野菜
野菜(やさい、英: vegetable)とは、低加工でおもに副食として利用される草本性の栽培植物のこと、またはその可食部のことである。蔬菜(そさい)や菜(さい)、青物(あおもの)ともよばれる。ただし、「野菜」は慣用的な語であり国や分野によって含まれる植物はやや異なるため、「野菜」を明確に定義することはできない。食用とする部位は葉や茎、根、つぼみ、花、果実などさまざまであり、一般的にはこれに応じて果菜類(果実や種子を利用)、葉菜類(葉や地上茎、花を利用)、根菜類(根や地下茎を利用)に分けられる。また、香りや辛味が強い香辛野菜、カロテン含量が多い緑黄色野菜などがある。
野菜は一般的に貯蔵性が低く時期が限られたものであったが、ビニールハウスなどの技術の発展によっておもな野菜は一年中供給されるようになっている。近年では化学肥料・農薬を使用しない有機野菜に対する需要が増加し、また高度に管理された野菜工場も見られるようになった。野菜の中には、生食するものや、煮るもの、焼くもの、漬物にするものなどがある。一般的に、野菜は柔軟多汁で低カロリー、ビタミンやミネラル、食物繊維に富むものが多いが、マメ類やイモ類はデンプンやタンパク質を多く含む。また、ポリフェノールなど人の健康に有用と考えられている物質を含み、生活習慣病予防などで重要視されている。
定義
編集おもに副食(主食や間食ではない)として、無加工または低加工で利用される草本性の栽培植物は、野菜とよばれる[1][2][3]。蔬菜や菜、青物ともよばれる[2][3][4][5][6][7]。
ただし、「野菜」は慣用的な用語であり、国や分野によって野菜に含まれる植物はやや異なるため、明確な定義はできない[1][8][9]。たとえばメロンやスイカ、イチゴは甘く、ふつう間食に利用されるため、消費分野では果物として扱われるが、草本に実ることから、日本の生産分野では野菜として扱われる[1][3][10][11][8][12]。そのため、特に「果実的野菜」や「果物的果菜」とよばれることがある[1][10]。また、サツマイモやジャガイモなどイモ類は副食とされる際には野菜であるが、主食や加工品原料とされることも多く、野菜とは分けて扱われることもある[3][13][14]。マメ類やトウモロコシの未熟な果実・種子(サヤエンドウ、スイートコーンなど)は野菜として扱われるが、完熟したものは穀物として扱われることが多い[1]。ただし、完熟したものであっても、副食に用いられる場合は野菜として扱われる[13]。コメは日本においては最も重要な主食であるが、ヨーロッパでは付け合せなどに使われるため、野菜として扱われることがある[13]。また、タラノキやサンショウは草ではなく木本植物であるが、副食に使われるため野菜として扱われることがある[9]。
栽培植物である「野菜」に対して、同様に利用される野生植物は「山菜」とよばれる[1][15]。一般的に、山菜は野菜に比べて栽培効率が悪いが、近年になって地域産品の需要や販路が拡大しており、それに伴って栽培されている例も多い(アシタバ、フキ、ウド、タラ、ワラビなど)[1][15]。現在市場に流通している山菜の多くは栽培品であり[1]、これらを野菜として扱うこともある[16][17][9][12]。
日本では、菌類(シイタケ、エノキタケ、ナメコなど)も野菜に含めることがある[18]。また、日本では藻類(海苔、ワカメ、ヒジキなど)の利用が多く、野菜とは別に扱われているが、他の国では野菜に含めていることが多い[1]。
古くは、食用とする草本植物を「蔬菜(または菜、蔬)」と総称し、そのうち野生のものを「野菜」、栽培されるものを「園菜(園蔬、圃菜)」とよんでいた[2][4]。しかし、その後は園菜の語は使われなくなり、やがて現在と同様に栽培されるものが「野菜」とよばれるようになり、また野生のものは「山菜」とよばれるようになった[4]。ただし、官公庁などでの公式的な表現では、栽培されるものは「蔬菜」とよばれていた[2][12][7]。しかし第二次世界大戦後には「蔬菜」の「蔬」が常用漢字外となったこともあって官公庁でも「野菜」の語が用いられるようになった[19]。
英語の "vegetable" は、ラテン語の vegetabilis(活力を与える)に由来する[4]。
代表的な野菜
編集下表には、FAOSTAT(国際連合食糧農業機関のデータベース)において世界生産量が100万トン以上のもの(2022年)[20]、および日本における指定野菜(***; 消費量が多く、収穫量と出荷量が毎年調査される)と特定野菜(**; 指定野菜に準ずる野菜)[21][22]を記している。下表の中でメロン、スイカ、イチゴはふつう果物として扱われるが、草本に実るため日本の生産分野では野菜(果実的野菜、果物的果菜)として扱われている[14]。また、マメ類やトウモロコシの完熟品、イモ類(ジャガイモ、サツマイモ、ヤムイモなど)は主食や加工品原材料に利用されることも多く、野菜とは別に扱われることもある[13][14]。
下表は、果菜、葉菜(茎菜、花菜を含む)、根菜の順で表記してある。ただし、同一の植物種の別の器官(葉と根など)が食用とされることもある(ダイコンなど)。
分類
編集食用部位による分類
編集野菜は食用とする部位の違いに基づいて分類されることがあり、果実や種子を食用部位とするものを果菜類、地上茎を食用部位とするものを茎菜類、葉や葉柄を食用部位とするものを葉菜類、花序や花を食用部位とするものを花菜類、根や地下茎を食用部位とするものを根菜類とよぶ[41][42][43]。ただし、葉や茎、花は分けずに利用されることも多く、茎菜類や花菜類は、広義の葉菜類または葉茎菜類にまとめられることが多い[44][1][10]。
- 果菜類(実もの野菜[45][46]、成り物野菜ともいう)
- 葉菜類(葉もの野菜[45][46])または葉茎菜類
- 狭義には葉を食用部位とする野菜のことであるが、アスパラガスやウドなど地上茎を食用部とする茎菜類(茎もの野菜[45])や、ブロッコリーやミョウガなど花芽・花を食用部とする花菜類を含めて広義の葉菜類や葉茎菜類とすることが多い[1][43][47]。また、カイワレダイコンやモヤシのように芽生えの茎葉を利用するものは、とくにスプラウト(新芽野菜、発芽野菜)とよばれる[48][49]。
- キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、タアサイ、ホウレンソウ、モロヘイヤ、ツルムラサキ、クウシンサイ、シソ、セリ、ミツバ、セロリ、パセリ、ウド、レタス、エンダイブ、チコリ、シュンギク、フキ、食用菊、アーティチョーク、ニラ、ネギ、ワケギ、アスパラガス、ミョウガなど[23]。
- 根菜類(根もの野菜[45][46])
- 地中にある根や地下茎(根茎、球茎、塊茎、鱗茎)を食用部位とする野菜[1]。サツマイモ、ジャガイモ、タロイモ(サトイモなど)、ヤムイモ(ヤマノイモなど)、キャッサバなどは主食や加工品原料に使われることが多いため、「イモ類」として野菜とは分けて扱われることがある[14][50]。タマネギやニンニク、ラッキョウは地中にできるため根菜として扱われることもあるが、可食部である鱗茎の主体は特殊化した葉(鱗茎葉)であり、葉菜類(葉茎菜類)として扱われることも多く[31][10]、またネギやニラなど他のネギ属野菜と合わせてネギ類[23]や鱗茎菜類[16]として他と分けられることもある。
- ダイコン、ラディッシュ、カブ、ビーツ、ニンジン、ゴボウ、キャッサバ、サツマイモ、ヤーコン、ショウガ、レンコン、サトイモ、クワイ、ヤマイモ、ジャガイモ、タマネギ[注 18]、ニンニク[注 18]、百合根など[23]。
果菜類(および花菜類)では花を咲かせることが必要であるが、葉菜類や根菜類では花茎が伸びて花芽が形成されると(抽台とよばれる)食用部分の品質が低下する[4]。そのため、このような野菜は抽台しにくい品種や抽台しにくい季節に栽培される[4]。
植物分類学による分類
編集植物分類学における区分では、野菜はさまざまな科に属する[1]。ただし、アブラナ科、マメ科、ウリ科、ナス科、キク科、セリ科などいくつかの科が特に多くの野菜を含む。以下に、一般的な被子植物の科の配列に沿って野菜を含むおもな科を列記している[23][24]。同じ科に属する野菜はしばしば味や栄養価が似ており、また栽培に関しても共通点がある[45]。
- ハゴロモモ科(ジュンサイ科):ジュンサイ
- サトイモ科:タロイモ(サトイモ、ハスイモなど)
- オモダカ科:クワイなど
- ヤマノイモ科:ヤムイモ(ナガイモ、ヤマノイモなど)
- ユリ科:ユリ根など
- キジカクシ科:アスパラガスなど
- ヒガンバナ科:タマネギ、ネギ、ワケギ、ニラ、リーキ、ニンニク、ラッキョウなど
- ショウガ科:ショウガ、ウコン、ミョウガなど
- イネ科:タケノコ、トウモロコシ(スイートコーン)など
- ハス科:ハス(レンコン)
- マメ科:インゲンマメ、エンドウ、ダイズ(枝豆)、ソラマメ、ラッカセイ、リョクトウ(緑豆もやし)など
- バラ科:イチゴ、ウメなど
- ウリ科:キュウリ、シロウリ、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、ニガウリ、トウガンなど
- ミソハギ科:ヒシ
- ミカン科:サンショウなど
- トウダイグサ科:キャッサバなど。
- アオイ科:オクラ、モロヘイヤなど
- アブラナ科:キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ハクサイ、コマツナ、ミズナ、タアサイ、チンゲンサイ、菜花、カブ、ダイコン、クレソン、ワサビなど
- ヒユ科:ホウレンソウ、オカヒジキ、ビート、スイスチャードなど
- タデ科:ヤナギタデ、ルバーブなど
- ハマミズナ科:ツルナ、アイスプラントなど
- ツルムラサキ科:ツルムラサキなど
- ヒルガオ科:サツマイモ、クウシンサイ(ヨウサイ)など
- ナス科:ナス、トマト、ピーマン、パプリカ、トウガラシ、シシトウガラシ、ジャガイモなど
- シソ科:シソ(大葉)、エゴマ、バジルなど
- キク科:レタス、シュンギク、ゴボウ、食用菊、アーティチョーク、チコリ、トレビス、エンダイブ、スイゼンジナ、フキ、ヤーコンなど
- ウコギ科:ウド、タラノキなど
- セリ科:ニンジン、セロリ、パセリ、セリ、ミツバ、アシタバ、パクチー、フェンネルなど
香辛野菜
編集野菜の中には香りや辛味が強く、少量が料理に添えられたり調味に使われるものがあり、香辛野菜(香辛菜)ともよばれる[10][51]。薬味やハーブとよばれるものもある[52][53]。サンショウ、クレソン、カイワレダイコン、ワサビ、ワサビダイコン、ヤナギタデ、トウガラシ、シソ、バジル、タイム、ラベンダー、ミント、パセリ、チャービル、フェンネル、パクチー、ハマボウフウ、ミツバ、セリ、食用菊、ショウガ、ミョウガ、ニンニクなどがある[18][31][17]。
緑黄色野菜と淡色野菜
編集野菜は、可食部分のカロテン含有量によって緑黄色野菜と淡色野菜に分けられる[54][55]。日本の厚生労働省では「原則として可食部100グラム当たりのカロテン含量が600マイクログラム (µg) 以上の野菜」を緑黄色野菜と定義している[56][44]。緑黄色野菜は色が濃い野菜が多く、ホウレンソウ、ニンジン、カボチャなどがその代表例である[54]。トマトやピーマンなどは、この基準に入らないが、食べる回数や量が多いことから緑黄色野菜とみなされている[54][55]。また、緑黄色野菜以外の野菜は、淡色野菜とよばれる[54]。
西洋野菜と中国野菜
編集日本において、明治時代以降に欧米から導入されたブロッコリーなどの野菜は、西洋野菜(洋菜)とよばれる[41]。また、日本において1970年代以降に中国から導入され普及したチンゲンサイやパクチョイなどの野菜は、中国野菜とよばれる[41]。
高原野菜
編集日本において、夏でも涼しい標高1,000メートル前後の高原で栽培される野菜は、高原野菜(こうげんやさい)または高冷地野菜(こうれいちやさい)とよばれる[57]。高原野菜の利点は、平地では夏に栽培が難しい野菜を、独占的に栽培できるところにあるが、栽培期間が短くふつう年1作しかできない[57]。代表的なものとして、レタス、ハクサイ、キャベツなどがある[58]。明治半ばに、長野県の軽井沢において避暑に訪れる外国人客向けとして栽培が始まり、大正末期から東京など大都市に出荷されるようになった[57]。
品種
編集同一種の野菜において、さまざまな栽培品種が作出されていることがある。品種名には、産地の名前が由来となっているもの、地域で特別に名付けたもの、品種改良を行った人物や種苗会社が名付けたものなどさまざまである[59]。品種名がそのまま商品名(商標名)となったり、同じ品種でも産地によって異なる商標名になることもあり、地域の特産品になるとブランド名として独自の名前をつけることもある[59]。
野菜には、F1品種(雑種第一代)とよばれるものがある。F1品種は、異なる品種を人工的に交配して、病気に強い・形が揃いやすい・栽培期間が短いなどの長所となる特性を持たせたものであり、流通している野菜の中にはF1品種であるものも多い[59]。F1品種の特性は一代限りのため、これから種子を取って翌年栽培しても一代目と同じ特性の野菜には育たない。そのため、F1品種は種苗会社が種子を作り、栽培農家が毎年その種子を購入する必要がある[59]。
固定種や在来種とよばれる野菜は、長い年月をかけて優良な個体から種を取り、特性を固定していくことでできた品種である。遺伝的にも安定しており、地方によっては多くの固定種が作り継がれていった[59]。現在、地方の伝統野菜とよばれている品種は、こうした受け継がれて栽培されたことによって、その地域の在来種となったものである[59]。
食材
編集野菜には旬があるが、近年では品種改良・作型の改良(ハウス栽培など)・輸入野菜の増加によって、旬以外の時期でも市場に年間を通して供給されるようになった[54]。またこれらの影響か、近年の野菜の味は昔よりも薄くなったと感じている人もいる。需要形態が変化してきており、カット野菜(切断されて部分的に販売される野菜)や冷凍野菜も利用されるようになっている[44]。ただし、カット野菜は切断面が大きい分、野菜の呼吸量も大きくなるため、品質の落ちるスピードも速くなってしまうという難点がある[60]。
古来食材としては、野菜類はどの文化圏においても副菜としての性格が強く、主食はコメやコムギといった炭水化物を摂取するための穀物であり、またタンパク質に富む肉や魚がごちそうとして扱われるのに比べ、野菜類がメインとなることは少なかった。野菜類がメインとなる場合も、うま味を供給する肉や魚、油や調味料と組み合わせて使用されることが常である[61]。また野菜類の作物としての比重も高くなく、古代にはこうした野菜類は栽培するのではなく、食べられる野草を採集してくることも多かった。これは野菜類にエネルギー源やタンパク質に富むものが少なく、栄養源としてはそこまで必要性が高くなかったことによる[62]。やがて生活が豊かになるにつれて食生活に彩りを添えるために各種栽培野菜の開発が各地で進められていくが、野草採集も食糧供給源としては存続し、現代においても山菜として食卓をにぎわせている。
宗教・文化的理由もしくは主義として肉食を避ける人は、一般に菜食主義者と呼ばれるが、これは「野菜のみを食べる人」という意味ではない。菜食主義者の食事においてもメインとなるものはエネルギー源となる炭水化物を多く含む穀物やイモ類、およびタンパク質に富む豆類であり、野菜は副菜としての位置づけにあることには変わりがない[61]。
調理法
編集野菜は、洗う、切るといった下ごしらえを調理の直前に行うのが基本である[63]。根付き野菜は、水につけて洗うことによって根元付近に付着した泥が落ちやすくなる[63]。灰汁が強い野菜の場合は、下処理として水や酢水、焼きミョウバン水などにつけて灰汁抜きをする[63]。キュウリやオクラ、ニガウリのように、塩をまぶして揉むことで食感が良くなる野菜もある[63]。野菜を切るときは食べやすく味や食感を考えて、輪切り、角切り(さいの目切り)、千切り、千六本、小口切り、拍子切り、短冊切り、半月切り、いちょう切り、かつらむき、みじん切り、くし形切り、細切り、斜め切り、乱切り、ささがきなど、料理に合わせたさまざまな切り方がある[64][65][66]。
サラダなどで生で食べる野菜は、加熱で失われやすいビタミンなどを効率よく摂ることができる[67]。生野菜のみずみずしさ、香り、爽やかな歯ごたえは加熱野菜では得られない魅力がある[68]。一方、野菜を加熱調理にも特有のおいしさがあり、加熱によって失われる栄養素もあるが、かさが減ることで食べる量でカバーできるので、結果的に加熱した方が多くの栄養を摂ることができる[68]。
焼く場合は直火・オーブン・フライパンで焼くなど方法があり、野菜表面の水分が抜けて素材の旨味も凝縮されて、かさも減るため生野菜よりも多く摂ることができる[67]。蒸すと野菜が元来持つ旨味や栄養分を損なわずに加熱できる[67]。油炒めは、脂溶性ビタミンのビタミンAやビタミンDの吸収率を上げる調理法で、短時間で炒めるとビタミンCの損失量も少なくなる[67]。煮る場合は、煮汁まで食べたほうが栄養を無駄なく摂取できる[67]。油で揚げると野菜の水分が適度に抜けて甘味が出る[67]。クセの強い野菜は油で揚げると食べやすくなるため、山菜や苦味のある野菜に向いている調理法である[67]。茹でるときは、葉野菜はたっぷりの湯を沸騰させて短時間で茹で上げるようにする[69]。根菜は水から入れてじっくりと加熱し、デンプン質が多い芋類は、加熱に時間をかけることによって糖質がふえて甘くなる[69]。電子レンジは、固めの野菜でも短時間で加熱調理できる方法で、野菜全体をラップに包んで水分が抜けて乾燥するのを防ぐ[67]。電子レンジで加熱すると、ガスレンジで加熱するよりも短時間で火が通り、ビタミンの損失が少なく済むというメリットがある[70]。
野菜に含まれるビタミン・ミネラル類の中でも、調理で最も失われやすい栄養素はビタミンCである[68]。ビタミンCは水溶性ビタミンであり、水にさらす時間が長いほど減少してしまう[68]。例えばニンジンを千切りにして水に5分さらすと、ビタミンCが30%ほど減少する[68]。また、ゆで時間が長くなるほどビタミンCの損失量が多くなる[68]。野菜を煮るときは、野菜を大きめに切ったほうがビタミンCは失われにくくなる[71]。体内で必要に応じてビタミンAに変化するカロテンは、脂溶性ビタミンであっるため、油で調理することでより吸収されやすくなる[71]。緑色が濃い緑黄色野菜を色鮮やかに仕上げるには、加熱時間を短くして、酢などは食べる直前に加えるなどの配慮が必要になる[71]。野菜のえぐみ、渋み、苦味などのアクは、灰分、有機酸、タンニン、アルカノイドなどである[70]。野菜によってアクに違いがあり単純ではないが、大半は水溶性のため、茹でたり、水にさらすことによって減らすことができる[70]。ホウレンソウのようにアクが強いものは、下茹でや電子レンジ加熱後に水にさらしてアク抜きしてから使われる[67]。
漬物は調味料で味をつけるとともに、野菜から水気を引き出し、保存性を増すことができる調理法である[72]。低塩分で手軽につくれる浅漬け、野菜に塩を振って重石して保存性を高める塩漬け、精米の副産物のぬかを微生物で発酵させて野菜を漬け込んだぬか漬け、酢・水・砂糖を煮溶かした甘酢に漬け込んだ甘酢漬け、ハーブやスパイスで香り付けした酢に漬け込んだピクルスなどがある[72]。
野菜料理
編集野菜料理 とは、野菜を主体とした料理である。調理法は温野菜、生野菜にわけられ、肉料理、魚料理などに対置して使われる。野菜も他の食材と同じく、基本的には火を通すなど何らかの加工をして食用とするものであった。このため、おひたしや和え物、炒め物(野菜炒め)、煮物、蒸し物、揚げ物(天ぷらなど)など様々な調理法が開発された。こうした加熱法のほか、野菜の調理において非常に重要だったものは漬物としての利用である。多くの野菜、特に葉物野菜は日持ちがしないが、塩などで漬け込み漬物とすれば非常に長持ちするため、保存食として価値が高く、世界各国において様々な野菜の漬物が考案された[73]。こうした加工利用に比べ、野菜の生での食用が一般化したのはかなり遅い時代のことだった。とりわけ日本においては、肥料に下肥を用いていたこともあり、加熱等の加工処理が必須だったために野菜の生食は非常に遅れ、一般家庭において野菜の生食であるサラダが一般化したのは1970年代中期を待たねばならなかった。
栄養価および機能性成分の効果
編集一般的に、野菜は柔軟多汁で低カロリー、ビタミンやミネラル、食物繊維に富むものが多いが、マメ類やイモ類はデンプンやタンパク質を多く含む[44][54]。
品種改良が進んだ現代の野菜も、本来の生育時期は決まっており、その野菜の特性と栽培地の環境の中で自然に収穫を迎えたものが旬となる[54]。本来の旬の時期に収穫した野菜は、もっとも味がよくなり、栄養価も高くなる[54]。例えば、冬場に旬の時期を迎えるホウレンソウは、夏に収穫したものではビタミンC量が3分の1程度しかない[54]。
野菜の多くは無機塩類やビタミン類、食物繊維のほかに、抗酸化物質を含むファイトケミカル(フィトケミカル)が豊富で、免疫力を上げて体内を浄化する働きがあり、癌予防を含めた各種健康維持に役立っている[54]。ファイトケミカルとは、植物に含まれる色素や香り、灰汁などに含まれる植物自体が有害な物から防御するための物質で、ポリフェノール類、フラボノール、カテキンなどが相当する[54]。
栄養素 | 特徴 | 多く含まれる主な野菜 | 備考 |
---|---|---|---|
ビタミンA | カロテン類として含まれている脂溶性ビタミンで、体内でビタミンAに変換される。食用油と一緒に摂ると吸収力が上がる。抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがある。 | ニンジン、ホウレンソウ、アシタバ、ニラ、タアサイ、シュンギク、モロヘイヤ、西洋カボチャ、タカナ、ダイコン・カブの葉などの緑黄色野菜。 | [74] |
ビタミンB1 | 炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるのを助ける水溶性ビタミンの1種。不足すると糖質代謝が低下して、疲労の原因になる。神経のはたらきを正常に保つ。 | 枝豆、ニンニク、モロヘイヤ、ラッカセイ、グリーンピース、ソラマメなど。 | [74] |
ビタミンB2 | 糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けて、エネルギーに変えるのを助ける。タンパク質の合成を助けて細胞の成長を促す働きがあり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける。 | ブロッコリー、シソ、ホウレンソウ、モロヘイヤ、トウガラシ、アシタバ、パセリ、クレソン、バジル、メキャベツなど。 | [74] |
ビタミンB6 | タンパク質をアミノ酸に分解や合成する働きを助け、筋肉や血液を作るために不可欠なビタミン。女性ホルモンのエストロゲンの代謝にも必要とされる。 | 赤ピーマン、モロヘイヤ、ニンニク、トウガラシ、バジル、パセリ、カブの葉など。 | [74] |
ビタミンC | 抗酸化作用があるほか、タンパク質やコラーゲンの生成を助けて、風邪予防や肌を健康に保つ働きがある。 | ブロッコリー、ジャガイモ、赤ピーマン、黄ピーマン、パセリ、ケール、メキャベツ、菜花、カブの葉、カリフラワーなど。 | [74] |
ビタミンK | 血液凝固促進作用があるタンパク質を作るのを助ける脂溶性ビタミンの1種。またカルシウムを取り込む働きがあり、丈夫な骨を作るのを助ける。ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)の2種類がある。 | カブ・ダイコンの葉、モロヘイヤ、アシタバ、ツルムラサキ、ケール、パセリ、シソ、ホウレンソウ、ヨメナ、バジルなど。 | [74] |
カリウム | 細胞内の水分量を調節して、腎臓でナトリウムの排出作用がある。高血圧予防やむくみ予防、筋肉の働きを調整する。 | ミツバ、サトイモ、パセリ、ホウレンソウ、枝豆、ケールなど。 | [74] |
カルシウム | 骨や歯の主成分で、発育や骨粗鬆症予防に重要なミネラル。脳内神経伝達物質を放出するため、不足するとイライラするといわれている。 | コマツナ、モロヘイヤ、パセリ、シソ、ツルムラサキ、エンドウ、ゴマ、ダイズなど。 | [74] |
鉄分 | 血液中のヘモグロビンを構成し、全身の酸素を送る働きがある。不足すると、疲れやすくなり、動悸、息切れ、食欲不振の症状が出る。 | コマツナ、レタス、枝豆、ホウレンソウ、シソ、パセリ、コンニャク、ソラマメなど。 | [74] |
食物繊維 | 体内で消化されない炭水化物で、腸の働きを活発にさせる働きがある。便秘予防、血糖値の急上昇の抑制、コレステロールの吸収を抑える働きがある。 | ゴボウ、グリーンピース、モロヘイヤ、コンニャク、ダイズ、ケール、ラッキョウ、エンドウ、インゲンなど。 | [74] |
食物繊維
編集ヒトの消化酵素で分解できない物質のことを、食物繊維という[75]。水に溶けない不溶性食物繊維としてはセルロースやヘミセルロースがあり、水に溶ける水溶性食物繊維としてはペクチンやグルコマンナン、ポリデキストロースなどがある[75]。食物繊維は便通を整え、また過剰な脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きがある[75]。野菜としては、サツマイモ、切り干し大根、カボチャ、ゴボウ、タケノコ、ブロッコリー、モロヘイヤ、インゲンマメ、アズキなどに食物繊維が多い[76]。厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で21グラム/日以上、成人女性で18グラム/日以上とされている[76]。
一方で、大腸内の腸内細菌が、一部の食物繊維やオリゴ糖を分解することが知られている[77][78]。このように食物繊維は腸内細菌の栄養源となり、腸内細菌の組成に大きく影響する[77]。このような分解によって生じる酪酸、プロピオン酸、酢酸などの短鎖脂肪酸は、腸内環境の安定化に寄与することが示唆されている[78]。この反応には食物からのビタミンB1供給が重要であることが知られているが、一方で腸内細菌がビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、葉酸、B12、ビタミンKなどを生成することも知られている[79][80]。
ファイトケミカル
編集植物に含まれる化学成分はファイトケミカル(フィトケミカル、phytochemicals)と総称され、紫外線や害虫防御のための色素、香り、苦味、あくなどの成分となる[81]。ポリフェノールとカロテノイドがあり、いずれも抗酸化能による活性酸素の除去や免疫力向上をもたらしてくれる[54][81]。
ポリフェノールとは、フェノール基に水酸基(OH)が2つ以上ついている物質のことである[82]。植物の色素やアクとよばれている苦味成分のほとんどはポリフェノールである[83]。ポリフェノールの主たる機能は抗酸化作用であり、がん予防や血中コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を予防する働きがあるとされる[84]。そのほかにも個々の物質によって異なる生理作用があり、その効用は数時間内といわれる[84]。
- アントシアニン - 紫キャベツ、紫芋、赤ジソ、インゲンマメなどに含まれる紫色の色素であり、抗酸化作用をもち、また目の働きによいともいわれる[54]。
- イソフラボン - ダイズなどに含まれる。女性ホルモンに似た働きをし、骨粗鬆症予防、更年期障害によいといわれる[54]。
- セサミン - ゴマなどに含まれる。血中コレステロールを下げる働きがあるとされる[54]。
- ショウガオール - ショウガに含まれる辛味成分で、抗菌作用、食欲増進作用がある[54]。
- カテキン - 茶に多いが、インゲンマメやレンコンにも含まれる[85]。殺菌作用がある[84]。
カロテノイドは、主として植物に含まれている赤色から黄色の色素であり、炭素と水素のみからなるカロテンと酸素を含むキサントフィルに分けられる[86]。基本的に植物だけが作り出せる成分である[83]。カロテンには、αカロテン、βカロテン、γカロテン、リコペン(リコピン)などがあり、人間の体内でレチノールに変換されてビタミンAとして作用する[83]。レチノールに変換されないカロテン類は、抗酸化作用を発揮する[83]。また、キサントフィルにはアントシアニン、ルテイン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、カプサイシンなどがあり、これらはビタミンAとして働かないが、抗酸化作用を発揮して、がん予防や老化防止に役立つと考えられている[83]。
- リコペン - トマト、スイカ、金時人参などに含まれる赤色色素成分でカロテンの1種。ビタミンA能はないが、抗酸化作用がある[54][86]。
- カプサイシン - 赤トウガラシ、赤ピーマンなどに含まれ、抗酸化作用がある[54]。
- ルテイン - ホウレンソウ、コマツナ、ケールなどの緑黄色野菜に含まれる黄色の色素成分。抗酸化作用が高く、眼病予防にも良いといわれる[54]。
- クリプトキサンチン - 赤ピーマンに含まれるオレンジ色の色素成分。柑橘類、カキ、パパイヤ、アンズなどの果物にも含まれる[54]。
イオウ化合物は、アメリカ国立癌研究所 (NCI) が中心となって研究したデザイナーズフーズの上位に、ニンニクやキャベツ、タマネギがランクされたことから注目されるようになった生理機能成分で、特有の臭いを発する[84]。
- 硫化アリル - ネギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウなどに共通して含まれる刺激臭のある成分で、ビタミンB1の吸収を助け、炭水化物の代謝を活発にする働きがある。また、血液の粘度を下げる働きがあるといわれ、血栓を予防するともいわれている[84]。
- イソチオシアネート - キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科野菜に特異的に含まれる臭い成分[84]。遺伝子が傷ついた細胞増殖の抑制、発がん性物質の活性化の抑制、抗菌作用のほか、女性ホルモンと似たような働きをすると言われている[84]。
がん予防の可能性
編集野菜は、果物とともに癌予防の可能性が大きいものとされている[87][88]。
変異原性物質Trp-P-1(3-amino-1,4-di-methyl-5H-pyrido[4,3-b]indole)に対して抗変異原性を示す(変異性を抑える)野菜としては次のようなものがある[89]。
- 抗変異原性++++:ダイコン(葉)、キクナ、アスパラガス、ピーマン、キュウリ
- 抗変異原性+++:ニラ、ハクサイ、ゴボウ
- 抗変異原性++:ネギ、ホウレンソウ、パセリ、レタス、ズイキ、ニンジン、ショウガ、サツマイモ、ラディッシュ、ナス、キャベツ、ブロッコリー、シイタケ
- 抗変異原性+:チンゲンサイ、コマツナ、セロリ、レンコン、カブ、ダイコン(根)、オクラ、ウリ
変異原性物質NIHP(2-ヒドロキシ-3-(1-N-ニトロソインドリル)-プロピオン酸)に対して抗変異原性を示す(変異性を抑える)野菜としては次のようなものがある。
- 抗変異原性++++:トマト、タマネギ
- 抗変異原性+++:ナス、キャベツ、ブロッコリー、ニンジン、ダイコン(根)、エノキ、シメジ
- 抗変異原性++:アスパラガス、シイタケ
- 抗変異原性+:コマツナ、トウガラシ
キャベツ、ブロッコリー、ゴボウ、ナス、ショウガ等に強い抗変異原性があることが知られている。加えて、エストラゴン、オレガノ、ギョウジャニンニク、シロザ、タイム、ツクシ、フキノトウ、モミジガサ、レモンバームの野菜類9種にもTrp-P-1に対して強い抗変異原性があり、キク科、シソ科、アブラナ科、セリ科の植物に抗変異原性があるものが多い[90]。
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[91]」が報告されている。(詳細は「食生活指針」を参照のこと)
生活習慣病予防
編集野菜は果物とともにアルカリ性食品に分類されている[92]。(詳細は、酸性食品とアルカリ性食品を参照)
腎臓に障害がなくカリウムを摂取しても問題がなければ、カリウムを豊富に含む野菜や果物の摂取を増やすことにより血圧の降圧が期待できる[93]。
21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では、望ましい野菜の摂取量は成人1人1日あたり350g以上とされている[94][95][44]。日本人の平均ではこの目標に対して8割程度の摂取量にとどまっており、若年層においては7割~6割程度にとどまっている状況にある[44][96]。平成24年の調査では20歳以上の日本人の平均野菜摂取量は、286.5g/人日であった[97]。所得と生活習慣等に関する状況の調査においては、所得が高いほど野菜摂取量が多く、所得が低いほど野菜摂取量が低い傾向が見られた[96]。
生産
編集下表では、2021年における野菜生産量が多い国を列記している[98]。生産量が最も多い国は中華人民共和国であり、一国で世界の半分以上の生産量があった。2位はインドで、以下アメリカ合衆国、トルコ、ナイジェリア、エジプトの順となっている。野菜耕地面積も、中国が飛び抜けて広い。一方、単位面積当たりの野菜の収穫量が高い国は、ウズベキスタン、大韓民国、スペインなどである。
国 | 栽培面積 (1,000ヘクタール) |
単収(トン/ha) | 生産量 (1,000トン) |
---|---|---|---|
中華人民共和国 | 23,394 | 25.7 | 602,344 |
インド | 8,897 | 15.5 | 137,988 |
アメリカ合衆国 | 829 | 33.7 | 27,917 |
トルコ | 677 | 39.4 | 26,646 |
ナイジェリア | 4,142 | 3.8 | 15,795 |
エジプト | 639 | 24.4 | 15,571 |
メキシコ | 695 | 21.2 | 14,747 |
ロシア | 490 | 27.6 | 13,544 |
スペイン | 338 | 40.0 | 13,536 |
インドネシア | 1,198 | 10.9 | 13,010 |
イタリア | 332 | 34.5 | 11,441 |
ベトナム | 1,003 | 10.7 | 10,741 |
ウズベキスタン | 222 | 46.6 | 10,348 |
日本 | 370 | 27.5 | 10,177 |
ウクライナ | 461 | 21.6 | 9,959 |
大韓民国 | 230 | 42.5 | 9,769 |
イラン | 323 | 28.9 | 9,331 |
ブラジル | 350 | 24.5 | 8,572 |
アルジェリア | 301 | 25.4 | 7,652 |
バングラデシュ | 709 | 10.3 | 7,318 |
パキスタン | 584 | 12.1 | 7,074 |
世界総計 | 58,034 | 19.9 | 1,154,598 |
野菜は一般的に貯蔵性が高くないため、農家が自給的に生産して余剰分を市場に供給することが多く、商業的に生産される場合は消費地の近くで生産されることが多かった。しかし都市の急速な拡大によって都市近郊の野菜生産地が都市化していったことや、輸送手段・貯蔵手段の発達によって遠隔地でも野菜栽培が採算に乗るようになったことから、野菜生産は都市から離れた地域でも行われるようになった。また、葉や実を利用し貯蔵性が低い関係上供給はその植物の収穫期に限定され、旬が短く時期によって左右されたものが野菜生産であった。その後、温室やビニールハウスなどの技術革新によって野菜は一年中供給されるようになった。
近年では、巨大なハウスを造りコンピュータ制御でその中の環境をコントロールし高い生産性・採算性で野菜を生産するオランダのような国が出現している[99]。オランダはトマトを、本場であるイタリア向けも含めてヨーロッパ各地に大量に輸出するほどになっている。
また最近では、野菜を植物工場で生産する事例も、まだ生産量は少ないものの徐々に増えてきている。閉じた空間、害虫や雑菌の影響が少ない空間において、LED照明やコンピュータで制御された空調や養液補給などによって、気候・天候の影響をほぼ受けずに安定的に野菜を生産する方式である。雑菌や害虫が少ないため無農薬栽培が可能で、栄養価や規格の統一も容易であるなど利点も多いが、生産コストが高く採算を取るのが難しいなど課題も多く残っている[100]。
歴史
編集現代において世界で栽培される野菜の多くは、中国、インドから東南アジア、中央アジア、近東、地中海岸、アフリカ(サヘル地帯及びエチオピア高原)、中央アメリカ、南米のアンデス山脈の8地域を起源としている。これらの地域は農耕文明の発祥地と重なっている。また、もともとの生息域が広く、栽培化地域が複数にまたがっている野菜も多い。中国においてはハクサイ、ネギ、ゴボウが、インドから東南アジアにおいてはキュウリやナス、サトイモ、中央アジアではダイコン、ニンジン、タマネギ、ホウレンソウ、ソラマメなどが栽培化されている。近東地域ではレタスやニンジンやタマネギが栽培化されている。地中海岸は野菜の一大起源地であり、キャベツやエンドウマメ、アスパラガスやセロリが栽培化されている。アフリカのサヘルからエチオピア高原にかけては、ササゲやオクラなどが栽培化された。中央アメリカにおいてはインゲンマメやサツマイモ、カボチャが栽培化された。南アメリカ・アンデスにおいては、トマトとジャガイモ、それにトウガラシやピーマン、カボチャの栽培化が行われた[101]。こうした中心地のほか、世界各地で野草採集から発展した独自の野菜が栽培されており、各地独特の食文化の重要な要素となっている。
日本における歴史
編集日本においては、フキやウド、ミツバなどのように日本原産の野菜も存在するが、ほとんどの野菜は日本列島の外で栽培化されたものが持ち込まれたものである。
その移入の歴史は古く、すでに縄文時代の遺跡である福井県の鳥浜貝塚においては、ゴボウ、カブ、アブラナ、リョクトウ、エゴマ、シソなどの種子が出土し、栽培されていたと考えられている。この発見は弥生時代の稲作伝来以前からすでに農耕が開始されていたこと、および縄文時代にすでにはるかな遠隔地で栽培化されていた野菜(カブやアブラナは地中海沿岸、エゴマやシソやリョクトウはインド原産)が伝来しており、大陸をはじめとする広範囲な移動がすでに行われていたことを示した[102]。
このほか、1世紀ごろまでにはゴマ、サトイモ、ニンニク、ラッキョウ、ヤマイモ、トウガンなどがすでに伝来しており、古墳時代にはナス、キュウリ、ササゲ、ネギが伝来した[103]。
古事記や日本書紀にはカブやニラの、万葉集ではジュンサイ、ヒシ、セリ、瓜(マクワウリ)などの記述が存在する。このほか、現代ではあまり野菜としては使用されない水葱(なぎ、現代のミズアオイやコナギ)や羊蹄(しのね、現代のギシギシ)などが食用とされていた[104]。その後、レタスも8世紀には「萵苣」(わきょ/ちしゃ)という名前で日本に伝来している(玉状のレタスは明治時代になってからの伝来)[105]。
江戸時代に入り、平和が続き経済が成長すると野菜の需要も高まり、特に一大消費地である江戸の周辺では大量の野菜が栽培され都市へ運び込まれるようになった。小松菜や練馬大根などのように、地名をつけブランド化する野菜が現れ始めたのもこのころである[106]。こうした傾向は江戸に限ったことではなく、京野菜や加賀野菜をはじめ、各地で特色ある野菜が開発され定着したのも江戸時代のことであった。またニンジンやホウレンソウ、ジャガイモ、サツマイモも江戸時代に伝来し、江戸時代後期には野菜の種類は著しく増加した[4]。
明治時代に入ると文明開化の潮流とともに、タマネギやトマト、キャベツをはじめとする西洋野菜が多く流入した[4]。またその後さまざまま中国野菜なども伝来し、日本の野菜はより多様なものとなった[4]。
スーパーマーケットでは外観を重視し、変形が見られるものは「規格外」として取り扱わず、「訳あり」などとして格安で売られるか、採算が取れないと農家が判断し廃棄されることもあった。消費者の意識が過度に美観を重視する姿勢から変化していることもあり、外観を規格に合わせるための栽培法を止める試みもある[107]。
野菜の安全性
編集野菜は人間が長年かけて改良し続けて、長い間食べ続けられてきた植物なので、それなりに安全性は確保できていると考えてもよい[108]。しかし、野菜の安全性に関してまだ結論が出ていないこともたくさんあり[109]、新しく作り出された野菜の品種や遺伝子組み換え作物などは、必ずしも安全性が確かめられているわけではなく、未知のリスクの可能性も指摘されている[108]。なるべく健康的な食生活を送るためにも、なるべく多くの種類の野菜を適量摂ることが、今最も安全な野菜の食べ方といわれている[109]。
野菜を生産するうえで、人間以外の昆虫などの動物から受ける被害を抑止する目的で農薬が使用されるが、農薬の残存化学物質は人間にとっても癌などのリスクがあるので好ましいものではない[108]。しかし、農薬を使用しなければ、地球上の人類を養うだけの農作物の生産量は確保できないと言われており、農薬を正しく用いる農法がふつう一般に行われている(これを慣行栽培という)[110]。先進国のように農薬の製造や使用が適正に規制されている国では、農薬を正しく使用している限りは癌を含む疾病のリスクはないと考えてよいといわれている[110]。しかし、農薬が適正に使用されていない状況でつくられた野菜については、人体に害を及ぼす可能性がある[110]。しばしば「野菜には残留農薬の危険があるから、よく洗ってから食べる」という意見も見かけられ、ていねいな水洗いや加熱調理が野菜についている残留農薬を減らすことになるのは間違いではないが、先進諸国において野菜を洗うことによって農薬の害が低減するといった科学的根拠のある研究結果はほとんど発表されていない[110]。
野菜の安全性で注目されるのようになったものに、原則として農薬や化学肥料を使わずに栽培(有機栽培)された有機農産物(有機野菜、オーガニック野菜)がある[110][111]。有機野菜は栽培法による分類であり、日本のJAS法では厳密な規定により認定を受けたものだけが有機野菜と表示することができる[110][111]。有機野菜は農薬が残留している可能性は低いが、残留農薬がゼロであることまでは保証していない[110]。有機野菜の特徴は「安心して食べられる」という点において一般に高い評価を得ているが、科学的根拠のある研究結果はほとんどない[112]。
また、有機栽培と一般的な栽培(慣行栽培)の中間的なものとして、「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」があったが、これらの表現は生産者によって定義が異なり、消費者に誤解を与えやすいという理由で、2004年に表示が禁止された[112][111][113]。農林水産省のガイドラインでは、有機栽培と慣行栽培の中間的な栽培様式(農薬、化学肥料の使用量が規定の5割以下に制限されている)によって生産された野菜は、特別栽培野菜としている[112][111]。また慣行栽培であっても、残留農薬量は無毒性量(有害な影響が見られない最大量)の1/100以下とされている[111]。
世帯の野菜消費量が少なくなるなかで、外食産業を中心に利便性を考えてあらかじめ下処理された野菜であるカット野菜の生産量が増えてきている[112]。カット野菜は手軽で便利というメリットがある反面、丸のままの野菜よりもカット工程などが増えるので、雑菌に触れやすく傷みやすい性質上、多くは次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌してある[112]。その後は水洗いしてあるので、食べる人の健康を害するほど残留していないが、とても傷みやすいことには変わりないので、消費期限を厳守して封を開けたら早めに使い切ることが肝要になる[112]。
放射線照射野菜で知られるものに、発芽防止目的で使用されているジャガイモがある。放射線を当てた食品が放射能を持つことはなく、健康に害を与えるようなこともないとされている[109]。ジャガイモの芽に含まれるアルカロイド (PGA) による食中毒リスク、輸入スパイスに付着する病原菌リスク、食品保存に使われる燻蒸の発がん性リスクを軽減するために用いられているのが放射線照射である[109]。また放射線を当てることによって殺菌効果が高められるため、食品が腐りにくくなるという特徴もある[109]。
遺伝子組み換え作物は遺伝子操作によってつくられた作物であるが、それを食べた人の遺伝子に影響を与えるようなことはない[109]。遺伝子がつくる物質はタンパク質であるため、そのタンパク質が人の健康に害を及ぼすかどうかが、遺伝子組み換え作物の安全性の評価となる[109]。害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシであるスターリンク(StarLink)は、「そのタンパク質がアレルギーの原因となる可能性」を否定できるだけのデータが不十分であったため、米国内の飼料用に限って利用されていたが、2000年に食料用や輸出品への混入が確認され大きな問題となった[114]。遺伝子組み換え作物については、大企業の利益になっても一般市民の利益は何もないという指摘もあるため、遺伝子組み換え作物の必要性について意見が分かれるところであるが、その安全性について現段階では害は認められていないことから安全であるといわれている[109]。
脚注
編集注釈
編集- ^ a b c d e 乾燥品を含む。
- ^ ガーキン(Cucumis anguria)を含む。
- ^ a b c d e f 甘いため、消費分野では「果物」として扱われるが、草本に実るため、日本の生産分野では「野菜」(果実的野菜、果物的果菜)として扱われる。
- ^ セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima)、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、ペポカボチャ(Cucurbita pepo)、クロダネカボチャ(Cucurbita ficifolia)など数種を含み、またズッキーニはペポカボチャの1品種である[23]
- ^ カボチャなどウリ類 (pumpkins, squash and gourds) の総計とされている。
- ^ 南米西部原産のチリーイチゴ(Fragaria chiloensis)と北米東部原産のバージニアイチゴ(Fragaria virginiana)の種間雑種に由来する。
- ^ 果物用のバナナは135.1(百万トン)。
- ^ 生鮮品の量であり、乾燥品(穀類として扱われる)の量は1163.4(百万トン)。
- ^ キャベツの生産量
- ^ カリフラワーとブロッコリーの生産量合計
- ^ チコリーとの合計
- ^ 根用の品種はセルリアックとよばれる[30]。
- ^ エシャロット(エシャレット[31]、シャレット[16]、シャロット[24])は、本来はタマネギの1変種(Allium cepa var. aggregatum)であるが[24]、日本ではラッキョウを軟白栽培したものがエシャロットとよばれている[32]。
- ^ a b ニンジンとカブの生産量合計値である。
- ^ サトイモ属以外の Xanthosoma、クワズイモ属(Alocasia)、キルトスペルマ属(Cyrtosperma)などのものもタロイモとよばれることがある[33]。
- ^ 日本の作物統計などではヤマノイモの名でまとめられているが[31][34]、日本で栽培されているものはほとんどナガイモ(Dioscorea polystachya)であり、狭義のヤマノイモ(自然薯、Dioscorea japonica)の多くは野生品である[35]。
- ^ ヤマノイモ属の「イモ」は、維管束の配列や発生過程から地下茎が肥大したもの(塊茎)と考えられているが、葉を付けず全面に根を生じるため典型的な塊茎とは異なる[36][37][38][39]。そのため、担根体ともよばれるが[37][38][39]、ヒカゲノカズラ綱のイワヒバ属やミズニラ属に見られる担根体とは異なる構造である[40]。
- ^ a b 根菜として扱われることもあるが、可食部である鱗茎の主体は特殊化した葉(鱗茎葉)であり、葉菜類(葉茎菜類)として扱われることも多く[31][10]、またネギやニラなど他のネギ属野菜と合わせてネギ類[23]や鱗茎菜類[16]として他と分けられることもある。
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参考文献
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