そずり鍋
概要
編集津山は出雲街道が通る交通の要衝であり、705年には農耕用、輸送用の牛馬の市が開かれていたという記録が残っている[2][3]。江戸時代も津山藩においては、滋養強壮の食材、養生食い(ようじょうぐい)として、彦根藩と共に牛肉食を江戸幕府から許可されていた[3]。
「津山四大牛肉料理」として、脂身の少ない牛肉を塩もみして天日干しした干し肉、牛のアキレス腱を煮込んだ煮こごり、ヨメナカセ(牛の大動脈)を焼いたり、揚げて天ぷらにした料理、そして、そずり鍋といった牛肉文化が発達した[2][3]。なお、近年では津山ホルモンうどんを合わせて「津山五大牛肉料理」とも呼称する[3]。
「そずり」とは津山方言で「削る」の意である[3]。牛の骨(牛のアバラ骨)についた肉をそずり(削り)落とし、野菜や豆腐と一緒に甘辛い割下で煮込んだ料理である[1][3][4]。
津山市では年間を通して多くの飲食店で提供されている[5]。
2022年にはセブン-イレブンから電子レンジ加熱して食べる商品が岡山県内と四国4県のセブン-イレブンで販売された[6][7]。製品の完成試食会には津山市長の谷口圭三も参加し、「本物である」との感想を述べ、製品によって津山を訪れるきっかけになれば良いと語った[7]。
出典
編集- ^ a b 「津山をオンラインで体感」『田舎暮らしの本』2021年11月号、宝島社、12頁。
- ^ a b 瀬川慧「食の絶滅危惧種 第35回 津山の「干し肉」」『Dancyu』2022年6月号、プレジデント社、110頁。
- ^ a b c d e f アサノヨウスケ (2020年3月16日). “江戸時代から肉食が続く「牛肉王国」津山でホルモンうどん、干し肉、そずり肉、ヨメナカセを食べる”. Hotpepper. 2023年7月29日閲覧。
- ^ a b 吉川喬「「100年フード」にキジが具材の郷土料理など 岡山から4品選出」『朝日新聞』2023年4月22日。2023年7月29日閲覧。
- ^ “牛の旨味と食感が楽しめる岡山謎グルメ「そずり鍋」とは? 地元民のウエストランドが魅力を紹介” (2023年2月28日). 2023年7月29日閲覧。
- ^ “津山の郷土料理“そずり鍋”がコンビニ商品に” (2022年11月11日). 2023年7月29日閲覧。
- ^ a b “セブンイレブン担当者「こんなにおいしい鍋があるんだだったら…」岡山県北のご当地鍋「そずり鍋」商品化 市長も試食” (2022年11月13日). 2023年7月29日閲覧。
外部リンク
編集- そずり鍋 - 岡山観光WEB
- 全国各地の100年フード - 文化庁