木曜洋画劇場』(もくようようがげきじょう)は、1968年2月8日から2009年3月26日までテレビ東京系列で毎週木曜日の21:00 - 22:54(JST)に放送されていた、映画番組枠。

木曜洋画劇場
ジャンル 映画番組
出演者 解説者参照。
製作
制作 テレビ東京
放送
音声形式二ヵ国語(洋画放送時)
ステレオ(邦画放送時、一部作品を除く。)
放送国・地域日本の旗 日本
公式サイト
開始から1969年9月まで
放送期間1968年2月8日 - 1969年9月25日
放送時間木曜日21:00 - 22:26
放送分86分
1969年10月から終了まで
放送期間1969年10月2日 - 2009年3月26日
放送時間木曜日21:00 - 22:56(→22:55→22:54)
放送分116→115→114分

特記事項:
一部の作品では、時間帯を拡大して放送されることもあった。
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概要 編集

この番組は、当時財団法人日本科学技術振興財団テレビ事業本部だった1968年2月8日にスタートした。

スタートから1969年9月25日までは90分枠(21:00 - 22:26で実質86分)だったが、1969年10月2日から22:56まで延長し2時間枠(実質116分)となる。その後は1974年10月より22:55まで、1975年10月より22:54までに短縮となった(いずれも天気予報枠拡大のため)。アクション映画SF映画ホラー映画などを中心としたラインナップであった。

吹き替えによる放送で、作品の内容によりステレオ放送又は二ヵ国語放送(デジタル放送ではステレオ2音声で放送の場合あり)となっていた。また、字幕放送も行われていた。

以前は21:00から「木曜洋画劇場 今夜の見どころ」と言う解説が存在し、21:02からのスタートだった(テレビ愛知では解説番組がなく21:00からスタートした時期があった)。しかし、2003年3月27日放送の『ロボコップ』(1987年アメリカ映画)を最後に解説が廃止され、その翌週の4月3日の『アンタッチャブル』(同)から21:00丁度からのスタートとなった。

CM明けでは、遅れ放送の地方局に配慮して他キー局のように映画タイトルと番組名とを一緒に表示せず、映画タイトルのみを表示。また、提供クレジット形式での送出ではなく初めから埋め込みにしていた。

2001年から2003年までは邦画の1つである『男はつらいよ』シリーズ全48作が(本番組だけでなく、『日曜ビッグバラエティ』など他の枠を含めて)随時放送され、「寅さん全48作大放送」という番組名を与えられた(2006年2007年NHKが放映権を買い、BS2で全シリーズが放送)。

なお、邦画を放送する際は番組名を「木曜洋画劇場特別企画」に変更して放送した。場合によっては、番組と一切名乗らない事もあった。

2007年7月5日に放送回数が2000回を迎えた。時々放送が休止になる場合もあれば、放送時間を30分、あるいは1時間拡大する場合もあった。なお、2008年9月4日は『TVチャンピオン2』の3時間スペシャルで番組自体が休止、通常の番組スポンサーは『TVチャンピオン2』3時間スペシャルの中に振り替え提供となっている。また、放送のある木曜日には、2008年8月7日放送分よりワンセグのみで実施していた連動データ放送が、地上デジタル放送でも実施されるようになった。

2009年3月26日(2008年度分)をもって終了し、41年間の放送の歴史に終止符を打った。

放送時間の変遷 編集

放送期間 放送時間 (JST)
1968.02 1969.09 木曜日 21:00 - 22:26(86分)
1969.10 1974.09 木曜日 21:00 - 22:56(116分)
1974.10 1975.09 木曜日 21:00 - 22:55(115分)
1975.10 2009.03 木曜日 21:00 - 22:54(114分)

オープニング映像 編集

放送開始 - 1982年12月
「木曜洋画劇場」と手で描かれた1枚絵のフリップに音楽をかぶせたタイトル画像が使用されていた。
1983年1月 - 1989年3月
宇宙をバックに、名作映画の透明キャラクターが続々出て来て、その後に明朝体で書かれたタイトルが表示された。
1989年4月 - 1991年3月
宇宙の絵に「木曜洋画劇場」と書かれた映画フィルムが6コマ下から上に流れ、7コマ目が全面に広がり番組ロゴの下に映画タイトルが表示される。
1991年4月 - 1997年9月
街のビルが伸びたり縮んだりするアニメーション[1]。後続の『水曜シアター9』最終回のラストにも使用された。
1997年10月 - 2003年12月
フィルムそのものが映り、そのフィルムに英語の文字が浮かぶ(特別版の際には砂嵐の様な映像が流れる)。BGMはカチカチカチというフィルムが巻かれる音と無線を通した外国人男性の声だった。
2004年1月 - 2005年12月
天の川(?)をモチーフにしたCGに、「こ~よいあなたとみ~たい もくよ~よ~がげきじょ~」という男声のコーラスが流れていた。後続の『水曜シアター9』最終回のラストにも使用された。
2006年1月 - 2009年3月
冒頭に題字を表示させて、「今夜の木曜洋画劇場は、○○。ご覧ください」と放送内容を軽く紹介するのみで[2]、OP・EDのCGは事実上廃止された。ハイビジョン時は木曜洋画劇場の文字は白で、4:3映像の時は色付きとなる。なお、2007年7月のタイトルロゴ変更後もオープニング映像は変わっていない。

解説陣 編集

特色 編集

系列局が非常に少ない系列での放送となっていることを生かし、他の主要系列局が放送しなくなった過去作や、他の主要系列局が購入したがり辛いB級映画Z級映画ビデオスルーテレビ映画作品や、日本未公開かつビデオスルーにもならなかった洋画といった、マイナー・不人気作品の放送が非常に多く、それがこの番組の特色にもなっていた。

また、『エマニエル夫人』『さよならミス・ワイコフ』などのソフトコア作品を放送した際に、予想外の高視聴率を稼ぐといった事が多かった。

映画以外にも、海外ドラマシリーズ(『ファニア歌いなさい』『豪華客船ゴライアス号の奇跡』『第三次世界大戦』『大脱走!カウラ捕虜収容所』など)を一挙放送するなどの大胆な選定もあった。

その他には、他局が滅多に放送しない、『ボウリング・フォー・コロンバイン』等のドキュメンタリー映画も放送されていた。

一方で、ファミリー映画である『ホームアローン2』を放送した翌週に、成人男性向け映画の『グラマー・エンジェル危機一発』を放送するなど、他局ではまず見られない編成をしたこともある。

テレビ東京の番組ということもあり、他局の映画放送番組に比べて自主規制が非常に緩く、2000年代以降は各局が自主規制を強化する中で、2006年に『スパイ・エンジェル グラマー美女軍団』を放送したり、1997年の神戸連続児童殺傷事件や2004年の佐世保小6女児同級生殺害事件等の影響を受けて、各局がスプラッター描写などのある作品の放送を自粛する中で、2005年にはR指定作品である『フレディvsジェイソン』を放送した。また、『ポワゾン』等のR-18指定作品も普通に放送していた。

地上波の洋画番組の中では日本語吹き替え版制作に力を入れており、公式サイトには主要声優キャストだけでなく、吹き替え版が新規収録か既成の物かも明記する方針がとられている。また、1つの映画で幾つも吹き替え版が制作される中、独自に吹き替え版を制作する際は、日曜洋画劇場やビデオ等で定番のお馴染みの吹き替えキャスティングを踏襲することも多い。

最後に放送した洋画作品である、トム・クルーズの出世作『トップガン』では、近年で少なかった吹き替え版の新規収録を行い、鈴置洋孝に代わりフィックスとなった森川智之を起用した。

一方で他局の吹き替えをそのまま流したり、リマスターしていない低画質の映像や退色した映像をそのまま流していた時期もあった。また本番組で放送された作品が、2週間後には1時間半枠の『2時のロードショー』(→『シネマサロン』、その後2時間枠化して『シネマタウン』→『午後のロードショー』)で放送されるケースもあった。

番組予告 編集

木村奈保子時代の予告や番組宣伝は、他局の巧みな編集に対し、映画本編の見所を3カットほど貼り合せただけの予告映像に局アナのナレーションをかぶせただけのものだったが、2004年頃より独特の言い回しやフレーズ、明らかにネタに走った吹き替え字幕、映画自体(およびテーマ)とは関係ない音楽・映像編集、声優による個性的なナレーションを使ったものとなった(時には、自局や他局の番組からネタを引っ張ることもあった)。携帯サイトでは着ボイスのダウンロードサービスも行われていた。2006年10月から2008年3月まで、「副副音声として立木文彦による番組前の「予習」と番組後の「復習」(共に有料であるが一部無料)解説サービスを行っていた。

これらの特徴的な予告は、『水曜シアター9』や『午後のロードショー』にも途中から一部引き継がれている。

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の映画の放送回数が多く、その番組予告にも以下の通りな特徴がある。映画の大筋にあまり関係ないシーンをフィーチャーする事が多く、なぜかヴァンダムの尻が映るシーンが多い。

2012年10月20日公開の映画『エクスペンダブルズ2』のweb限定予告編で、「木曜洋画劇場風」と銘打った予告編が当時のスタッフを再結集し製作された。ジャン=クロード・ヴァン・ダムも出演しているため、「ジャンジャンジャジャン、ジャン=クロード、ヴァンヴァンヴァヴァン、ヴァンヴァヴァンダム!」のフレーズも復活した。

  • レプリカント
    • 「ハッスルマッチョが、ニバーイニバーイ!! これが究極、ダブルゼータヴァンダム!!」(ナレーターは立木文彦
    丸八真綿のCMに於ける高見山のセリフ、後半は『機動戦士ガンダムΖΖ』の主役メカダブルゼータガンダムのパロディ。
    • 「同じ筋肉、大激突!! どっちが勝っても…、ヴァンダボー!!」(ナレーターは千葉繁
  • ダブルチーム』(ナレーターは中田譲治
    • 「うーん、ヴァンダム…」
    化粧品マンダムのCMに於けるチャールズ・ブロンソンの有名なセリフ「うーん、マンダム」のパロディ。
    • 「ハッスルマッチョ、三つ巴!!」
  • タイムコップ』(ナレーターは中田譲治
    • 「歪んだ歴史はヴァンダムが許さねぇ!!」
  • ノック・オフ』(ナレーターは玄田哲章
    • 「ジャンジャンジャジャン、ジャン=クロード、ヴァンヴァンヴァヴァン、ヴァンヴァヴァンダム!」
    なお、このフレーズは『午後のロードショー』でのヴァンダム主演映画特集・「ヴァンダミング4」の予告にも用いられ、そのラインナップに本作も含まれている。
    エクスペンダブルズ2』のweb限定予告編でも使用された。
    • 「ヴァンダムが香港で、筋肉…フィーバー!! WOW!! 全身の毛穴で受け止めろ!!」
  • レジョネア 戦場の狼たち』(ナレーターは鈴木英一郎
    • 「戦うヴァンダム、恋するヴァンダム、涙のヴァンダム、究極のジャン=クロード・ヴァン・ダム!! スーパーヴァンダミングアクション、行くぜ!!」

他にも肉体派のアクション俳優が主演する作品では、テンションは高いが本編と無関係なフレーズや、特徴的な当て振り仮名を使用した予告が多い。

  • シルヴェスター・スタローン - 内容とは無関係に「男の○○」と銘打たれる事が多い。
  • ウェズリー・スナイプス - 内容とは無関係に「○○番長」と銘打たれる事が多い。
    • 「アクション番長」「黒い稲妻…悪をKILLッ!!」「吸血鬼ハンターブレイド EPISODE:01(BANG!)」「番長を怒らせた罪により全員…死刑!」「生まれながらの…《地獄之鬼》(「BANG-CHOW」とルビが振ってあり、「ばんちょう」と読む)だぜッ!」(『ブレイド』)
    • 「牙野郎~FANG-GUY~ A 番長」「痛快、外道真っぷたつッ!」(『ブレイド2』)
    • 「ハルマゲ番長(又は汎用人型決戦番長)」「番長~バンバ~ン♪」(『ブレイド3』)
    • 「アクション特急、重量編成通過待ち」「電車番長」「トリオ・ザ・BANG-CHOW'S」「電車舎弟(共演のウディ・ハレルソン)」「電車姉御(共演のジェニファー・ロペス)」「電車痛筋!!」「くすぐったくて キモチ イイゼ♡」(『マネー・トレイン』)
    • 「秘密番長(エージェント)は見た!!(『家政婦は見た!』のパロディ)」「《国際社会》(ゲンジツ)の正体(うらがわ)をッ!」「マジやばアクション超大作!」(『アート・オブ・ウォー』)
  • アーノルド・シュワルツェネッガー - 番組放送当時にカリフォルニア州知事2003年2011年)を務めていたことや、ビルドアップされた体がアップになるシーンをことさら強調する。
    • 「カリフォルニアからやってきた鋼(あいつ)」「闘う州知事、シュワちゃんは公約します」「1つ、超現場主義の徹底!」「2つ、宇宙人不法滞在の撲滅!!」「力こぶれ、肉密度1000%!!!(シュワルツェネッガー本人が出演していたカップヌードルのCM -キャッチコピー『ちからこぶる。』のパロディ)」「これがシュワ流、拳のマニフェスト!!!!」「これがシュワ流、歳末一斉大掃除!!(放送日が年末の場合)」など(『プレデター』)
    • 「はじけろ!筋肉!! 飛び散れ!汗!!」「怪力!!鉄骨州知事」「鉄骨州知事はタフネス設計」(『コマンドー』)
    • 「あの大物州知事も電撃参戦」(『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』クレジットには名前が無く、通り過ぎるだけのカメオ出演
  • スティーヴン・セガール - セガールが関西弁を話せたことから、予告のみ吹き替え字幕が関西弁になっている。また父親であることも強調されている。
    • 「オヤジの拳固は死ぬほど痛い」「俺を怒らせなや」「御山を汚す悪徳企業(バカタレ)は潰(ツブ)しちゃる!」「言うたやろ、怒らせンなや!」「理想の父親像No.1 スティーヴン "パパ・ザ" セガール主演!」(『沈黙の断崖』)
    • 「お父ちゃんコワイ・・・人類みんな・・・滅んでしまうん?(『火垂るの墓』における登場人物の節子のセリフのパロディ)」「安心せぇ、お父ちゃんが絶対! お前と人類、救うたるッ!!」「戦闘医師(バトルドクター)セガール先生!孤島どころか世界があぶない!(放送日の前週までは放送時間が被る木曜夜10時からは『Dr.コトー診療所』が他局で放送されていた)」(沈黙の陰謀

主な企画 編集

テレビ東京開局20周年記念
20世紀名作シネマ
30周年特別企画
35周年特別企画
闘魂祭4番勝負
陽春成龍祭(春のジャッキー・チェン祭り)
特別企画 植木等さん追悼
2000回記念

スタッフ 編集

エンディングテーマ曲 編集

ネット局 編集

以下は、放送終了時の同時ネット局。

遅れネット

  • 山陽放送 (テレビせとうち開局まで土曜深夜に約3か月遅れで放送)

脚注 編集

  1. ^ スーパーマン』『ジョーズ』などハリウッド映画の歴史的名作に似たキャラが出ていた。ただし、スーパーマンの顔は見えないようにするなど著作権には配慮していた。
  2. ^ ただし、放送内容によっては番組予告に匹敵する程のナレーションがなされる場合もある。
  3. ^ ただし、出演末期は映画本編終了後の解説がカットされたため、決め台詞も同時にカットされた。

関連項目 編集

外部リンク 編集

東京12チャンネル→テレビ東京系列 木曜21:00 - 21:54枠
前番組 番組名 次番組
木曜洋画劇場
(1968年2月 - 2009年3月)
東京12チャンネル→テレビ東京 木曜21:54 - 22:00枠
サントリー洋画劇場
※21:00 - 22:26
木曜洋画劇場
(1968年2月 - 2009年3月)
東京12チャンネル→テレビ東京系列 木曜22:00 - 22:26枠
サントリー洋画劇場
※21:00 - 22:26
木曜洋画劇場
(1968年2月 - 2009年3月)
東京12チャンネル→テレビ東京 木曜22:26 - 22:30枠
木曜洋画劇場
(1969年10月 - 2009年3月)
経済ドキュメンタリードラマ
ルビコンの決断
※22:00 - 22:54
東京12チャンネル→テレビ東京系列 木曜22:30 - 22:54枠
おとぼけ娯楽版
※22:30 - 23:00
木曜洋画劇場
(1969年10月 - 2009年3月)
経済ドキュメンタリードラマ
ルビコンの決断
※22:00 - 22:54
東京12チャンネル 木曜22:54 - 22:55枠
おとぼけ娯楽版
※22:30 - 23:00
木曜洋画劇場
(1969年10月 - 1975年9月)
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【更に1分拡大】
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おとぼけ娯楽版
※22:30 - 23:00
木曜洋画劇場
(1969年10月 - 1974年9月)
天気予報
※22:55 - 23:00
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