野菜

食用の植物またはその一部

野菜(やさい、: vegetable)とは、低加工でおもに副食として利用される草本性栽培植物のこと、またはその可食部のことである。蔬菜(そさい)や菜(さい)、青物(あおもの)ともよばれる。ただし、「野菜」は慣用的な語であり国や分野によって含まれる植物はやや異なるため、「野菜」を明確に定義することはできない。食用とする部位はつぼみ果実などさまざまであり、一般的にはこれに応じて果菜類(果実や種子を利用)、葉菜類(葉や地上茎、花を利用)、根菜類(根や地下茎を利用)に分けられる。また、香りや辛味が強い香辛野菜、カロテン含量が多い緑黄色野菜などがある。

さまざまな野菜

野菜は一般的に貯蔵性が低く時期が限られたものであったが、ビニールハウスなどの技術の発展によっておもな野菜は一年中供給されるようになっている。近年では化学肥料農薬を使用しない有機野菜に対する需要が増加し、また高度に管理された野菜工場も見られるようになった。野菜の中には、生食するものや、煮るもの、焼くもの、漬物にするものなどがある。一般的に、野菜は柔軟多汁で低カロリービタミンミネラル食物繊維に富むものが多いが、マメ類やイモ類はデンプンタンパク質を多く含む。また、ポリフェノールなど人の健康に有用と考えられている物質を含み、生活習慣病予防などで重要視されている。

定義

編集
 
さまざまな野菜

おもに副食主食間食ではない)として、無加工または低加工で利用される草本性の栽培植物は、野菜とよばれる[1][2][3]。蔬菜や菜、青物ともよばれる[2][3][4][5][6][7]

ただし、「野菜」は慣用的な用語であり、国や分野によって野菜に含まれる植物はやや異なるため、明確な定義はできない[1][8][9]。たとえばメロンスイカイチゴは甘く、ふつう間食に利用されるため、消費分野では果物として扱われるが、草本に実ることから、日本の生産分野では野菜として扱われる[1][3][10][11][8][12]。そのため、特に「果実的野菜」や「果物的果菜」とよばれることがある[1][10]。また、サツマイモジャガイモなどイモ類は副食とされる際には野菜であるが、主食や加工品原料とされることも多く、野菜とは分けて扱われることもある[3][13][14]マメ類トウモロコシの未熟な果実・種子(サヤエンドウスイートコーンなど)は野菜として扱われるが、完熟したものは穀物として扱われることが多い[1]。ただし、完熟したものであっても、副食に用いられる場合は野菜として扱われる[13]コメは日本においては最も重要な主食であるが、ヨーロッパでは付け合せなどに使われるため、野菜として扱われることがある[13]。また、タラノキサンショウは草ではなく木本植物であるが、副食に使われるため野菜として扱われることがある[9]

栽培植物である「野菜」に対して、同様に利用される野生植物は「山菜」とよばれる[1][15]。一般的に、山菜は野菜に比べて栽培効率が悪いが、近年になって地域産品の需要や販路が拡大しており、それに伴って栽培されている例も多い(アシタバフキウドタラワラビなど)[1][15]。現在市場に流通している山菜の多くは栽培品であり[1]、これらを野菜として扱うこともある[16][17][9][12]

日本では、菌類シイタケエノキタケナメコなど)も野菜に含めることがある[18]。また、日本では藻類(海苔ワカメヒジキなど)の利用が多く、野菜とは別に扱われているが、他の国では野菜に含めていることが多い[1]

古くは、食用とする草本植物を「蔬菜(または菜、蔬)」と総称し、そのうち野生のものを「野菜」、栽培されるものを「園菜(園蔬、圃菜)」とよんでいた[2][4]。しかし、その後は園菜の語は使われなくなり、やがて現在と同様に栽培されるものが「野菜」とよばれるようになり、また野生のものは「山菜」とよばれるようになった[4]。ただし、官公庁などでの公式的な表現では、栽培されるものは「蔬菜」とよばれていた[2][12][7]。しかし第二次世界大戦後には「蔬菜」の「蔬」が常用漢字外となったこともあって官公庁でも「野菜」の語が用いられるようになった[19]

英語の "vegetable" は、ラテン語の vegetabilis(活力を与える)に由来する[4]

代表的な野菜

編集

下表には、FAOSTAT(国際連合食糧農業機関のデータベース)において世界生産量が100万トン以上のもの(2022年)[20]、および日本における指定野菜(***; 消費量が多く、収穫量と出荷量が毎年調査される)と特定野菜(**; 指定野菜に準ずる野菜)[21][22]を記している。下表の中でメロンスイカイチゴはふつう果物として扱われるが、草本に実るため日本の生産分野では野菜(果実的野菜、果物的果菜)として扱われている[14]。また、マメ類やトウモロコシの完熟品、イモ類(ジャガイモサツマイモヤムイモなど)は主食や加工品原材料に利用されることも多く、野菜とは別に扱われることもある[13][14]

下表は、果菜葉菜(茎菜、花菜を含む)、根菜の順で表記してある。ただし、同一の植物種の別の器官(葉と根など)が食用とされることもある(ダイコンなど)。

代表的な野菜
画像 名前[1][23] 分類[24] 食用部位[23] 原産地[23] 2022年世界生産量
(100万トン)[20]
  トマト*** ナス科
Solanum lycopersicum
果実 南米 186.1
  ナス*** ナス科
Solanum melongena
果実 南アジア 59.3
  トウガラシシシトウピーマン***、パプリカなど ナス科
Capsicum annuum
果実 中米 41.8[注 1]
  キュウリ*** ウリ科
Cucumis sativus
果実 南アジア 94.7[注 2]
  メロン**[注 3]マクワウリシロウリなど ウリ科
Cucumis melo
果実 アフリカ 28.5
  スイカ**[注 3] ウリ科
Citrullus lanatus
果実 アフリカ 99.9
  カボチャ**、ズッキーニなど ウリ科
Cucurbita spp.[注 4]
果実 中米から南米 22.8[注 5]
  インゲンマメサヤインゲン**など) マメ科
Phaseolus vulgaris
果実、種子、葉[25] 中米 29.6[注 1]
  エンドウサヤエンドウ**、グリーンピース**など) マメ科
Pisum sativum
果実、種子、スプラウト[25] 地中海沿岸から中東 35.1[注 1]
  ダイズ枝豆**など) マメ科
Glycine max
果実、種子、スプラウト[25] 中国 34.8[注 1]
  ソラマメ** マメ科
Vicia faba
種子[25] 北アフリカから西南アジア 7.7[注 1]
  オクラ アオイ科
Abelmoschus esculentus
果実 東北アフリカ 11.2
  イチゴ**[注 3](オランダイチゴ) バラ科
Fragaria x ananassa
果実 オランダ[注 6] 9.5
  リョウリバナナ[26]プランテンなど) バショウ科
Musa × paradisiaca など
果実、茎葉[26] 東南アジア[26] 44.1[注 7]
  トウモロコシ(スイートコーン**など) イネ科
Zea mays
果実 中米または南米 9.8[注 8]
  ホウレンソウ*** ヒユ科
Spinacia oleracea
西南アジアから中央アジア 33.1
  キャベツ***、コールラビケールメキャベツカリフラワー**、ブロッコリー**など アブラナ科
Brassica oleracea
葉、腋芽、茎、花芽 地中海沿岸域 72.6[注 9]
26.0[注 10]
  ハクサイ***、コマツナ**、ミズナ**、チンゲンサイ**、ナバナなど
カブと同種
アブラナ科
Brassica rapa
茎葉、花芽 ヨーロッパ西南部から西南アジア
  レタス*** キク科
Lactuca sativa
茎葉 地中海沿岸域から中近東 27.1[注 11]
  アーティチョーク キク科
Cynara scolymus
花芽 地中海沿岸域 1.5
  フキ** キク科
Petasites japonicus
葉柄、花茎[27] 日本
  シュンギク[23]** キク科
Glebionis coronaria
茎葉[23] 地中海沿岸域
  ミツバ[23][28]** セリ科
Cryptotaenia canadensis
茎葉、根[28] 日本
  セロリ[23][29]** セリ科
Apium graveolens
茎葉、根[注 12]、種子[23][29] 地中海沿岸域
  アスパラガス** キジカクシ科
Asparagus officinalis
南ヨーロッパ 8.8
  ネギ***、ニラ**、リーキワケギなど ヒガンバナ科
Allium spp.
中国など 2.1
  タマネギ***、エシャロット[注 13] ヒガンバナ科
Allium cepa
鱗茎 中央アジア 115.5
  ニンニク** ヒガンバナ科
Allium sativum
鱗茎、茎葉 中央アジア 29.1
  ダイコン***(カイワレダイコンを含む)、ハツカダイコン(ラディッシュ) アブラナ科
Raphanus sativus
根、葉、芽生え ヨーロッパ
  カブ**
ハクサイミズナコマツナチンゲンサイなどと同種
アブラナ科
Brassica rapa
根(胚軸)、葉 ヨーロッパ西南部から西南アジア 42.2[注 14]
  ニンジン*** セリ科
Daucus carota
根、葉 中央アジア 42.2[注 14]
  ゴボウ** キク科
Arctium lappa
根、葉 ユーラシア
  サツマイモ ヒルガオ科
Ipomoea batatas
中南米 86.4
  キャッサバ トウダイグサ科
Manihot esculenta
中南米 330.4
  ジャガイモ*** ナス科
Solanum tuberosum
地下茎 南米 374.7
  ハス(レンコン**) ハス科
Nelumbo nucifera
地下茎 中国またはエジプト
  タロイモサトイモ***、ハスイモなど) サトイモ科
Colocasia spp. など[注 15]
地下茎、葉柄 東南アジアなど 17.7
  ヤムイモヤマノイモ**[注 16]ナガイモダイジョトゲドコロカシュウイモシロギニアヤムなど) ヤマノイモ科
Dioscorea spp.
地下茎(担根体[注 17] 世界の熱帯域 88.2
  ショウガ** ショウガ科
Zingiber officinale
地下茎、葉 不明 4.8

分類

編集

食用部位による分類

編集

野菜は食用とする部位の違いに基づいて分類されることがあり、果実種子を食用部位とするものを果菜類、地上茎を食用部位とするものを茎菜類葉柄を食用部位とするものを葉菜類花序を食用部位とするものを花菜類地下茎を食用部位とするものを根菜類とよぶ[41][42][43]。ただし、葉や茎、花は分けずに利用されることも多く、茎菜類や花菜類は、広義の葉菜類または葉茎菜類にまとめられることが多い[44][1][10]

さまざまな果菜類
さまざまな葉菜類
さまざまな根菜類

果菜類(および花菜類)では花を咲かせることが必要であるが、葉菜類や根菜類では花茎が伸びて花芽が形成されると(抽台とよばれる)食用部分の品質が低下する[4]。そのため、このような野菜は抽台しにくい品種や抽台しにくい季節に栽培される[4]

植物分類学による分類

編集

植物分類学における区分では、野菜はさまざまなに属する[1]。ただし、アブラナ科マメ科ウリ科ナス科キク科セリ科などいくつかの科が特に多くの野菜を含む。以下に、一般的な被子植物の科の配列に沿って野菜を含むおもな科を列記している[23][24]。同じ科に属する野菜はしばしば味や栄養価が似ており、また栽培に関しても共通点がある[45]

香辛野菜

編集

野菜の中には香りや辛味が強く、少量が料理に添えられたり調味に使われるものがあり、香辛野菜(香辛菜)ともよばれる[10][51]薬味ハーブとよばれるものもある[52][53]サンショウクレソンカイワレダイコンワサビワサビダイコンヤナギタデトウガラシシソバジルタイムラベンダーミントパセリチャービルフェンネルパクチーハマボウフウミツバセリ食用菊ショウガミョウガニンニクなどがある[18][31][17]

緑黄色野菜と淡色野菜

編集

野菜は、可食部分のカロテン含有量によって緑黄色野菜淡色野菜に分けられる[54][55]。日本の厚生労働省では「原則として可食部100グラム当たりのカロテン含量が600マイクログラム (µg) 以上の野菜」を緑黄色野菜と定義している[56][44]。緑黄色野菜は色が濃い野菜が多く、ホウレンソウニンジンカボチャなどがその代表例である[54]トマトピーマンなどは、この基準に入らないが、食べる回数や量が多いことから緑黄色野菜とみなされている[54][55]。また、緑黄色野菜以外の野菜は、淡色野菜とよばれる[54]

西洋野菜と中国野菜

編集

日本において、明治時代以降に欧米から導入されたブロッコリーなどの野菜は、西洋野菜(洋菜)とよばれる[41]。また、日本において1970年代以降に中国から導入され普及したチンゲンサイパクチョイなどの野菜は、中国野菜とよばれる[41]

高原野菜

編集
 
嬬恋村(群馬県)におけるキャベツ栽培

日本において、夏でも涼しい標高1,000メートル前後の高原で栽培される野菜は、高原野菜(こうげんやさい)または高冷地野菜(こうれいちやさい)とよばれる[57]。高原野菜の利点は、平地では夏に栽培が難しい野菜を、独占的に栽培できるところにあるが、栽培期間が短くふつう年1作しかできない[57]。代表的なものとして、レタスハクサイキャベツなどがある[58]。明治半ばに、長野県の軽井沢において避暑に訪れる外国人客向けとして栽培が始まり、大正末期から東京など大都市に出荷されるようになった[57]

品種

編集

同一種の野菜において、さまざまな栽培品種が作出されていることがある。品種名には、産地の名前が由来となっているもの、地域で特別に名付けたもの、品種改良を行った人物や種苗会社が名付けたものなどさまざまである[59]。品種名がそのまま商品名(商標名)となったり、同じ品種でも産地によって異なる商標名になることもあり、地域の特産品になるとブランド名として独自の名前をつけることもある[59]

野菜には、F1品種(雑種第一代)とよばれるものがある。F1品種は、異なる品種を人工的に交配して、病気に強い・形が揃いやすい・栽培期間が短いなどの長所となる特性を持たせたものであり、流通している野菜の中にはF1品種であるものも多い[59]。F1品種の特性は一代限りのため、これから種子を取って翌年栽培しても一代目と同じ特性の野菜には育たない。そのため、F1品種は種苗会社が種子を作り、栽培農家が毎年その種子を購入する必要がある[59]

固定種在来種とよばれる野菜は、長い年月をかけて優良な個体から種を取り、特性を固定していくことでできた品種である。遺伝的にも安定しており、地方によっては多くの固定種が作り継がれていった[59]。現在、地方の伝統野菜とよばれている品種は、こうした受け継がれて栽培されたことによって、その地域の在来種となったものである[59]

食材

編集

野菜にはがあるが、近年では品種改良・作型の改良(ハウス栽培など)・輸入野菜の増加によって、旬以外の時期でも市場に年間を通して供給されるようになった[54]。またこれらの影響か、近年の野菜のは昔よりも薄くなったと感じている人もいる。需要形態が変化してきており、カット野菜(切断されて部分的に販売される野菜)や冷凍野菜も利用されるようになっている[44]。ただし、カット野菜は切断面が大きい分、野菜の呼吸量も大きくなるため、品質の落ちるスピードも速くなってしまうという難点がある[60]

インドの八百屋
カナダのスーパーマーケット
カット野菜

古来食材としては、野菜類はどの文化圏においても副菜としての性格が強く、主食コメコムギといった炭水化物を摂取するための穀物であり、またタンパク質に富むごちそうとして扱われるのに比べ、野菜類がメインとなることは少なかった。野菜類がメインとなる場合も、うま味を供給する肉や魚、調味料と組み合わせて使用されることが常である[61]。また野菜類の作物としての比重も高くなく、古代にはこうした野菜類は栽培するのではなく、食べられる野草を採集してくることも多かった。これは野菜類にエネルギー源やタンパク質に富むものが少なく、栄養源としてはそこまで必要性が高くなかったことによる[62]。やがて生活が豊かになるにつれて食生活に彩りを添えるために各種栽培野菜の開発が各地で進められていくが、野草採集も食糧供給源としては存続し、現代においても山菜として食卓をにぎわせている。

宗教文化的理由もしくは主義として肉食を避ける人は、一般に菜食主義者と呼ばれるが、これは「野菜のみを食べる人」という意味ではない。菜食主義者の食事においてもメインとなるものはエネルギー源となる炭水化物を多く含む穀物やイモ類、およびタンパク質に富む類であり、野菜は副菜としての位置づけにあることには変わりがない[61]

調理法

編集

野菜は、洗う、切るといった下ごしらえを調理の直前に行うのが基本である[63]。根付き野菜は、水につけて洗うことによって根元付近に付着した泥が落ちやすくなる[63]灰汁が強い野菜の場合は、下処理として水や酢水、焼きミョウバン水などにつけて灰汁抜きをする[63]。キュウリやオクラ、ニガウリのように、塩をまぶして揉むことで食感が良くなる野菜もある[63]。野菜を切るときは食べやすく味や食感を考えて、輪切り角切り(さいの目切り)、千切り千六本小口切り拍子切り短冊切り半月切りいちょう切りかつらむきみじん切りくし形切り細切り斜め切り乱切りささがきなど、料理に合わせたさまざまな切り方がある[64][65][66]

セロリ
ニンニクのみじん切り

サラダなどで生で食べる野菜は、加熱で失われやすいビタミンなどを効率よく摂ることができる[67]。生野菜のみずみずしさ、香り、爽やかな歯ごたえは加熱野菜では得られない魅力がある[68]。一方、野菜を加熱調理にも特有のおいしさがあり、加熱によって失われる栄養素もあるが、かさが減ることで食べる量でカバーできるので、結果的に加熱した方が多くの栄養を摂ることができる[68]

焼く場合は直火・オーブンフライパンで焼くなど方法があり、野菜表面の水分が抜けて素材の旨味も凝縮されて、かさも減るため生野菜よりも多く摂ることができる[67]。蒸すと野菜が元来持つ旨味や栄養分を損なわずに加熱できる[67]油炒めは、脂溶性ビタミンビタミンAビタミンDの吸収率を上げる調理法で、短時間で炒めるとビタミンCの損失量も少なくなる[67]。煮る場合は、煮汁まで食べたほうが栄養を無駄なく摂取できる[67]。油で揚げると野菜の水分が適度に抜けて甘味が出る[67]。クセの強い野菜は油で揚げると食べやすくなるため、山菜や苦味のある野菜に向いている調理法である[67]。茹でるときは、葉野菜はたっぷりの湯を沸騰させて短時間で茹で上げるようにする[69]根菜は水から入れてじっくりと加熱し、デンプン質が多い芋類は、加熱に時間をかけることによって糖質がふえて甘くなる[69]電子レンジは、固めの野菜でも短時間で加熱調理できる方法で、野菜全体をラップに包んで水分が抜けて乾燥するのを防ぐ[67]。電子レンジで加熱すると、ガスレンジで加熱するよりも短時間で火が通り、ビタミンの損失が少なく済むというメリットがある[70]

野菜サラダ
ポテトサラダ
焼き野菜
筑前煮

野菜に含まれるビタミン・ミネラル類の中でも、調理で最も失われやすい栄養素はビタミンCである[68]。ビタミンCは水溶性ビタミンであり、水にさらす時間が長いほど減少してしまう[68]。例えばニンジンを千切りにして水に5分さらすと、ビタミンCが30%ほど減少する[68]。また、ゆで時間が長くなるほどビタミンCの損失量が多くなる[68]。野菜を煮るときは、野菜を大きめに切ったほうがビタミンCは失われにくくなる[71]。体内で必要に応じてビタミンAに変化するカロテンは、脂溶性ビタミンであっるため、油で調理することでより吸収されやすくなる[71]。緑色が濃い緑黄色野菜を色鮮やかに仕上げるには、加熱時間を短くして、酢などは食べる直前に加えるなどの配慮が必要になる[71]。野菜のえぐみ、渋み、苦味などのアクは、灰分、有機酸、タンニン、アルカノイドなどである[70]。野菜によってアクに違いがあり単純ではないが、大半は水溶性のため、茹でたり、水にさらすことによって減らすことができる[70]。ホウレンソウのようにアクが強いものは、下茹でや電子レンジ加熱後に水にさらしてアク抜きしてから使われる[67]

漬物は調味料で味をつけるとともに、野菜から水気を引き出し、保存性を増すことができる調理法である[72]。低塩分で手軽につくれる浅漬け、野菜に塩を振って重石して保存性を高める塩漬け、精米の副産物のぬかを微生物で発酵させて野菜を漬け込んだぬか漬け、酢・水・砂糖を煮溶かした甘酢に漬け込んだ甘酢漬け、ハーブやスパイスで香り付けした酢に漬け込んだピクルスなどがある[72]

漬物
お新香
アスパラガスのピクルス
キムチ

野菜料理

編集

野菜料理 とは、野菜を主体とした料理である。調理法は温野菜生野菜にわけられ、肉料理魚料理などに対置して使われる。野菜も他の食材と同じく、基本的には火を通すなど何らかの加工をして食用とするものであった。このため、おひたし和え物炒め物野菜炒め)、煮物蒸し物揚げ物天ぷらなど)など様々な調理法が開発された。こうした加熱法のほか、野菜の調理において非常に重要だったものは漬物としての利用である。多くの野菜、特に葉物野菜は日持ちがしないが、などで漬け込み漬物とすれば非常に長持ちするため、保存食として価値が高く、世界各国において様々な野菜の漬物が考案された[73]。こうした加工利用に比べ、野菜の生での食用が一般化したのはかなり遅い時代のことだった。とりわけ日本においては、肥料に下肥を用いていたこともあり、加熱等の加工処理が必須だったために野菜の生食は非常に遅れ、一般家庭において野菜の生食であるサラダが一般化したのは1970年代中期を待たねばならなかった。

栄養価および機能性成分の効果

編集

一般的に、野菜は柔軟多汁で低カロリービタミンミネラル食物繊維に富むものが多いが、マメ類やイモ類はデンプンタンパク質を多く含む[44][54]

品種改良が進んだ現代の野菜も、本来の生育時期は決まっており、その野菜の特性と栽培地の環境の中で自然に収穫を迎えたものが旬となる[54]。本来の旬の時期に収穫した野菜は、もっとも味がよくなり、栄養価も高くなる[54]。例えば、冬場に旬の時期を迎えるホウレンソウは、夏に収穫したものではビタミンC量が3分の1程度しかない[54]

野菜の多くは無機塩類やビタミン類、食物繊維のほかに、抗酸化物質を含むファイトケミカル(フィトケミカル)が豊富で、免疫力を上げて体内を浄化する働きがあり、癌予防を含めた各種健康維持に役立っている[54]。ファイトケミカルとは、植物に含まれる色素や香り、灰汁などに含まれる植物自体が有害な物から防御するための物質で、ポリフェノール類、フラボノールカテキンなどが相当する[54]

野菜の代表的な栄養素
栄養素 特徴 多く含まれる主な野菜 備考
ビタミンA カロテン類として含まれている脂溶性ビタミンで、体内でビタミンAに変換される。食用油と一緒に摂ると吸収力が上がる。抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがある。 ニンジン、ホウレンソウ、アシタバ、ニラ、タアサイ、シュンギク、モロヘイヤ、西洋カボチャ、タカナ、ダイコン・カブの葉などの緑黄色野菜。 [74]
ビタミンB1 炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるのを助ける水溶性ビタミンの1種。不足すると糖質代謝が低下して、疲労の原因になる。神経のはたらきを正常に保つ。 枝豆、ニンニク、モロヘイヤ、ラッカセイ、グリーンピース、ソラマメなど。 [74]
ビタミンB2 糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けて、エネルギーに変えるのを助ける。タンパク質の合成を助けて細胞の成長を促す働きがあり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける。 ブロッコリー、シソ、ホウレンソウ、モロヘイヤ、トウガラシ、アシタバ、パセリ、クレソン、バジル、メキャベツなど。 [74]
ビタミンB6 タンパク質をアミノ酸に分解や合成する働きを助け、筋肉や血液を作るために不可欠なビタミン。女性ホルモンのエストロゲンの代謝にも必要とされる。 赤ピーマン、モロヘイヤ、ニンニク、トウガラシ、バジル、パセリ、カブの葉など。 [74]
ビタミンC 抗酸化作用があるほか、タンパク質やコラーゲンの生成を助けて、風邪予防や肌を健康に保つ働きがある。 ブロッコリー、ジャガイモ、赤ピーマン、黄ピーマン、パセリ、ケール、メキャベツ、菜花、カブの葉、カリフラワーなど。 [74]
ビタミンK 血液凝固促進作用があるタンパク質を作るのを助ける脂溶性ビタミンの1種。またカルシウムを取り込む働きがあり、丈夫な骨を作るのを助ける。ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)の2種類がある。 カブ・ダイコンの葉、モロヘイヤ、アシタバ、ツルムラサキ、ケール、パセリ、シソ、ホウレンソウ、ヨメナ、バジルなど。 [74]
カリウム 細胞内の水分量を調節して、腎臓でナトリウムの排出作用がある。高血圧予防やむくみ予防、筋肉の働きを調整する。 ミツバ、サトイモ、パセリ、ホウレンソウ、枝豆、ケールなど。 [74]
カルシウム 骨や歯の主成分で、発育や骨粗鬆症予防に重要なミネラル。脳内神経伝達物質を放出するため、不足するとイライラするといわれている。 コマツナ、モロヘイヤ、パセリ、シソ、ツルムラサキ、エンドウ、ゴマ、ダイズなど。 [74]
鉄分 血液中のヘモグロビンを構成し、全身の酸素を送る働きがある。不足すると、疲れやすくなり、動悸、息切れ、食欲不振の症状が出る。 コマツナ、レタス、枝豆、ホウレンソウ、シソ、パセリ、コンニャク、ソラマメなど。 [74]
食物繊維 体内で消化されない炭水化物で、腸の働きを活発にさせる働きがある。便秘予防、血糖値の急上昇の抑制、コレステロールの吸収を抑える働きがある。 ゴボウ、グリーンピース、モロヘイヤ、コンニャク、ダイズ、ケール、ラッキョウ、エンドウ、インゲンなど。 [74]

食物繊維

編集

ヒトの消化酵素で分解できない物質のことを、食物繊維という[75]。水に溶けない不溶性食物繊維としてはセルロースヘミセルロースがあり、水に溶ける水溶性食物繊維としてはペクチングルコマンナンポリデキストロースなどがある[75]。食物繊維は便通を整え、また過剰な脂質ナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きがある[75]。野菜としては、サツマイモ切り干し大根カボチャゴボウタケノコブロッコリーモロヘイヤインゲンマメアズキなどに食物繊維が多い[76]。厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で21グラム/日以上、成人女性で18グラム/日以上とされている[76]

一方で、大腸内の腸内細菌が、一部の食物繊維やオリゴ糖を分解することが知られている[77][78]。このように食物繊維は腸内細菌の栄養源となり、腸内細菌の組成に大きく影響する[77]。このような分解によって生じる酪酸プロピオン酸酢酸などの短鎖脂肪酸は、腸内環境の安定化に寄与することが示唆されている[78]。この反応には食物からのビタミンB1供給が重要であることが知られているが、一方で腸内細菌がビタミンB1B2B3B5B6B7葉酸B12ビタミンKなどを生成することも知られている[79][80]

ファイトケミカル

編集

植物に含まれる化学成分はファイトケミカル(フィトケミカル、phytochemicals)と総称され、紫外線や害虫防御のための色素、香り、苦味、あくなどの成分となる[81]ポリフェノールカロテノイドがあり、いずれも抗酸化能による活性酸素の除去や免疫力向上をもたらしてくれる[54][81]

ポリフェノールとは、フェノール基水酸基(OH)が2つ以上ついている物質のことである[82]。植物の色素やアクとよばれている苦味成分のほとんどはポリフェノールである[83]。ポリフェノールの主たる機能は抗酸化作用であり、がん予防や血中コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を予防する働きがあるとされる[84]。そのほかにも個々の物質によって異なる生理作用があり、その効用は数時間内といわれる[84]

ペオニジン(アントシアニンの一種)
イソフラボン
ショウガオール
(+)-カテキン

カロテノイドは、主として植物に含まれている赤色から黄色の色素であり、炭素と水素のみからなるカロテンと酸素を含むキサントフィルに分けられる[86]。基本的に植物だけが作り出せる成分である[83]。カロテンには、αカロテンβカロテンγカロテンリコペン(リコピン)などがあり、人間の体内でレチノールに変換されてビタミンAとして作用する[83]。レチノールに変換されないカロテン類は、抗酸化作用を発揮する[83]。また、キサントフィルにはアントシアニンルテインアスタキサンチンクリプトキサンチンカプサイシンなどがあり、これらはビタミンAとして働かないが、抗酸化作用を発揮して、がん予防や老化防止に役立つと考えられている[83]

リコペン
カプサイシン
ルテイン
クリプトキサンチン

イオウ化合物は、アメリカ国立癌研究所 (NCI) が中心となって研究したデザイナーズフーズの上位に、ニンニクやキャベツ、タマネギがランクされたことから注目されるようになった生理機能成分で、特有の臭いを発する[84]

  • 硫化アリル - ネギタマネギニララッキョウなどに共通して含まれる刺激臭のある成分で、ビタミンB1の吸収を助け、炭水化物の代謝を活発にする働きがある。また、血液の粘度を下げる働きがあるといわれ、血栓を予防するともいわれている[84]
    • アリシン - 硫化アリルの一種でニンニクやネギ臭の素になる成分[84]。生ニンニクにはアイリンという無臭成分が含まれているが、空気に触れるとアリシンに変化する[84]。ビタミンB1の吸収を助け、血栓予防、貧血予防、血中コレステロール値の上昇の抑制のほか、強力な抗酸化作用が知られている[84]
  • イソチオシアネート - キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科野菜に特異的に含まれる臭い成分[84]。遺伝子が傷ついた細胞増殖の抑制、発がん性物質の活性化の抑制、抗菌作用のほか、女性ホルモンと似たような働きをすると言われている[84]
硫化アリル
イソチオシアン酸エチル

がん予防の可能性

編集

野菜は、果物とともに癌予防の可能性が大きいものとされている[87][88]

変異原性物質Trp-P-1(3-amino-1,4-di-methyl-5H-pyrido[4,3-b]indole)に対して抗変異原性を示す(変異性を抑える)野菜としては次のようなものがある[89]

変異原性物質NIHP(2-ヒドロキシ-3-(1-N-ニトロソインドリル)-プロピオン酸)に対して抗変異原性を示す(変異性を抑える)野菜としては次のようなものがある。

キャベツブロッコリーゴボウナスショウガ等に強い抗変異原性があることが知られている。加えて、エストラゴンオレガノギョウジャニンニクシロザタイムツクシフキノトウモミジガサレモンバームの野菜類9種にもTrp-P-1に対して強い抗変異原性があり、キク科シソ科アブラナ科セリ科の植物に抗変異原性があるものが多い[90]

2007年11月1日、世界がん研究基金アメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[91]」が報告されている。(詳細は「食生活指針」を参照のこと)

生活習慣病予防

編集

野菜は果物とともにアルカリ性食品に分類されている[92]。(詳細は、酸性食品とアルカリ性食品を参照)

腎臓に障害がなくカリウムを摂取しても問題がなければ、カリウムを豊富に含む野菜や果物の摂取を増やすことにより血圧の降圧が期待できる[93]

21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では、望ましい野菜の摂取量は成人1人1日あたり350g以上とされている[94][95][44]。日本人の平均ではこの目標に対して8割程度の摂取量にとどまっており、若年層においては7割~6割程度にとどまっている状況にある[44][96]。平成24年の調査では20歳以上の日本人の平均野菜摂取量は、286.5g/人日であった[97]。所得と生活習慣等に関する状況の調査においては、所得が高いほど野菜摂取量が多く、所得が低いほど野菜摂取量が低い傾向が見られた[96]

生産

編集
中国の農場
インドのジャガイモ農場
アメリカ合衆国のキャベツ農場

下表では、2021年における野菜生産量が多い国を列記している[98]。生産量が最も多い国は中華人民共和国であり、一国で世界の半分以上の生産量があった。2位はインドで、以下アメリカ合衆国トルコナイジェリアエジプトの順となっている。野菜耕地面積も、中国が飛び抜けて広い。一方、単位面積当たりの野菜の収穫量が高い国は、ウズベキスタン大韓民国スペインなどである。

栽培面積
(1,000ヘクタール)
単収(トン/ha) 生産量
(1,000トン)
中華人民共和国 23,394 25.7 602,344
インド 8,897 15.5 137,988
アメリカ合衆国 829 33.7 27,917
トルコ 677 39.4 26,646
ナイジェリア 4,142 3.8 15,795
エジプト 639 24.4 15,571
メキシコ 695 21.2 14,747
ロシア 490 27.6 13,544
スペイン 338 40.0 13,536
インドネシア 1,198 10.9 13,010
イタリア 332 34.5 11,441
ベトナム 1,003 10.7 10,741
ウズベキスタン 222 46.6 10,348
日本 370 27.5 10,177
ウクライナ 461 21.6 9,959
大韓民国 230 42.5 9,769
イラン 323 28.9 9,331
ブラジル 350 24.5 8,572
アルジェリア 301 25.4 7,652
バングラデシュ 709 10.3 7,318
パキスタン 584 12.1 7,074
世界総計 58,034 19.9 1,154,598

野菜は一般的に貯蔵性が高くないため、農家が自給的に生産して余剰分を市場に供給することが多く、商業的に生産される場合は消費地の近くで生産されることが多かった。しかし都市の急速な拡大によって都市近郊の野菜生産地が都市化していったことや、輸送手段・貯蔵手段の発達によって遠隔地でも野菜栽培が採算に乗るようになったことから、野菜生産は都市から離れた地域でも行われるようになった。また、葉や実を利用し貯蔵性が低い関係上供給はその植物の収穫期に限定され、旬が短く時期によって左右されたものが野菜生産であった。その後、温室ビニールハウスなどの技術革新によって野菜は一年中供給されるようになった。

いちご狩り温室
ビニール掛けのレタス栽培(2月)
管理されたトマト栽培
植物工場

近年では、巨大なハウスを造りコンピュータ制御でその中の環境をコントロールし高い生産性・採算性で野菜を生産するオランダのような国が出現している[99]。オランダはトマトを、本場であるイタリア向けも含めてヨーロッパ各地に大量に輸出するほどになっている。

また最近では、野菜を植物工場で生産する事例も、まだ生産量は少ないものの徐々に増えてきている。閉じた空間、害虫や雑菌の影響が少ない空間において、LED照明やコンピュータで制御された空調や養液補給などによって、気候・天候の影響をほぼ受けずに安定的に野菜を生産する方式である。雑菌や害虫が少ないため無農薬栽培が可能で、栄養価や規格の統一も容易であるなど利点も多いが、生産コストが高く採算を取るのが難しいなど課題も多く残っている[100]

歴史

編集

現代において世界で栽培される野菜の多くは、中国インドから東南アジア中央アジア近東地中海岸、アフリカサヘル地帯及びエチオピア高原)、中央アメリカ、南米のアンデス山脈の8地域を起源としている。これらの地域は農耕文明の発祥地と重なっている。また、もともとの生息域が広く、栽培化地域が複数にまたがっている野菜も多い。中国においてはハクサイ、ネギ、ゴボウが、インドから東南アジアにおいてはキュウリやナス、サトイモ、中央アジアではダイコン、ニンジン、タマネギ、ホウレンソウ、ソラマメなどが栽培化されている。近東地域ではレタスやニンジンやタマネギが栽培化されている。地中海岸は野菜の一大起源地であり、キャベツやエンドウマメ、アスパラガスやセロリが栽培化されている。アフリカのサヘルからエチオピア高原にかけては、ササゲオクラなどが栽培化された。中央アメリカにおいてはインゲンマメやサツマイモ、カボチャが栽培化された。南アメリカ・アンデスにおいては、トマトとジャガイモ、それにトウガラシやピーマン、カボチャの栽培化が行われた[101]。こうした中心地のほか、世界各地で野草採集から発展した独自の野菜が栽培されており、各地独特の食文化の重要な要素となっている。

日本における歴史

編集

日本においては、フキウドミツバなどのように日本原産の野菜も存在するが、ほとんどの野菜は日本列島の外で栽培化されたものが持ち込まれたものである。

その移入の歴史は古く、すでに縄文時代の遺跡である福井県鳥浜貝塚においては、ゴボウカブアブラナリョクトウエゴマシソなどの種子が出土し、栽培されていたと考えられている。この発見は弥生時代の稲作伝来以前からすでに農耕が開始されていたこと、および縄文時代にすでにはるかな遠隔地で栽培化されていた野菜(カブやアブラナは地中海沿岸、エゴマやシソやリョクトウはインド原産)が伝来しており、大陸をはじめとする広範囲な移動がすでに行われていたことを示した[102]

このほか、1世紀ごろまでにはゴマサトイモニンニクラッキョウヤマイモトウガンなどがすでに伝来しており、古墳時代にはナスキュウリササゲネギが伝来した[103]

古事記日本書紀にはカブやニラの、万葉集ではジュンサイヒシセリ、瓜(マクワウリ)などの記述が存在する。このほか、現代ではあまり野菜としては使用されない水葱(なぎ、現代のミズアオイコナギ)や羊蹄(しのね、現代のギシギシ)などが食用とされていた[104]。その後、レタス8世紀には「萵苣」(わきょ/ちしゃ)という名前で日本に伝来している(玉状のレタスは明治時代になってからの伝来)[105]

江戸時代に入り、平和が続き経済が成長すると野菜の需要も高まり、特に一大消費地である江戸の周辺では大量の野菜が栽培され都市へ運び込まれるようになった。小松菜や練馬大根などのように、地名をつけブランド化する野菜が現れ始めたのもこのころである[106]。こうした傾向は江戸に限ったことではなく、京野菜加賀野菜をはじめ、各地で特色ある野菜が開発され定着したのも江戸時代のことであった。またニンジンホウレンソウジャガイモサツマイモも江戸時代に伝来し、江戸時代後期には野菜の種類は著しく増加した[4]

明治時代に入ると文明開化の潮流とともに、タマネギトマトキャベツをはじめとする西洋野菜が多く流入した[4]。またその後さまざまま中国野菜なども伝来し、日本の野菜はより多様なものとなった[4]

スーパーマーケットでは外観を重視し、変形が見られるものは「規格外」として取り扱わず、「訳あり」などとして格安で売られるか、採算が取れないと農家が判断し廃棄されることもあった。消費者の意識が過度に美観を重視する姿勢から変化していることもあり、外観を規格に合わせるための栽培法を止める試みもある[107]

野菜の安全性

編集

野菜は人間が長年かけて改良し続けて、長い間食べ続けられてきた植物なので、それなりに安全性は確保できていると考えてもよい[108]。しかし、野菜の安全性に関してまだ結論が出ていないこともたくさんあり[109]、新しく作り出された野菜の品種や遺伝子組み換え作物などは、必ずしも安全性が確かめられているわけではなく、未知のリスクの可能性も指摘されている[108]。なるべく健康的な食生活を送るためにも、なるべく多くの種類の野菜を適量摂ることが、今最も安全な野菜の食べ方といわれている[109]

 
農薬散布

野菜を生産するうえで、人間以外の昆虫などの動物から受ける被害を抑止する目的で農薬が使用されるが、農薬の残存化学物質は人間にとってもなどのリスクがあるので好ましいものではない[108]。しかし、農薬を使用しなければ、地球上の人類を養うだけの農作物の生産量は確保できないと言われており、農薬を正しく用いる農法がふつう一般に行われている(これを慣行栽培という)[110]。先進国のように農薬の製造や使用が適正に規制されている国では、農薬を正しく使用している限りは癌を含む疾病のリスクはないと考えてよいといわれている[110]。しかし、農薬が適正に使用されていない状況でつくられた野菜については、人体に害を及ぼす可能性がある[110]。しばしば「野菜には残留農薬の危険があるから、よく洗ってから食べる」という意見も見かけられ、ていねいな水洗いや加熱調理が野菜についている残留農薬を減らすことになるのは間違いではないが、先進諸国において野菜を洗うことによって農薬の害が低減するといった科学的根拠のある研究結果はほとんど発表されていない[110]

野菜の安全性で注目されるのようになったものに、原則として農薬や化学肥料を使わずに栽培(有機栽培)された有機農産物有機野菜、オーガニック野菜)がある[110][111]。有機野菜は栽培法による分類であり、日本のJAS法では厳密な規定により認定を受けたものだけが有機野菜と表示することができる[110][111]。有機野菜は農薬が残留している可能性は低いが、残留農薬がゼロであることまでは保証していない[110]。有機野菜の特徴は「安心して食べられる」という点において一般に高い評価を得ているが、科学的根拠のある研究結果はほとんどない[112]

有機野菜栽培
有機野菜の販売
無農薬野菜の販売

また、有機栽培と一般的な栽培(慣行栽培)の中間的なものとして、「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」があったが、これらの表現は生産者によって定義が異なり、消費者に誤解を与えやすいという理由で、2004年に表示が禁止された[112][111][113]。農林水産省のガイドラインでは、有機栽培と慣行栽培の中間的な栽培様式(農薬、化学肥料の使用量が規定の5割以下に制限されている)によって生産された野菜は、特別栽培野菜としている[112][111]。また慣行栽培であっても、残留農薬量は無毒性量(有害な影響が見られない最大量)の1/100以下とされている[111]

世帯の野菜消費量が少なくなるなかで、外食産業を中心に利便性を考えてあらかじめ下処理された野菜であるカット野菜の生産量が増えてきている[112]。カット野菜は手軽で便利というメリットがある反面、丸のままの野菜よりもカット工程などが増えるので、雑菌に触れやすく傷みやすい性質上、多くは次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌してある[112]。その後は水洗いしてあるので、食べる人の健康を害するほど残留していないが、とても傷みやすいことには変わりないので、消費期限を厳守して封を開けたら早めに使い切ることが肝要になる[112]

 
芽を出したジャガイモ(有毒)

放射線照射野菜で知られるものに、発芽防止目的で使用されているジャガイモがある。放射線を当てた食品が放射能を持つことはなく、健康に害を与えるようなこともないとされている[109]。ジャガイモの芽に含まれるアルカロイド (PGA) による食中毒リスク、輸入スパイスに付着する病原菌リスク、食品保存に使われる燻蒸の発がん性リスクを軽減するために用いられているのが放射線照射である[109]。また放射線を当てることによって殺菌効果が高められるため、食品が腐りにくくなるという特徴もある[109]

遺伝子組み換え作物遺伝子操作によってつくられた作物であるが、それを食べた人の遺伝子に影響を与えるようなことはない[109]。遺伝子がつくる物質はタンパク質であるため、そのタンパク質が人の健康に害を及ぼすかどうかが、遺伝子組み換え作物の安全性の評価となる[109]。害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシであるスターリンク(StarLink)は、「そのタンパク質がアレルギーの原因となる可能性」を否定できるだけのデータが不十分であったため、米国内の飼料用に限って利用されていたが、2000年に食料用や輸出品への混入が確認され大きな問題となった[114]。遺伝子組み換え作物については、大企業の利益になっても一般市民の利益は何もないという指摘もあるため、遺伝子組み換え作物の必要性について意見が分かれるところであるが、その安全性について現段階では害は認められていないことから安全であるといわれている[109]

β-カロテン生成量を増加させた遺伝子組み換えキャッサバ(右)
遺伝子組み換えジャガイモの収穫
世界各国の遺伝子組換え作物栽培面積(2019年)
  1000万ヘクタール以上
  5万–1000万ヘクタール
  5万ヘクタール未満
  なし

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ a b c d e 乾燥品を含む。
  2. ^ ガーキンCucumis anguria)を含む。
  3. ^ a b c d e f 甘いため、消費分野では「果物」として扱われるが、草本に実るため、日本の生産分野では「野菜」(果実的野菜、果物的果菜)として扱われる。
  4. ^ セイヨウカボチャCucurbita maxima)、ニホンカボチャCucurbita moschata)、ペポカボチャCucurbita pepo)、クロダネカボチャCucurbita ficifolia)など数種を含み、またズッキーニはペポカボチャの1品種である[23]
  5. ^ カボチャなどウリ類 (pumpkins, squash and gourds) の総計とされている。
  6. ^ 南米西部原産のチリーイチゴ(Fragaria chiloensis)と北米東部原産のバージニアイチゴ(Fragaria virginiana)の種間雑種に由来する。
  7. ^ 果物用のバナナは135.1(百万トン)。
  8. ^ 生鮮品の量であり、乾燥品(穀類として扱われる)の量は1163.4(百万トン)。
  9. ^ キャベツの生産量
  10. ^ カリフラワーとブロッコリーの生産量合計
  11. ^ チコリーとの合計
  12. ^ 根用の品種はセルリアックとよばれる[30]
  13. ^ エシャロット(エシャレット[31]、シャレット[16]、シャロット[24])は、本来はタマネギの1変種(Allium cepa var. aggregatum)であるが[24]、日本ではラッキョウを軟白栽培したものがエシャロットとよばれている[32]
  14. ^ a b ニンジンとカブの生産量合計値である。
  15. ^ サトイモ属以外の Xanthosoma、クワズイモ属(Alocasia)、キルトスペルマ属(Cyrtosperma)などのものもタロイモとよばれることがある[33]
  16. ^ 日本の作物統計などではヤマノイモの名でまとめられているが[31][34]、日本で栽培されているものはほとんどナガイモ(Dioscorea polystachya)であり、狭義のヤマノイモ(自然薯、Dioscorea japonica)の多くは野生品である[35]
  17. ^ ヤマノイモ属の「イモ」は、維管束の配列や発生過程から地下茎が肥大したもの(塊茎)と考えられているが、葉を付けず全面に根を生じるため典型的な塊茎とは異なる[36][37][38][39]。そのため、担根体ともよばれるが[37][38][39]ヒカゲノカズラ綱イワヒバ属ミズニラ属に見られる担根体とは異なる構造である[40]
  18. ^ a b 根菜として扱われることもあるが、可食部である鱗茎の主体は特殊化した葉(鱗茎葉)であり、葉菜類(葉茎菜類)として扱われることも多く[31][10]、またネギやニラなど他のネギ属野菜と合わせてネギ類[23]や鱗茎菜類[16]として他と分けられることもある。

出典

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 飛騨健一 (2009). “野菜として利用する栽培植物”. In 石井龍一・岩槻邦男・竹中 明夫・土橋豊・長谷部光泰・矢原徹一・和田正三. 植物の百科事典. 朝倉書店. pp. 341–346. ISBN 978-4-254-17137-2 
  2. ^ a b c d "野菜". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年6月15日閲覧
  3. ^ a b c d 大森正英, ed (2012). 健康・栄養学用語辞典. 中央法規出版. p. 636. ISBN 978-4805836026 
  4. ^ a b c d e f g h i "野菜". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年6月15日閲覧
  5. ^ 『食料の百科事典』丸善 p.18 2001年
  6. ^ 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.1542 2006年
  7. ^ a b 斎藤隆『蔬菜園芸の事典』朝倉書店 p.1 1991年
  8. ^ a b 五十嵐脩, ed (2001). 食料の百科事典. 丸善出版. p. 30. ISBN 978-4621049396 
  9. ^ a b c 農業・生物系特定産業技術研究機構, ed (2006). 最新農業技術事典. 農山漁村文化協会. p. 1542. ISBN 978-4540051630 
  10. ^ a b c d e f 野菜類の区分はどのようになっているのか教えてください。”. 農林水産省. 2022年12月22日閲覧。
  11. ^ すいか、メロン、いちごは野菜か果実か”. 北陸農政局. 2024年7月17日閲覧。
  12. ^ a b c 野菜園芸大事典編集委員会編『野菜園芸大事典』養賢堂 p.1
  13. ^ a b c d 谷野陽 (1996). “世界の野菜, 日本の野菜”. 日本調理科学会誌 29 (3): 224-233. doi:10.11402/cookeryscience1995.29.3_224. 
  14. ^ a b c d 野菜の定義について”. 独立行政法人 農畜産業振興機構. 2024年7月17日閲覧。
  15. ^ a b "山菜". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年7月13日閲覧
  16. ^ a b c d 米安晟 (1996). “日本の野菜”. 日本食生活学会誌 7 (2): 7-14. doi:10.2740/jisdh.7.2_7. 
  17. ^ a b 芦澤正和 (1992). “1. 野菜”. 化学と生物 27 (10): 663–671. doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.30.735. 
  18. ^ a b 斎藤隆 (1996). 新版 蔬菜園芸. 文永堂出版. p. 31. ISBN 978-4830040818 
  19. ^ 野菜園芸大事典編集委員会編『野菜園芸大事典』養賢堂 p.1参照
  20. ^ a b FAOSTAT Query page, Crops and livestock products”. 2024年7月14日閲覧。
  21. ^ 07A-Q06 野菜の収穫量及び出荷量”. 総務省統計局 (2024年). 2024年6月1日閲覧。
  22. ^ 特定野菜等の対象産地の選定状況”. 中国四国農政局. 2024年7月18日閲覧。
  23. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 山崎耕宇, 久保祐雄, 西尾敏彦, 石原邦, ed (2004). 新編 農学大事典. 養賢堂. pp. 515–560. ISBN 978-4-8425-0354-7 
  24. ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2007–). “YList”. 「植物和名ー学名インデックスYList」(YList). 2024年7月12日閲覧。
  25. ^ a b c d Yamaguchi, M. 高橋和彦ら訳 (1985). “21.1.1 豆類”. 世界の野菜. 養賢堂. pp. 246–250. ISBN 978-4-8425-0237-3 
  26. ^ a b c Yamaguchi, M. 高橋和彦ら訳 (1985). “16.1 リョウリバナナ”. 世界の野菜. 養賢堂. pp. 170–175. ISBN 978-4-8425-0237-3 
  27. ^ "フキ". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年6月28日閲覧
  28. ^ a b "ミツバ". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年6月23日閲覧
  29. ^ a b "セロリ". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年6月23日閲覧
  30. ^ 山崎耕宇, 久保祐雄, 西尾敏彦, 石原邦, ed (2004). “セルリアック”. 新編 農学大事典. 養賢堂. p. 536. ISBN 978-4-8425-0354-7 
  31. ^ a b c d e f 農産食品”. 日本標準商品分類(平成2年6月改定). 総務省. 2023年1月21日閲覧。
  32. ^ "エシャロット". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年6月7日閲覧
  33. ^ "タロイモ". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年6月7日閲覧
  34. ^ 夏の旬野菜ヤマノイモ”. とれたて大百科. JAグループ. 2024年6月6日閲覧。
  35. ^ "ヤマノイモ". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年6月6日閲覧
  36. ^ 岩佐俊吉 (1980). “45. ダイジョ”. In 農林水産省熱帯農業研究センター. 熱帯の野菜. 養賢堂. pp. 190–201 
  37. ^ a b 土橋豊 (2019). “球根”. In 園芸学会. 最新園芸・植物用語集. 淡交社. p. 81–83. ISBN 978-4473042668 
  38. ^ a b 寺林進 (2013). “生薬の基原, 特に薬用部位および基原植物の学名について”. 日本東洋医学雑誌 64: 67-77. doi:10.3937/kampomed.64.67. 
  39. ^ a b 熊沢正夫 (1979). “担根体”. 植物器官学. 裳華房. pp. 166−171. ISBN 978-4785358068 
  40. ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “担根体”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 883. ISBN 978-4000803144 
  41. ^ a b c 杉田浩一編『日本食品大事典』医歯薬出版 p.104 2008年
  42. ^ 斎藤隆『蔬菜園芸の事典』朝倉書店 p.30 1991年
  43. ^ a b 野菜の区分について教えてください。”. 農林水産省. 2024年7月20日閲覧。
  44. ^ a b c d e f 野菜ブック chapter1 野菜と私たちの生活・健康”. 農畜産業振興機構. 2024年7月17日閲覧。
  45. ^ a b c d e 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 218.
  46. ^ a b c 金子美登 2012, p. 236.
  47. ^ 日本標準商品分類(平成2年6月改定)”. 総務省. 2023年2月13日閲覧。
  48. ^ "スプラウト". デジタル大辞泉. コトバンクより2024年7月8日閲覧
  49. ^ 主婦の友社, ed (2017). “スプラウト野菜を作ってみよう”. 野菜づくりに失敗しないための知恵とコツ. 主婦の友社. p. 160. ISBN 9784074235452 
  50. ^ 石井龍一 (2009). “野菜として利用する栽培植物”. In 石井龍一・岩槻邦男・竹中明夫・土橋豊・長谷部光泰・矢原徹一・和田正三. 植物の百科事典. 朝倉書店. pp. 341–346. ISBN 978-4-254-17137-2 
  51. ^ "香味野菜". デジタル大辞泉. コトバンクより2024年7月20日閲覧
  52. ^ "薬味". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月8日閲覧
  53. ^ "ハーブ". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月8日閲覧
  54. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 220.
  55. ^ a b 講談社編 2013, p. 236.
  56. ^ 健康用語辞典 緑黄色野菜”. 厚生労働省. 2013年4月5日閲覧。
  57. ^ a b c "高原野菜". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年7月20日閲覧
  58. ^ 夏の高原野菜”. JA長野八ヶ岳. 2024年7月20日閲覧。
  59. ^ a b c d e f 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 219.
  60. ^ 落合敏監修 『食べ物と健康おもしろ雑学』 p.195 梧桐書院 1991年
  61. ^ a b 『世界の食べもの 食の文化地理』p238 石毛直道 講談社学術文庫 2013年5月9日第1刷
  62. ^ 『世界の食べもの 食の文化地理』p237 石毛直道 講談社学術文庫 2013年5月9日第1刷
  63. ^ a b c d 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 222.
  64. ^ Harvard Health” (英語). www.health.harvard.edu. 2023年2月14日閲覧。
  65. ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 223.
  66. ^ 講談社編 2013, pp. 245–247.
  67. ^ a b c d e f g h i 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 224.
  68. ^ a b c d e f 講談社編 2013, pp. 238, 239.
  69. ^ a b 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 225.
  70. ^ a b c 講談社編 2013, p. 241.
  71. ^ a b c 講談社編 2013, p. 240.
  72. ^ a b 講談社編 2013, pp. 248–250.
  73. ^ 『世界の食べもの 食の文化地理』p239-241 石毛直道 講談社学術文庫 2013年5月9日第1刷
  74. ^ a b c d e f g h i j 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 221.
  75. ^ a b c 食物繊維”. e-ヘルスネット. 厚生労働省. 2024年7月19日閲覧。
  76. ^ a b 清水純 (2021年). “食物繊維の必要性と健康”. e-ヘルスネット. 厚生労働省. 2024年7月19日閲覧。
  77. ^ a b 内藤裕二(監修) (2024年2月7日). “食物繊維が腸内細菌に与える影響とは?手軽に摂るコツや便秘解消以外の効果も解説”. アリナミン製薬株式会社. 2024年7月20日閲覧。
  78. ^ a b 腸の健康と短鎖脂肪酸の関係性~短鎖脂肪酸を増やす水溶性食物繊維~”. 太陽化学株式会社. 2024年7月20日閲覧。
  79. ^ 國澤純 (2023年12月20日). “新しい「腸活」3つの戦略 腸内細菌が作り出す物質にも着目”. 日経BP. 2024年7月20日閲覧。
  80. ^ 腸内細菌によるビタミン産生”. 腸内細菌学会. 2024年7月20日閲覧。
  81. ^ a b "フィトケミカル". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月20日閲覧
  82. ^ "ポリフェノール". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月20日閲覧
  83. ^ a b c d e 講談社編 2013, p. 230.
  84. ^ a b c d e f g h i j 講談社編 2013, p. 231.
  85. ^ "カテキン". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月8日閲覧
  86. ^ a b "カロチノイド". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年7月8日閲覧
  87. ^ 国立がんセンターがん対策情報センター (2009年2月25日). “日本人のためのがん予防法:現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法”. 2009年12月1日閲覧。
  88. ^ WHO technical report series 916. Diet, nutrition and the prevention of chronic diseases, 2003 & IARC monograph on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Volume83, Tobacco Smoke and Involuntary Smoking, 2004
  89. ^ 植物性食品抽出成分の抗変異原活性、小原 章裕ほか、日本家政学会誌、Vol.48 (1997) No.7
  90. ^ 上田成子, 桑原祥浩, 平位信子 ほか、「野菜類およびキノコ類の抗変異原性について」 『日本食品工業学会誌』 1991年 38巻 6号 p.507-514, doi:10.3136/nskkk1962.38.507
  91. ^ World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research (2007). Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective. Amer. Inst. for Cancer Research. ISBN 978-0972252225. https://web.archive.org/web/20150503204125/http://wcrf.org/int/research-we-fund/continuous-update-project-cup/second-expert-report  日本語要旨:食べもの、栄養、運動とがん予防世界がん研究基金米国がん研究機構
  92. ^ 小池五郎、「食品の酸性・アルカリ性について」『日本釀造協會雜誌』 1976年 71巻 6号 p.410-413, doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.71.410
  93. ^ 久代登志男、「高齢者高血圧治療のこつ」『日本老年医学会雑誌』 2010年 47巻 2号 P.123-126, doi:10.3143/geriatrics.47.123
  94. ^ 健康日本21
  95. ^ 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)について 報告書-厚生労働省
  96. ^ a b 平成22年国民健康・栄養調査結果の概要
  97. ^ 平成24年度『国民健康・栄養調査』、厚生労働省
  98. ^ FAO (2023). “Tables 17, 51”. World Food and Agriculture – Statistical Yearbook 2023. FAO. ISBN 978-92-5-138262-2. https://openknowledge.fao.org/handle/20.500.14283/cc8166en 
  99. ^ NHK「野菜はもっと安くなる?オランダに学ぶ農業」
  100. ^ 「2020-2021 日経キーワード」p160-161 日経HR編集部編著 日経HR社 2019年12月4日第1刷
  101. ^ 「蔬菜園芸の事典(普及版)」p10-12 斎藤隆 朝倉書店 2010年10月30日普及版第1刷
  102. ^ 「福井県史 通史編」第三章 コシ・ワカサと日本海文化 - 福井県文書館 2016年8月24日閲覧
  103. ^ 「蔬菜園芸の事典(普及版)」p13 斎藤隆 朝倉書店 2010年10月30日普及版第1刷
  104. ^ 『FOOD'S FOOD 新版 食材図典 生鮮食材編』p204-205 2003年3月20日初版第1刷 小学館
  105. ^ 主婦の友社編 『野菜まるごと大図鑑』主婦の友社、2011年2月20日、148頁。ISBN 978-4-07-273608-1
  106. ^ 「ヴィジュアル日本生活史 江戸の料理と食生活」p68-69 原田信男編著 小学館 2004年6月20日第1版第1刷
  107. ^ 日本放送協会. “規格外の野菜・果物=安い、は古い?”. NHKニュース. 2021年7月10日閲覧。
  108. ^ a b c 講談社編 2013, p. 232.
  109. ^ a b c d e f g h 講談社編 2013, p. 235.
  110. ^ a b c d e f g 講談社編 2013, p. 233.
  111. ^ a b c d e 有機野菜と無農薬野菜、オーガニック野菜の正しい見分け方まとめ”. カゴメ (2024年3月28日). 2024年7月20日閲覧。
  112. ^ a b c d e f 講談社編 2013, p. 234.
  113. ^ 特別栽培農産物に係る表示ガイドライン Q&A”. 農林水産省消費・安全局表示・規格課 (2008年). 2024年7月20日閲覧。
  114. ^ GMO情報: スターリンクの悲劇 ~8年後も残るマイナスイメージ~”. 独立行政法人農業環境技術研究所 (2008年6月1日). 2024年7月21日閲覧。

参考文献

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集