2022年エミリア・ロマーニャグランプリ

2022年エミリア・ロマーニャグランプリ: 2022 Emilia Romagna Grand Prix)は、2022年のF1世界選手権の第4戦として、2022年4月24日イモラ・サーキットで開催。

エミリア=ロマーニャ州の旗 2022年エミリア・ロマーニャグランプリ
レース詳細
日程 2022年シーズン第4戦
決勝開催日 4月24日
開催地 イモラ・サーキット
イタリアの旗 イタリア エミリア=ロマーニャ州 ボローニャ県 イモラ
コース長 4.909km
レース距離 63周 (309.049km)
決勝日天候 曇り
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:27.999
ファステストラップ
ドライバー オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
タイム 1:18.446
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Rolex Gran Premio Del Made In Italy E Dell'Emilia-Romagna 2022[1]

背景 編集

タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ[2]。スプリントが行われるため提供されるタイヤのセット数は従来のレースより1つ少ない12セット(ハード2、ミディアム4、ソフト6)。
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用 ウェット用
C2 C3 C4 インターミディエイト フルウェット
 
(ハード)
 
(ミディアム)
 
(ソフト)
 
(小雨用)
 
(大雨用)
DRS:1箇所[3]※( )内は検知ポイント
  • DRS1:ターン19より60m先から(ターン17から385m手前)

エントリーリスト 編集

レギュラーシートについては前戦から変更なし。

フリー走行 編集

FP1[5]
2022年4月22日 13:30 CEST(UTC+2)
トップはシャルル・ルクレール。雨のセッションでコースの各所でスピンやコースオフをする車両が見られた。
FP2[6]
2022年4月23日 12:30 CEST(UTC+2)
トップはジョージ・ラッセル。降水確率40%と予想されていたが雨が降ることはなかった。各マシンは既にパルクフェルメ下であり、セットアップは変更できないことから、スプリントや決勝に向けたロングランのデータを取るセッションとなった。ダニエル・リカルドバルテリ・ボッタスはトラブルによりこのセッションを走ることは出来なかった。

予選 編集

2022年4月22日 17:00 CEST(UTC+2)(文章の出典先[7]

ポールマックス・フェルスタッペンで今季初。2番手にシャルル・ルクレール、3番手にランド・ノリスが続いた。Q1は開始早々にアレクサンダー・アルボンの右リアブレーキから炎が上がり、後に爆発し赤旗中断。その後はレーシングラインが乾いていたこともあり、各車ソフトタイヤでラップタイムを記録した。Q2ではコースに雨雲が近づいていたことから、連続周回でラップタイムを記録するセッションとなった。カルロス・サインツは、残り11分を過ぎた頃にターン18でクラッシュし2度目の赤旗の原因を作ったが、既にタイムは記録しておりQ3には進出した。Q3ではコースアウトやマシントラブルにより3度も赤旗中断した。

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 1:19.295 1:18.793 1:27.999 1
2 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.796 1:19.584 1:28.778 2
3 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:20.168 1:19.294 1:29.131 3
4 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:20.147 1:19.902 1:29.164 4
5 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:20.198 1:19.595 1:29.202 5
6 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:19.980 1:20.031 1:29.742 6
7 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 1:19.773 1:19.296 1:29.808 7
8 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 1:20.419 1:20.192 1:30.439 8
9 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:20.364 1:19.957 1:31.062 9
10 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.305 1:18.990 10
11 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.383 1:20.757 11
12 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:20.422 1:20.916 12
13 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.470 1:21.138 13
14 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 1:19.730 1:21.434 14
15 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:20.342 1:28.119 15
16 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 1:20.474 16
17 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 1:20.732 17
18 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:21.971 18
19 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:22.338 19
NC 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス No Time 201
107% time: 1:24.311
ソース:[8][9]
追記
  • ^1 – アルボンは予選でタイムを記録していないが、スチュワードの裁定によりスプリントへの出場が認められた。

スプリント 編集

2022年4月23日 16:30 CEST(UTC+2)(文章の出典先[10]

優勝はマックス・フェルスタッペン。2番手にシャルル・ルクレール、3番手にセルジオ・ペレスが続いた。

スタートの蹴り出しが良かったルクレールは、フェルスタッペンをパスしトップに立った。ターン9でピエール・ガスリー周冠宇が接触、周はバリアに衝突しリタイア。直後にセーフティカーが導入され5周目に再開された。ルクレールは終始トップを走り続けたが、右フロントのグレイニングに苦戦、残り2周でフェルスタッペンに逆転を許した。予選では奮わなかったペレスは4ポジションアップ、クラッシュで終えたサインツは6ポジションアップでそれぞれ3,4番手となり、セカンドローまでをレッドブルとフェラーリが占めた。

スプリント結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 21 30:39.567 1 8
2 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 21 +2.975 2 7
3 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 21 +4.721 3 6
4 55   カルロス・サインツ フェラーリ 21 +17.578 4 5
5 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 21 +24.561 5 4
6 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 21 +27.740 6 3
7 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 21 +28.133 7 2
8 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 21 +30.712 8 1
9 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 21 +32.278 9
10 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 21 +33.773 10
11 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 21 +36.284 11
12 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 21 +38.298 12
13 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 21 +40.177 13
14 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 21 +41.459 14
15 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 21 +42.910 15
16 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 21 +43.517 16
17 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 21 +43.794 17
18 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 21 +48.871 18
19 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 21 +52.017 19
Ret 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 0 DNF PL1
ソース:[11][12]
追記
  • ^1 – 周はパルクフェルメ下のマシンに変更を加えたため、ピットレーンからのスタート[13]

決勝 編集

2022年4月24日 15:00 CEST(UTC+2)(文章の出典先[14]

優勝はマックス・フェルスタッペン。2位にセルジオ・ペレス、3位にランド・ノリスとなった。

各車インターミディエイトでのスタート。偶数列に並んだフェラーリ勢の蹴り出しは悪く、レッドブル勢やマクラーレン勢に先行を許した。ターン2で挙動を乱したリカルドは、アウト側のサインツと接触し共にコースアウト。サインツはグラベルから出ることが出来ず、前戦に引き続きリタイア。セーフティカー導入後、5周目にレースは再開。予想された雨が降ることはなくレーシングラインが乾き始め、20周目前後から各車ミディアムタイヤへ履き替えた。そのタイヤで走りきるためにタイヤマネジメントをする必要があり、膠着したレース展開となった。3位を走行していたルクレールは、50周目にソフトタイヤへと履き替えて2位のペレスを追ったが、残り10周のターン14の縁石で乗り上げてスピンしバリアに接触。フロントウイングを破損し、3度目のピットインで9位まで後退。その後、ポジションを上げたものの6位でレースを終えた。一方のレッドブル勢は2016年マレーシアGP以来6年ぶりに1-2フィニッシュを飾った。また、フェルスタッペンは現行のポイントシステムで最大の34ポイントを獲得したうえ[注 1][注 2]、全周リードラップとファステストラップを記録し、自身2度目のグランドスラムを達成した。

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 63 1:32:07.986 1 26FL
2 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 63 +16.527 3 18
3 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 63 +34.834 5 15
4 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 63 +42.506 11 12
5 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 63 +43.181 7 10
6 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 63 +56.072 2 8
7 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 63 +61.110 12 6
8 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 63 +70.892 13 4
9 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 63 +75.260 8 2
10 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 62 +1 Lap 15 1
11 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 62 +1 Lap 18
12 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 62 +1 Lap 17
13 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 62 +1 Lap 14
14 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 62 +1 Lap1 16
15 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 62 +1 Lap PL
16 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 62 +1 Lap 19
17 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 62 +1 Lap 10
18 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 62 +1 Lap 6
Ret 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 6 DNF 9
Ret 55   カルロス・サインツ フェラーリ 0 DNF 4
ソース:[15][16]
追記
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - オコンはピットでのアンセーフリリースにより5秒のタイムペナルティ[17]

達成された主な記録 編集

第4戦終了時点のランキング 編集

ワールド・チャンピオンシップ 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。

DHLファステストラップアワード 編集

順位 ドライバー 獲得数
  1   シャルル・ルクレール 3
  2   マックス・フェルスタッペン 1
ソース:[19]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ スプリント1位:8pt、決勝1位:25pt、ファステストラップ:1pt
  2. ^ F1史上ではダブルポイントが適用された2014年最終戦でルイス・ハミルトンが獲得した50ポイント(1位:25pt×2)

出典 編集

  1. ^ Emilia Romagna Grand Prix 2022 - Italian F1 Race, Imola”. The Official F1 Website. 2022年4月14日閲覧。
  2. ^ F1、第4戦エミリア・ロマーニャから第7戦モナコまでのタイヤ選択”. Fomula1-Data (2022年4月13日). 2022年4月18日閲覧。
  3. ^ 2022 Emilia Romagna Grand Prix - Event Notes - Circuit Map v2.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月21日). 2022年4月22日閲覧。
  4. ^ 2022 Emilia Romagna Grand Prix - Entry List.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月22日). 2022年4月22日閲覧。
  5. ^ ルクレール、雨のイモラでレッドブルを圧倒!ハミルトンは7秒落ちの18番手 / F1エミリア・ロマーニャGP《FP1》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年4月22日). 2022年4月25日閲覧。
  6. ^ ラッセル最速、アルファタウリ浮上…一変した興味深いタイムシート / F1エミリア・ロマーニャGP《FP2》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年4月23日). 2022年4月25日閲覧。
  7. ^ 5度の赤旗、フェルスタッペンが雨のイモラで今季初ポール!角田裕毅は無念 / F1エミリア・ロマーニャGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年4月23日). 2022年4月25日閲覧。
  8. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - QUALIFYING”. Formula 1 (2022年4月22日). 2022年4月25日閲覧。
  9. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - SPRINT GRID”. Formula 1 (2022年4月25日). 2022年4月22日閲覧。
  10. ^ フェルスタッペン優勝!1-3に大満足のレッドブル、角田も殊勲4アップ / F1エミリア・ロマーニャGP《Sprint》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  11. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - SPRINT”. Formula 1 (2022年4月23日). 2022年4月25日閲覧。
  12. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - STARTING GRID”. Formula 1 (2022年4月23日). 2022年4月25日閲覧。
  13. ^ スプリントでクラッシュした周冠宇はピットレーンスタート/2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGPグリッド”. auto sport Web (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  14. ^ レッドブル、6年ぶり1-2!母国フェラーリは悪夢…角田裕毅は殊勲7位 / F1エミリア・ロマーニャGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  15. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - RACE RESULT”. Formula1.com (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  16. ^ FORMULA 1 ROLEX GRAN PREMIO DEL MADE IN ITALY E DELL'EMILIA-ROMAGNA 2022 - FASTEST LAPS”. Formula1.com (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  17. ^ 2022 Emilia Romagna Grand Prix - Offence - Car 31 - Unsafe release.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
  18. ^ a b Formula One 2022 Emilia Romagna Grand Prix Standings”. Motorsport Stats (2022年4月24日). 2022年10月11日閲覧。
  19. ^ 2022 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula1.com (2022年4月24日). 2022年4月25日閲覧。
前戦
2022年オーストラリアグランプリ
FIA F1世界選手権
2022年シーズン
次戦
2022年マイアミグランプリ
前回開催
2021年エミリア・ロマーニャグランプリ
  エミリア・ロマーニャグランプリ 次回開催
2024年エミリア・ロマーニャグランプリ
2023年は水害により中止。