2022年サンパウログランプリ

2022年サンパウログランプリ: 2022 São Paulo Grand Prix)は、2022年のF1世界選手権の第21戦として、2022年11月13日インテルラゴス・サーキットにて開催。

ブラジルの旗 2022年サンパウログランプリ
レース詳細
日程 2022年シーズン第21戦
決勝開催日 11月13日
開催地 インテルラゴス・サーキット
ブラジルの旗 ブラジル サンパウロ
コース長 4.309km
レース距離 71周 (305.879km)
決勝日天候 晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:11.674
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジョージ・ラッセル
タイム 1:13.785(61周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Heineken Grande Prêmio De São Paulo 2022[1]

背景 編集

タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ[2]。スプリントが行われるため提供されるタイヤのセット数は従来のレースより1つ少ない12セット(ハード2、ミディアム4、ソフト6)。
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用 ウェット用
C2 C3 C4 インターミディエイト フルウェット
 
(ハード)
 
(ミディアム)
 
(ソフト)
 
(小雨用)
 
(大雨用)
DRS:2箇所[3]※( )内は検知ポイント
  • DRS1:ターン3より30m先から(ターン2のエイペックス)
  • DRS2:ターン15の160m手前から(ターン13から30m先)

エントリーリスト 編集

レギュラーシートについては前戦から変更なし。

  • ^1 - サージェントはアルボンに代わってFP2を走行する[5]

フリー走行 編集

FP1[6]
2022年11月11日 12:30 BRT(UTC-3)
トップはセルジオ・ペレス。2番手のシャルル・ルクレールは0.004秒差、3番手のマックス・フェルスタッペンは0.008秒差という僅差となった。
FP2[5]
2022年11月12日 12:30 BRT(UTC-3)
トップはエステバン・オコン。スプリントが開催されたこれまでのグランプリと同様にデータ収集やスプリントの準備に向けた走行となった。ウィリアムズ前戦のFP1でスーパーライセンスポイントを得られなかったローガン・サージェントアレクサンダー・アルボンに代えて走らせた。

予選 編集

2022年11月11日 16:00 BRT(UTC-3)(文章の出典先[7]

ポールケビン・マグヌッセンで参戦140戦目で初の獲得となった。2番手はマックス・フェルスタッペン、3番手はジョージ・ラッセル

Q1では路面が濡れたなかで始まったが経過と共に乾き始め、最初にソフトタイヤへ履き替えたピエール・ガスリーが全体ベストを出したことから一斉に履き替える展開となった。アルファロメオ勢とウィリアムズ、アルファタウリ、ハースの1台ずつ脱落した。Q2では11番手のアレクサンダー・アルボンから13番手のセバスチャン・ベッテルが、10番手のエステバン・オコンに対し0.1秒以内という僅かな差で脱落した。Q3では中盤にジョージ・ラッセルがコースアウトし赤旗中断となった。再開後には路面がウェットになったため、中断前にトップタイムを記録していたマグヌッセンがポールポジションを獲得した。

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:13.954 1:11.410 1:11.674 1
2 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 1:13.625 1:10.881 1:11.877 2
3 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 1:14.427 1:11.318 1:12.059 3
4 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:13.106 1:11.377 1:12.263 4
5 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1:14.680 1:10.890 1:12.357 5
6 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:14.663 1:11.587 1:12.425 6
7 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:13.542 1:11.394 1:12.504 7
8 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:13.403 1:11.539 1:12.611 8
9 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 1:13.613 1:11.456 1:15.601 9
10 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:14.486 1:10.950 DNF 10
11 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 1:14.324 1:11.631 11
12 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 1:14.371 1:11.675 12
13 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:13.597 1:11.678 13
14 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:14.931 1:12.140 14
15 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:14.398 1:12.210 15
16 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:15.095 16
17 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 1:15.197 17
18 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 1:15.486 18
19 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 1:16.264 19
20 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:16.361 20
107% time: 1:18.223
ソース:[8][9]

スプリント 編集

2022年11月12日 16:30 BRT(UTC-3)(文章の出典先[10]

優勝はジョージ・ラッセル、2位にカルロス・サインツ、3位にルイス・ハミルトンが続いた。

ポールスタートのケビン・マグヌッセンは周囲のマシンに比べ戦闘力は低いため、少しずつ順位を落とすも8位でゴールし1ポイントを獲得した。3番手スタートのラッセルは15周目にトップのマックス・フェルスタッペンを追い抜き、スプリントでの初優勝を飾った。後方ではチームメイト同士が争う場面が見られ、6,7番手スタートだったアルピーヌ勢はスタート直後のターン4とメインストレートで接触、双方がダメージを負い17,18位でレースを終えた。アストンマーティン勢は、ランス・ストロールセバスチャン・ベッテルをコース外に追い出したとして、10秒のタイムペナルティと3点のペナルティポイントが科された。

スプリント結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts. Final
Grid
1 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 24 30:11.307 3 8 1
2 55   カルロス・サインツ フェラーリ 24 +3.995 5 7 73
3 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 24 +4.492 8 6 2
4 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 24 +10.494 2 5 3
5 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 24 +11.855 9 4 4
6 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 24 +13.133 10 3 5
7 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 24 +25.624 4 2 6
8 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 24 +28.768 1 1 8
9 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 24 +30.218 13 9
10 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 24 +34.170 12 10
11 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 24 +39.395 14 11
12 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 24 +41.159 20 12
13 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 24 +41.763 17 13
14 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 24 +42.338 18 14
15 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 24 +50.306 19 PL4
16 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 24 +50.7001 15 15
17 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 24 +51.756 6 16
18 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 24 +53.9852 7 17
19 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 24 +76.850 16 18
Ret 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 12 DNF 11 19
ソース:[9][11][12]
  • ^1 - ストロールは危険な方法で他車をコース外へ追い出したとして10秒のタイムペナルティ[13]
  • ^2 - アロンソは他車と接触したため5秒のタイムペナルティ[14]
  • ^3 - サインツは追加のパワーユニットを使用したため5グリッド降格ペナルティ[15]
  • ^4 - 角田はパルクフェルメ下のマシンに変更を加えたためピットレーンからのスタート[16]

決勝 編集

2022年11月13日 15:00 BRT(UTC-3)(文章の出典先[17]

優勝はジョージ・ラッセル。2位にルイス・ハミルトン、3位にカルロス・サインツが続いた。メルセデスはシーズン初優勝と2020年エミリア・ロマーニャGP以来、2年ぶりの1-2フィニッシュを飾った。

スタートでの接触はなかったが、ターン9でダニエル・リカルドケビン・マグヌッセンに追突、共にダメージが大きくその場でリタイアとなり、セーフティカー(SC)が導入された。レースは7周目に再開、直後にターン2へ並んで進入したルイス・ハミルトンマックス・フェルスタッペンが接触した。フェルスタッペンは破損したフロントウイングを交換し最後尾まで後退、さらにこの接触に非があるとして5秒のタイムペナルティが科された。その直後にも3位争いをしていたランド・ノリスシャルル・ルクレールが接触し、ピットインを余儀なくされたルクレールは後退、ノリスには5秒のタイムペナルティが科された。ハミルトンはフェルスタッペンとの接触で8番手まで後退したが、徐々に追い上げ45周目に2番手のセルジオ・ペレスを追い抜き、メルセデス勢が1-2とした。52周目にはノリスがトラブルによりコース上にマシンを停めたためVSCが導入され、のちにSCへと切り替えられた。各車の差がなくなった60周目にレースは再開されたが、ラッセルはファステストラップを記録しながらハミルトンとの差を広げ、最終的に1.529秒の差をつけ初優勝を飾った。

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 71 1:38:34.044 1 26FL
2 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 71 +1.529 2 18
3 55   カルロス・サインツ フェラーリ 71 +4.051 7 15
4 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +8.441 5 12
5 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 71 +9.561 17 10
6 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 71 +10.056 3 8
7 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 71 +14.080 4 6
8 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 71 +18.690 16 4
9 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 71 +22.552 14 2
10 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 71 +23.552 15 1
11 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 71 +26.183 9
12 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 71 +29.325 13
13 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 71 +29.899 12
14 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 71 +31.867 10
15 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 71 +36.016 19
16 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 71 +37.038 18
17 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 70 +1 Lap PL
Ret 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 50 DNF 6
Ret 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 0 DNF 8
Ret 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 0 DNF 11
ソース:[12][18][19]
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - ガスリーはピットレーンの速度制限を超過したため、5秒のタイムペナルティ[17]

第21戦終了時点のランキング 編集

ワールド・チャンピオンシップ 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。

DHLファステストラップアワード 編集

順位 ドライバー 獲得数
  1   マックス・フェルスタッペン 5
  2 2   ジョージ・ラッセル 4
  1 3   シャルル・ルクレール 3
  1 4   セルジオ・ペレス 3
  5   カルロス・サインツ 2
ソース:[21]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ Sao Paulo Grand Prix 2022, Brazil - F1 Race”. The Official F1 Website. 2022年11月10日閲覧。
  2. ^ Event Notes - Pirelli Preview” (英語). FIA.com (2022年11月9日). 2022年11月10日閲覧。
  3. ^ Event Notes - Circuit Map, Pit Lane Drawing and Red Zone” (英語). FIA.com (2022年11月10日). 2022年11月11日閲覧。
  4. ^ Entry List” (英語). FIA.com (2022年11月11日). 2022年11月13日閲覧。
  5. ^ a b エステバン・オコンがトップ、サージェントはスーパーライセンス得点追加 / F1サンパウロGP《FP2》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  6. ^ セルジオ・ペレス最速も未知数だらけ…スリル満載の予選期待 / F1サンパウロGP《FP1》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  7. ^ マグヌッセン、140戦目で衝撃初ポール「夢を見ているようで怖い!」と歓喜ハース / F1サンパウロGP《予選》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  8. ^ FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - QUALIFYING”. Formula1.com (2022年11月11日). 2022年11月13日閲覧。
  9. ^ a b FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - SPRINT GRID”. Formula1.com (2022年11月11日). 2022年11月13日閲覧。
  10. ^ ラッセル優勝、フェルスタッペン後退…違反疑惑もメルセデス最前列独占 / F1サンパウロGP《スプリント》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年11月13日). 2022年11月13日閲覧。
  11. ^ FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - SPRINT”. Formula1.com (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  12. ^ a b FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - STARTING GRID”. Formula1.com (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  13. ^ 僚友ベッテルを「危険な形で追いやった」ストロールに大量ペナルティポイント”. FIA.com (2022年11月13日). 2022年11月13日閲覧。
  14. ^ F1サンパウロGP:オコンとの接触でアロンソに2つの罰則「大いに失望」2人を一喝するアルピーヌ代表、角田裕毅昇格”. FIA.com (2022年11月13日). 2022年11月13日閲覧。
  15. ^ F1サンパウロ PU投入状況:フェラーリ勢3台が開封、サインツが降格ペナルティ”. FIA.com (2022年11月12日). 2022年11月13日閲覧。
  16. ^ 【追記】角田はピットレーンスタートに。サインツとアロンソが降格/2022年F1第21戦ブラジルGPグリッド”. auto sport Web (2022年11月13日). 2022年11月14日閲覧。
  17. ^ a b ラッセル、”涙”の初優勝!大物絡みの事故と不協和音…角田は”不可解”展開で最下位 / F1サンパウロGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年11月14日). 2022年11月14日閲覧。
  18. ^ FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - RACE RESULT”. Formula1.com (2022年11月13日). 2022年11月14日閲覧。
  19. ^ FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÊMIO DE SÃO PAULO 2022 - FASTEST LAPS”. Formula1.com (2022年11月13日). 2022年11月14日閲覧。
  20. ^ a b Formula One 2022 Brazilian Grand Prix Standings”. Motorsport Stats (2022年11月13日). 2022年11月14日閲覧。
  21. ^ 2022 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula1.com (2022年11月13日). 2022年11月14日閲覧。
前戦
2022年メキシコシティグランプリ
FIA F1世界選手権
2022年シーズン
次戦
2022年アブダビグランプリ
前回開催
2021年サンパウログランプリ
  サンパウログランプリ 次回開催
2023年サンパウログランプリ