエンスコースが独立。理数教科に関する系統的な探究活動を通して、多角的・複合的に事象を捉えて課題を解決する力や、新たな価値を生み出す創造的な力を身に付け、ものづくり産業を含む科学技術分野の研究や開発を支える人材の育成を目指す。

行事 編集

  • 4月:実力考査、入学式
  • 5月:中間考査、修学旅行、遠足
  • 6月:期末考査
  • 7月:前期体育的行事(前期球技大会)、Zuiryo Science Week
  • 8月:実力考査、食物科体験入学
  • 9月:記念祭(体育祭、文化祭、後夜祭)
  • 10月:中間考査、学校説明会
  • 11月:期末考査
  • 12月:期末考査、食物科課題研究発表会
  • 1月:実力考査
  • 2月:学年末考査
  • 3月:卒業式、文化的行事、後期体育的行事(球技大会)

構内 編集

感喜堂 編集

 
感喜堂

感喜堂という名の講堂があり、名古屋市内最古の講堂とされる[広報 1]

1924(大正13)年に愛知商業学校の講堂として建設され、1948年(平成23年)には瑞陵高校の講堂となった。1964年(昭和39年)には校内図書館となり、同年には定時制給食室として改修された。

2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災を受けて校舎の耐震化が計画され、一時は取り壊しの可能性もあったが、同窓会主導による講堂の保存運動の結果、愛知県知事と名古屋市長が視察し、2014年(平成26年)3月に愛知県議会で保存が決定された。2015年(平成27年)3月に講堂の耐震強度補強工事が完成し、同年9月には生徒用の自習スペースが設けられ、記念式典も行われた。

2022年(令和4年)6月29日、感喜堂が登録有形文化財に登録された。愛知登文会などによる「あいちのたてもの博覧会」(あいたて博)では感喜堂の見学会も開催されている。

杉原千畝広場(センポ・スギハラ・メモリアル) 編集

 
杉原千畝広場

2012年(平成24年)10月16日、イスラエル政府によって杉原千畝を偲ぶオリーブの木の植樹式が挙行され、駐日イスラエル公使が出席した。この植樹式は、当日の「NHKニュース7」で全国放映された[広報 2]。五中山の麓に植樹されている。

杉原千畝の功績を伝えるため顕彰施設が作られることとなった[7]。顕彰施設の名称は公募で、杉原千畝広場(センポ・スギハラ・メモリアル)(英語表記:Chiune Sugihara Square AICHI PREFECTURE ”SEMPO" SUGIHARA MEMORIAL)となった[8]。正門西の約475平方メートルの敷地を利用し、1億500万円をかけて執務姿をかたどったブロンズ像や、千畝の発行したビザのリストを記した銘板などが建設された。2018年10月10日に完成し、報道陣に公開され、翌11日には杉原千畝がビザを発行した地であるリトアニア共和国の首相代表団が施設を視察した[9]。12日には駐日イスラエル大使らが参加する完成記念式典が開催された。13日からは一般に公開されている。

その他 編集

 
ポプラ並木
  • 北海道大学のポプラ並木に由来するポプラ並木[広報 3]がある。
  • 五中山という名の模擬古墳がある。
  • 学校敷地内に瑞陵会資料室(瑞陵会館)がある。
  • 五中の設計は西原吉治郎が担当。
  • 体育館と武道場はそれぞれ瑞光館、瑞心堂と称する。
  • 五中時代、校地に五中山と呼ばれる古墳があった。

伝説 編集

江戸川乱歩にまつわる伝説が数多くある。近年の研究によれば、五中瑞陵の停学第1号、自転車通学第1号はいずれも江戸川乱歩であると推定されている[広報 4]

部活動・同好会 編集

一年生は必ずいずれかの部活動もしくは同好会に加入しなければならない。ラグビー部は第34回全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)に出場し勝利した経験がある。また、硬式野球部は第31回第32回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)出場、第5回国民体育大会優勝をしている。

運動部 編集

  • バドミントン(男・女)
  • 卓球
  • バスケットボール(男・女)
  • バレーボール(男・女)
  • 硬式野球(男)
  • テニス(男・女)
  • 柔道
  • 剣道
  • 弓道
  • サッカー(男)
  • ラグビー(男)
  • ハンドボール(男・女)
  • 陸上競技
  • 水泳
  • 山岳
  • ソフトボール(女)
  • ダンス
  • 合気道

文化部 編集

  • 美術
  • 化学
  • 生物
  • ギター 
  • 吹奏楽
  • 演劇
  • Movie Production Club(旧:映画研究部)
  • 放送
  • 写真
  • 茶道
  • 華道
  • 新聞
  • 棋道
  • 文芸
  • クイズ研究
  • インターアクトクラブ(国際交流同好会)

著名な出身者 編集

政治 編集

経済 編集

官僚 編集

学術 編集

文化 編集

芸能 編集

スポーツ 編集

その他 編集

周辺 編集

交通アクセス 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 校名は瑞穂の丘にあるという意味[2]
  2. ^ 愛知商高分離にあたり、1921年の愛知商業学校以来の校地を瑞陵高校 普通科・家庭科が使用し、現在に至っている。

出典 編集

  1. ^ 学校騒動
  2. ^ 瑞陵高等学校 校歌
  3. ^ 相坂穣 (2017年3月11日). “文化審議会答申 県内対象 重要文化財 万葉集(紀州本) 登録有形文化財 県立高13校正門など”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 県内版 26 
  4. ^ 令和2年度愛知県立高等学校生徒募集計画について 愛知県教育委員会 2019年11月6日、2019年11月22日閲覧
  5. ^ 春日井高に理数コース 県立高改編 東海商業は東海樟風へ改名 中日新聞、2021年7月11日閲覧。
  6. ^ a b 令和4年度県立高等学校の全日制単位制への改編及び学科・コースの新設・改編について - 愛知県”. www.pref.aichi.jp. 2021年7月10日閲覧。
  7. ^ 杉原千畝顕彰施設の展示概要について [リンク切れ]
  8. ^ 杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル 愛知県教育委員会 2019年2月26日、2019年11月22日閲覧
  9. ^ 愛知県知事定例記者会見”. 愛知県. 2018年12月19日閲覧。

広報資料・プレスリリースなど一次資料 編集

  1. ^ 『瑞陵会報2012』「瑞陵の感喜堂(旧講堂)―名古屋市内に現存する最古の講堂―」三品耕作 2012年[1]
  2. ^ 『瑞陵会報2013』「瑞陵のオリーブの樹―イスラエル大使館による植樹の経緯―」三品耕作 2013年[2]
  3. ^ 『瑞陵会報2011』「瑞陵のポプラ―北大のポプラ並木がルーツ―」三品耕作 2011年[3]
  4. ^ 『瑞陵会報2014』「瑞陵と江戸川乱歩――乱歩生誕120周年――」三品耕作 2014年[4]

関連項目 編集

外部リンク 編集