2022年メキシコシティグランプリ

2022年メキシコシティグランプリ: 2022 Mexico City Grand Prix)は、2022年のF1世界選手権の第20戦として、2022年10月30日エルマノス・ロドリゲス・サーキットにて開催。

メキシコの旗 2022年メキシコシティグランプリ
レース詳細
日程 2022年シーズン第20戦
決勝開催日 10月30日
開催地 エルマノス・ロドリゲス・サーキット
メキシコの旗 メキシコ メキシコシティ
コース長 4.304km
レース距離 71周 (305.354km)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:17.775
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジョージ・ラッセル
タイム 1:20.153(71周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Gran Premio De La Ciudad De México 2022[1]

背景 編集

タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ。提供されるセット数はハード2、ミディアム3、ソフト8[2]
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用 ウェット用
C2 C3 C4 インターミディエイト フルウェット
 
(ハード)
 
(ミディアム)
 
(ソフト)
 
(小雨用)
 
(大雨用)
タイヤテスト
FP2にて2023年仕様のタイヤテストが以下のルールの下で行われた[3]
  • ピレリが指定する走行計画に従う
  • 車両の仕様は固定
  • スタート練習、DRSの使用、セットアップの変更[4]、ドライバーの交代:不可
  • ピットストップの練習:可能
FP1にてルーキードライバーへシートを譲ったドライバーは、開始45分までは通常通りのプログラム。残り45分で上記のタイヤテストを行った。
DRS:3箇所[5]※( )内は検知ポイント
  • DRS1:ターン11より80m先から(ターン9から70m先)
  • DRS2:ターン17より165m先から(ターン15の出口)
  • DRS3:ターン3より115m先から(DRS2と同様)
チャンピオンシップの行方
ドライバーズタイトル
日本GP終了時点でマックス・フェルスタッペンが獲得している。
  • コンストラクターズタイトル
レッドブルが前戦のアメリカGPで2位以下に147ポイント以上の差をつけたため、コンストラクターズタイトルを獲得した。

エントリーリスト 編集

前戦から変更なし。

フリー走行 編集

FP1[12]
2022年10月28日 13:00 CDT(UTC-5)
トップはカルロス・サインツ、2位にシャルル・ルクレールが続きフェラーリ勢が1-2とした。5チームがFP1にルーキードライバーを走らせたが、ハースピエトロ・フィッティパルディアルピーヌジャック・ドゥーハン英語版はいずれもトラブルにより早々に切り上げた。アルファタウリリアム・ローソンもセッションの終盤にブレーキから出火し赤旗中断の原因となり、セッションはそのまま終了した。
FP2[13]
2022年10月28日 16:00 CDT(UTC-5)
トップはジョージ・ラッセル。2023年仕様のタイヤテストのためにセッションが90分間に延長され、ピレリが定めたルールに沿ってテストが行われた。セッション開始から30分経たないうちにルクレールはターン7でクラッシュし20分の赤旗中断の原因となり、セッション終盤には周冠宇がトラブルによりスタジアムセクションでマシンを停めたため、赤旗中断となりそのままセッションが終了した。
FP3[14]
2022年10月29日 12:00 CDT(UTC-5)
トップはラッセル、2番手にルイス・ハミルトンが続きメルセデス勢の1-2となった。ミック・シューマッハがターン11でスピンをしたが、タイヤにフラットスポットを作るだけに留まり、FP1,2のように赤旗が出ることは無かった。

予選 編集

2022年10月29日 15:00 CDT(UTC-5)(文章の出典先[15]

ポールマックス・フェルスタッペンがシーズン6回目、通算19回目の獲得。2番手にジョージ・ラッセル、3番手にルイス・ハミルトンが続いた。

Q1ではミック・シューマッハとセバスチャン・ベッテルが同タイムを記録し暫定15,16番手としたが、ケビン・マグヌッセンが0.126秒差で上回り共にQ1脱落となった。Q2では5番手までが0.063以内に収まる接戦となり、アルファタウリ勢とマクラーレンアルファロメオハースの1台ずつが脱落した。Q3ではここまでハミルトンが最速タイムを記録していたが、フェルスタッペンのみ1分17秒台を記録し2番手以下に0.304秒差をつけた。

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 1:19.222 1:18.566 1:17.775 1
2 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 1:19.583 1:18.565 1:18.079 2
3 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.169 1:18.552 1:18.084 3
4 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 1:19.706 1:18.615 1:18.128 4
5 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.566 1:18.560 1:18.351 5
6 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 1:19.523 1:18.762 1:18.401 6
7 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.505 1:19.109 1:18.555 7
8 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:19.857 1:19.119 1:18.721 8
9 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:20.006 1:19.272 1:18.939 9
10 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:19.945 1:19.081 1:19.010 10
11 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:20.279 1:19.325 11
12 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 1:20.283 1:19.476 12
13 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 1:19.907 1:19.589 13
14 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 1:20.256 1:19.672 14
15 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:20.293 1:19.833 191
16 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:20.419 15
17 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:20.419 16
18 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:20.520 202
19 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 1:20.859 17
20 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:21.167 18
107% time: 1:24.710
ソース:[16][17]
  • ^1 - マグヌッセンは6基目のICEを使用したため5グリッド降格[18]
  • ^2 - ストロールは前戦でのアロンソとの接触により3グリッド降格[18]

決勝 編集

2022年10月30日 14:00 CST(UTC-6)(文章の出典先[19][20]

優勝はマックス・フェルスタッペンでシーズン14勝目、通算34勝目。2位にルイス・ハミルトン、3位にセルジオ・ペレスとなった。

スタートタイヤにレッドブルフェラーリ勢などがソフト、メルセデス勢はミディアムを選択した。2番手スタートだったジョージ・ラッセルはターン4までに2つポジションを落とし、4番手まで後退。14周目にはピエール・ガスリーランス・ストロールを追い抜く際にコース外へ押し出したとして5秒ペナルティが課された。レッドブル勢は23周目と26周目にピット作業を行いミディアムタイヤへ交換、メルセデス勢は30周目と35周目にピット作業を行いハードタイヤへ交換した。残り23周で11番手争いをしていた角田裕毅ダニエル・リカルドがターン6で接触、角田はピットまで自走したが接触の影響によりリタイア。残り9周で9番手だったフェルナンド・アロンソがトラブルによりマシンをコース脇に停めたためVSCが導入されたが、レース展開に影響はなかった。レース後に「タイヤ戦略は正しくなかった」とコメントしたようにハードタイヤを選択したメルセデス勢がレッドブル勢に仕掛けられる場面はなく、フェルスタッペンがハミルトン以下に15秒の差をつけて優勝した。

この優勝により、ミハエル・シューマッハ2004年)とセバスチャン・ベッテル2013年)が記録した年間13勝の記録を更新したほか、獲得ポイントが416となりシーズン最多ポイントの記録も更新した[21][22]

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 1   マックス・フェルスタッペン レッドブル-RBPT 71 1:38:36.729 1 25
2 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 71 +15.186 3 18
3 11   セルジオ・ペレス レッドブル-RBPT 71 +18.097 4 15
4 63   ジョージ・ラッセル メルセデス 71 +49.431 2 13FL
5 55   カルロス・サインツ フェラーリ 71 +58.123 5 10
6 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +68.774 7 8
7 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 70 +1 Lap2 11 6
8 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 70 +1 Lap 10 4
9 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 70 +1 Lap 8 2
10 77   バルテリ・ボッタス アルファロメオ-フェラーリ 70 +1 Lap 6 1
11 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-RBPT 70 +1 Lap 14
12 23   アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ-メルセデス 70 +1 Lap 17
13 24   周冠宇 アルファロメオ-フェラーリ 70 +1 Lap 12
14 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 70 +1 Lap 16
15 18   ランス・ストロール アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 70 +1 Lap 20
16 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 70 +1 Lap 15
17 20   ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 70 +1 Lap 19
18 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 69 +2 Laps 18
191 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 63 DNF 9
Ret 22   角田裕毅 アルファタウリ-RBPT 50 DNF 13
ソース:[17][23][24]
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - DNFだがレース距離の90%以上を走行したため規定により完走扱い
  • ^2 - リカルドは角田とターン6で接触したため、10秒のタイムペナルティ[25]

第20戦終了時点のランキング 編集

ワールド・チャンピオンシップ 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。

DHLファステストラップアワード 編集

順位 ドライバー 獲得数
  1   マックス・フェルスタッペン 5
  2   シャルル・ルクレール 3
  3   セルジオ・ペレス 3
  2 4   ジョージ・ラッセル 3
  1 5   カルロス・サインツ 2
ソース:[27]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ Mexico City Grand Prix 2022 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2022年10月26日閲覧。
  2. ^ Event Notes - Pirelli Preview”. FIA.com (2022年10月26日). 2022年10月28日閲覧。
  3. ^ Event Notes - Guidance for in-event tyre testing”. FIA.com (2022年10月27日). 2022年10月29日閲覧。
  4. ^ テストを行うために必要な変更はピレリに許可を得たうえで可能
  5. ^ 2022 Mexican Grand Prix - Event Notes - Circuit Map, Pit Lane Drawing and Red Zone” (英語). FIA.com (2022年10月27日). 2022年10月28日閲覧。
  6. ^ Entry List” (英語). FIA.com (2022年10月28日). 2022年10月29日閲覧。
  7. ^ メルセデス、F1メキシコGPでデ・フリースを起用…若手起用義務消化へ”. Fomula1-Data (2022年10月27日). 2022年10月27日閲覧。
  8. ^ アルピーヌF1、FP1に育成ドライバーのジャック・ドゥーハンを起用へ。メキシコ&アブダビで走行”. auto sport Web (2022年10月26日). 2022年10月27日閲覧。
  9. ^ リアム・ローソン、角田裕毅に代わってアルファタウリAT03をドライブ…F1メキシコGPのFP1で”. Fomula1-Data (2022年10月26日). 2022年10月27日閲覧。
  10. ^ ローガン・サージェント、スーパーライセンスを取得できれば2023年にウイリアムズからF1デビューへ”. auto sport Web (2022年10月23日). 2022年10月27日閲覧。
  11. ^ ハースF1のリザーブ、ピエトロ・フィッティパルディがメキシコ&アブダビのFP1で走行へ。若手テスト規則に基づく出場”. auto sport Web (2022年10月12日). 2022年10月27日閲覧。
  12. ^ トラブル多発で赤旗、1-2発進でレッドブルを退けたフェラーリ / F1メキシコGP《FP1》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年10月29日). 2022年10月29日閲覧。
  13. ^ 角田裕毅 2番手、ルクレールの事故で20分近く赤旗中断 / F1メキシコGP《FP2》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年10月29日). 2022年10月29日閲覧。
  14. ^ メルセデス1-2、角田裕毅は好調維持のTOP10…ベッテルはマシンの酷さに”ショック” / F1メキシコGP《FP3》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年10月30日). 2022年10月31日閲覧。
  15. ^ 大混戦…フェルスタッペン、メルセデス下してPP!フェラーリ大敗。角田裕毅 無念 / F1メキシコGP《予選》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年10月30日). 2022年10月31日閲覧。
  16. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2022 - QUALIFYING”. Formula1.com (2022年10月29日). 2022年10月31日閲覧。
  17. ^ a b FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2022 - STARTING GRID”. Formula1.com (2022年10月29日). 2022年10月31日閲覧。
  18. ^ a b 角田は13番手から。ストロール、マグヌッセンに降格ペナルティ/2022年F1第20戦メキシコGPグリッド”. auto sport Web (2022年10月30日). 2022年10月31日閲覧。
  19. ^ フェルスタッペン、最多優勝記録を更新!角田裕毅は”もらい事故”でDNF / F1メキシコGP《決勝》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年10月31日). 2022年11月1日閲覧。
  20. ^ 2位ハミルトン、タイヤ選択を悔やむ「レッドブルを見て『しまった』と思った」代表も「戦略は誤り」と発言/F1第20戦”. auto sport Web (2022年10月31日). 2022年11月1日閲覧。
  21. ^ 勝者フェルスタッペン「メルセデスは別のタイヤ戦略を採ったとしても僕を抜くことはできなかっただろう」/F1第20戦”. auto sport Web (2022年10月31日). 2022年11月1日閲覧。
  22. ^ これまでの最高記録は、ルイス・ハミルトンが2019年に記録した413ポイント。
  23. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2022 - RACE RESULT”. Formula1.com (2022年10月30日). 2022年11月1日閲覧。
  24. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE LA CIUDAD DE MÉXICO 2022 - FASTEST LAPS”. Formula1.com (2022年10月30日). 2022年11月1日閲覧。
  25. ^ 角田裕毅との事故について釈明するリカルド、7位に歓喜も心境複雑”. Fomula1-Data (2022年10月31日). 2022年11月1日閲覧。
  26. ^ a b Formula One 2022 Mexican Grand Prix Standings”. Motorsport Stats (2022年10月30日). 2022年11月1日閲覧。
  27. ^ 2022 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula1.com (2022年10月30日). 2022年11月1日閲覧。
前戦
2022年アメリカグランプリ
FIA F1世界選手権
2022年シーズン
次戦
2022年サンパウログランプリ
前回開催
2021年メキシコシティグランプリ
  メキシコシティグランプリ 次回開催
2023年メキシコシティグランプリ