もぐりん(Moglyn)は、かつて沖縄県恩納村沖で運航されていた観光潜水艇

1989年三菱重工日本航空などが出資して、日本海中観光株式会社の運航で開業したが、2002年に退航した。

概要 編集

総所要時間は約90分、送迎船「うるま」・支援船「でいご」を経て「もぐりん」への乗下船を行い、実際の潜行時間は約40分であった。乗客は事前に体重測定を受け、定められた座席に着席した。また、小型の船体の中性浮力を維持するため、潜行中は内部での立ち歩きが禁止されていた。揺れや傾き、振動はほとんど無く、青い自然光の中で効果音として小さなソナー音が流され、「でいご」からの撒き餌に集まる魚群、潜行と共に変色する窓近くの色見本の変化、サンゴ礁海底からそびえる地形などの景観を見ることができた。

当時、水深30mを海底クルーズできる日本唯一の観光潜水艇として人気が高く、夏休み期間中は大人1万2800円の高額の料金設定にもかかわらず満席が続いた。しかし、1ヶ月の定期点検に加え、悪天候による欠航の影響が大きく、年間稼働日数が当初見込みを下回っていた。2002年、老朽化と共に退航し、後継船は製造されていない。

要目 編集

  • 排水量 = 90t
  • 全長 = 18.9m
  • 全幅 = 3.5m
  • 深さ = 3.55m
  • 吃水 = 2.7m
  • 速力 = 水中 2kt
  • 最大潜航深度 = 50m
  • 設計許容深度 = 75m
  • 機関 = 横型軽量電動機× 5基
  • 乗員 = 40名
  • 搭載量 = 2665Kg
  • バラストタンク =8基
  • 窓 =20箇所(1枚あたり300万円)

参考文献 編集

  • 日本海中観光株式会社パンフレット『日本唯一観光潜水艦もぐりん潜水艦に乗ろう。』(1997年)
  • 琉球新報『国内唯一の観光潜水艦「もぐりん」廃業へ 』(2002年1月18日)

外部リンク 編集